命を耕す 21

野澤「この世紀末になって、気の思想とか、東洋の思想というのが、日本で、そして、また中国で、ふわーっと浮上してきたというのは、何か、すごくシンボリックなことのような気がしてきますね。」

岸根「シンボリックですよ。東洋医学が見直されるというのは、ほんとうに、それを象徴していると思います。」

野澤「そういう方向に行ってほしいと切望しますね。」

対談『未来世紀 いのちのかたち』 引用「『気』が癒す」集英社






この二人の碩学による知的かつ先見的な対談が行われたのは、今をさかのぼる22年前にあたる。

果たして時代は、野澤さんが求めた通りに東洋医学を見直す時代を迎えているのか?

現状は冷徹に見れば東洋医学の認知度が増したなどというには余りに不甲斐なく、とても東洋医学が本当の意味で再評価される時代を迎えているなどとは言えないのだ。

いったいなぜ? そして誰の責任だろうか?

それは、他でもない自分の責任と言うことに帰着するだろう。

私が東洋医学界の惨状を見かねて、とてもこのままではどうしようもない、と腹をくくって、

ネット上において東洋医学の啓蒙活動を始めたのは2009年5月28日からで、今から約6年前、とあるサイトの東洋医学に関する掲示板であった。

その際には今と同じようにコンテンツの密度が高い資料をまず提供して、自分の意見を付記するスタイルで東洋医学に関する情報を発信した。

それなりに反響はあったが、一身上の都合でそこを離れてからも、折りに触れて東洋医学の啓蒙に励み、この自分のブログを開設してからは、

思いきり自分なりの東洋医学に関する啓蒙活動を実践してきた。

少しは成果があったかどうかはともかく、現状は依然として東洋医学の認知度は最低のままだろう。

世の中は一見すると膨大な健康情報が発信されており、今やネット上の健康指南番は素人、玄人を問わず、誰もがいっぱしの口を聞く時代を迎えている。

しかし、私が見るところ、そのほとんどはどこかの専門家の受け売りであり、つまりは誰かの意見の貼り付けであって、ようはヒトのフンドシで相撲を取っているブログがほとんど言える。

そうした中でもやはり、実際にヒトサマの身体をじかに触れて治療している有資格者である治療家の意見は、それなりに読ませるコンテンツを提供していると感じている。

私もこれまで多くの言説をこのブログで発信してきたが、そのすべては実際の臨床における手指の感覚をもとに醸成された『命を耕す』現場の哲学を背景に書き起こしたものである。

そのことをここでもう一度、強調しておきたい。

この『気』に関するシリーズも、足かけ26年間の現場体験の中で実際に『気』の何たるか?と対決し、

ようやく『気』らしきものの実体を朧気ながら掴めた感触があるからこそ、こうして記事を書いております。

ただ文献を漁り、ただネット上の誰かの意見をコピペするのではなく、実際のリアルな生きた『気』のありよう、

がこの手で把握できており、その感覚をもとに書き起こしているからこそ、この『気』シリーズはこれまで高評価を得ていると推定しております。

昨日は久しぶりに訪れた常連の御婦人客が帰り際に、「なんだか命拾いをしたよ。身体が軽くなって安心した。もっと早く来て身体を手入れしとけば良かった」と

感慨深げに治療後の爽快感を表現して帰宅されました。

身体は手入れさえしていれば、それに応えてくれるものです。

ある常連さんは「ここでやってもらってるから、私は風邪も引かないし、仕事が少しキツクても頑張れると身体に言い聞かせてると、本当にそうなる」と仰ったので、

わたしはその言葉を受けて「それこそが実は気功なんですよ。気功ってスプーンを曲げたり、ヒトを吹っ飛ばす事ではなくて、実は自分の意識で自分の身体をコントロールすることで、今、Sさんが仰ったことがまさに気功の本質なんです」

と解説してみせたら、「そんなこと、ぜ〜んぜん、知らないけど、本当にそうだもん!」とあっけらかんとした清々しい言葉を返してくださいました。

自分の意識で自分の身心をコントロールすること、それが気功です。

だから日々、気功的な生き方をしているヒトは、あえてエクササイズとしての気功法は必要ありません。

生き方そのものが気功になるために、気功エクササイズを学ぶ、というのが本当なのです。

つまり、気功エクササイズはあくまで手段であって、気功の本質ではありません。

でも、これだけ気を乱されるご時世にあっては、気功エクササイズも気功的な生き方をするために有効で必須な養生法と成り得るでしょう。

東洋医学界に対するありがたき応援であった「野澤・岸根対談」から20数年のブランクを経て、

本当の意味で『気』とは何かを人々に発信し、東洋医学の認知度を上げるための私の闘いは、まだスタートしたばかりです。

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2015.04.20 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

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