命を耕す

「・・・(足の三里を指圧中)・・・、ふぅむ、アンタ、気功を習ってたことあるね?」

「(手を休めずに、足の三里から下の胃経ラインを押したまま)えっ、いや、別にどこにも気功なんか、習いに行ったことは無いっすよ!」

「う〜ん、ホント?だって、俺の気が動いてるよ」

「そっすか? 気のせいじゃないですかね(笑)」


私もこれで鍼灸指圧業界と付き合いがある時期がありまして、ある全国規模の鍼灸団体に属し、地元の支部会というものに所属していた時期があります。

その頃に知り合った、地元の老練の指圧師がある時に、フト、私の治療院に患者として訪れた際に放った言葉がこの冒頭の言葉です。

長年、プロの指圧師として生きてきた者には、私の指圧術の中に普通一般の指圧と違う何かがあることを、すぐに悟ったようです。

旧厚生省医務局において定義された「按摩、マッサージ、指圧」の手技三法のうち指圧の定義は

「指圧とは、徒手で拇指、手掌などを用い体表の一定部位を押圧して生体の変調を矯正し、健康の維持増進をはかり、また特定の疾病治癒に寄与する施術である」

ということになっている。

なんだか、お堅い言い回し、かつ、非常に表面的な言い方だ、というのが私のこの厚生省版指圧定義に関する印象だ。

もしも私が指圧というものをオレ流に定義するのなら、例えば

「指圧とは、特に手の拇指を用いて体表の凝りの強い一定部位を凝りが動き出すまで押圧し続けて、生体の気血の変調を矯正し、健康の維持増進をはかり、また特定の疾病治癒に寄与する日本が世界に誇るクール・ジャパンな最上の「おもてなし医療」である」

と少しアレンジを加えてみます。

「生体の変調」という言葉にたったひと言「気血(きけつ)」という言葉を混ぜて「生体の気血の変調を矯正する」とするだけで、グッと指圧のリアルなありようが浮かび上がってきます。

指圧こそが優れた気功療法だった、なんて皆さん、知らなかったでしょ?

気功と言えば定番の触れずして、2メートルほど離れたこっちから手をかざして、あっちのヒトを吹っ飛ばすという、あの西野流呼吸法の世界か、

はたまた、植芝盛平翁が創始した合気道のこれまた触れずしてヒトをクルッと反転させる「空気投げ」あたりが、気功のイメージの定番です。

しかし、医療の世界における気功とは、こうした外気功、硬気功、武闘気功とは異なり、もっとマイルドな内気功がメインとなります。

患者のもつ内なる気の流れを整えることこそが医療気功の本質です。

指圧をしていると、自然に患者の内なる気と遭遇します。

当たり前ですよね。身体を触るのですから。

「手当て」という医の原点にずっと、こだわってきたから見えてきた指圧を通した気の世界について語る、なんて者はまずいないし、

また鍼灸指圧師になって、鍼灸専門にならずに、ずっと指圧をやり続けている者も恐らくはかなり稀な例ですから、

私が語る指圧と気の「気&指圧」の話しは、これでけっこう貴重かもしんないよ(笑)

「こりゃあ、田んぼを耕して肥えを打つのと一緒だ!」

「そこを耕してもらうと、楽になるよ」

わたしが指圧治療をしている最中に、患者さんたちから自然に口に出る「耕す」という言葉。

そう、私はここ23年間、ずっとヒトサマの身体を耕してきました。

いや、ヒトサマの命を耕してきました。

命を耕す鍼灸指圧の営為から見えてきた生命観をここひと月かけて、大いに語りたく思います。

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2015.04.01 | | コメント(7) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

コメント

春ですね

こどものころ、一番好きなアニメドラマが未来少年コナンでした。YouTubeにあったので最近また観てました。コナンやラナ、ジムシーの(分け隔てない)態度や行動に(春に向けてか?)耕してもらいました。  が、、、自分で耕す力?をぼくもつけていきたいです。。。ヤー!!!(春の雄叫び)
さて、安藤先生や墨子先生、益軒先生、徳本先生などなどから未来を託されたと噂されてる少年、じゃなかった、、、なんだったっけ〜。
そうそう、未来鍼灸師イマムー観る時間だ!

2015/04/01 (水) 08:52:28 | URL | nakaohayato #- [ 編集 ]

中年おやじ・イマムーっす(笑)

nakaoさん、ほんと春ですね!

見ての通り、今日からはハンドルネームを本名としました。

こちら「人生は冥土までの暇つぶし」のブログ主の翻訳家の亀さんも、アタシのような者の名前に先生まで付けてくださっておりまして。

http://toneri2672.blog.fc2.com/blog-entry-791.html

そんなこんなで、今後はここコメント欄では本名でいきます。

そうっすね、東洋医学や東洋哲学の先賢、先達たちに未来を托されていると言える立場ですから、

ここからの責任は重大です。

指圧という手技はけっこう新しい手技で、大正モダンの香りがする術なのですが、すでに凋落が見えて、このままだと恐らくは消滅します。

よって、ここからの挽回を期して、不肖イマムー先生が、花火をぶち上げます(笑)

イマムーなりの気観も随時、公開していきますので、気の何たるか?を知りたい方もこうご期待ということで。

そういえば、今年の12月にはスターウォーズの新シリーズもいよいよ封切られるとか。

たしかタイトルは「フォース イズ アウェイクン」だっけ?

こちらジェダイの故郷の本家、指圧師もボチボチ目覚めまっせ!

2015/04/01 (水) 13:47:35 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

ヤー!!!

タマヤー!!!

2015/04/01 (水) 16:10:09 | URL | 中尾勇人 #- [ 編集 ]

憧れだよ~

イマムー先生こんにちは。良いお名前ですね~光臣さんって。。。
そうなんですよ、消滅の危機ですよ。昨日、たまたま近所の鍼灸院に行ってね、指圧お願いしたんですよ。そしたらそこの先生が「東洋医学には限界感じてて。。。今から医者は無理だから看護師になろうと看護学校受験したんだけど、見事に落ちた」って。。。「ええ!!!ウッソー!資格取り替えよう」って申し出たんだけどね。。思わず「もったいない、これからの人類を救うのはあなた達なんだから、鍼灸指圧をもっと広めよう!」と熱く語ってしまったのですが、現場の鍼灸指圧師は肌で感じているんだね。。
光臣くん(ちと馴れ馴れしいかな。。笑)のブログ、彼に紹介します!!!元気出して貰わねば!

2015/04/01 (水) 16:14:56 | URL | かおちゃん #tJwXaRLI [ 編集 ]

イマムー・ハリーって

ジェダイマスターの名前みたいじゃん(笑)

アタシの本名もけっこうイイ線いってるでしょ?

光りの使い手、という意味があるから、まるでルークスカイウォーカーに似てるし(笑)

中尾勇人、もジャパンアクションクラブ出身の俳優みたいな名前でカッコイイね。

忍者系の戦隊ヒーローのレッド役の役名にピッタリ(笑)

名は体を表す、というくらいだから、名前にはそれなりに意味があるかも。

実は自分が生まれた時に、書道家の祖父が候補に挙げたのが、光臣という名前と、光伯(みつのり)という名前の2つだったの。

それで最終的に光臣が私の名前に選ばれたんだけど、このもうひとつの光伯の方もなかなかイイじゃない?

で、「こうはく」と読んで、治療院の名前として復活させたというわけ。

光伯だったら、なんとなく国宝「松林図屏風」を描いた絵師、長谷川等伯と、どっこいでいけそうじゃん(笑)

臣だと、使い手だけど、伯だと、もろに宗主というかマスターというか師匠みたいなニュアンスになってくる。

まだまだ長(おさ)になるには、若過ぎっからね。




かおちゃん、鍼灸指圧は日本文化なんだけど、まさに今、鍼灸指圧は滅亡の瀬戸際にあえいでいます。

健康保険制度を使えないというのがまずもの凄い大きなハンディで、この保険制度が使えないことで、

現代医学にはまず勝てない。これはもう構造的な問題で、個々人の努力ではいかんともしがたい。

現代医学が優秀だからとか、東洋医学が原始的だから、とかそんなイメージの問題ではなく、単に保険制度が使えるか、どうか、でほとんどの者は現代医学を選択するわけです。

まずこの医療における経済的な問題というか、保険制度を使わなければ損だ、という観念がある限りは、東洋医学を人々が選ぶのはほんとうに稀なケースとなる。

さらに、医業類似行為法という法律の縛りの中で、私たち鍼灸指圧師には例えば広告制限という法が課せられており、

看板に書いていい文言が限られており、料金の提示も厳密には禁止されている。

だから街中を見れば分かるように、鍼灸指圧の治療院の看板はもの凄く地味なんです。

それに比べて、無資格者の看板のド派手なこと、と言ったら、ネオンがピッカピカで、何分、幾ら、がはっきり分かる明朗会計表示!

超地味な店と、キレイで派手な看板の店と、どっちを選ぶと言ったら、たぶん、普通の皆さんは料金がしっかりと提示されている方を選ぶよね?

この無資格代替医療ビジネスが、つまりは法の網の目をすり抜けて、今や、大繁盛の呈を成しているわけです。

これが今、とてつもないボディーブローとなって我が業界を追い込んでいるという現状もある。

つまりかたや健康保険制度の使える現代医学、かたや明朗会計表示の無資格代替医療ビジネスの乱立と、

この2つの巨大な山の影にスッポリと隠れてしまっているのが、実費のみで営業する鍼灸指圧という構造なんですね。

それで、そんじゃあ鍼灸指圧業界も健康保険制度を使える唯一の方法だった医師の同意書に基づく保険診療である往診を主体にした脳梗塞の後遺症をはじめ、歩行困難に属する患者のみをターゲットに、

出張料の加算で診療費をかさ上げして、それで食いつないでいける利益を上げようとする、いわば保険鍼灸ビジネスというやり方があり、

またその延長線上として増大する要介護者を対象とする介護ビジネスへの参入という動きも加速している。

これは時代の流れでしょうがないんだろうけど、でも本来的には鍼灸指圧は未病治の治療にこそ、その真価があるわけで、

動けなくなった者を対象にするのではなく、動けなくなる者を生み出さないためにあるのが鍼灸指圧の存在価値!

この認知症をはじめ加齢に伴う疾病の予防に関しては、私の祖母への継続治療による実績が確たるエビデンスとして存在します。

だから、私はこうした鍼灸指圧業界の保険鍼灸や介護ビジネスへの傾斜はある意味、鍼灸指圧の堕落であり、凋落の萌芽であると、見ています。

ということで、いかに鍼灸指圧の未来が明るくないか、がこれで分かると同時に、ネットの2チャンネルなんかの

鍼灸ネタなんか見ると、なんでこんな罰ゲームみたいに割が合わない職業を選ぶのか、お前らバカじゃねぇか?

の罵詈雑言のオンパレードで、いっそう凹むね(笑)

ようは鍼灸指圧の存亡問題ってのは、実は政治イシューなんだけど、ほら、日本の政治家や官僚はどっかの国の手下だから、

真に日本国のためになるような医療のためには絶対に働いてはくれないんだわさ。

もう何年も鍼灸指圧業界の全国4団体が無資格者対策に関する法整備の改正をと誓願し続けているんだけど、

いっこうに政治家どもは、うちらを相手にしやしないの。

でね、オレとしてはこうした政治的な活動もけっこうだけど、他に突破口があるんじゃね?

と思って、5年前からネットで東洋医学の啓蒙活動をはじめたってわけ。

誇り高きジェダイの騎士である指圧師もライトセーバーである指を操って気を操作しているだけでは最早、この時代を生き抜いていけないと悟って、

ライトセーバーをパソコンのキーボードを叩くというしょうもない作業に使わざるを得ないというのが現実なんですな。

でも、意外にもここ5年のネット啓蒙活動は無駄ではなかったという手応えも感じつつあります。

この業界はほんと問題が山積してるんだろうけど、まあどの業界も似たようなもんでしょうね。

明治維新の医制改革に日本の東洋医学の凋落の発端があることは事実だけど、もうそんなことをいつまでも言っていても、なにも変わらない。

世の中が変わらないのなら、自分が変わるしかない。

かおちゃんのような鍼灸指圧シンパが5億人もいれば、アッサリと地球世界は変わってくる(笑)

そうなる日を夢見て、これから指圧の、気の、何たるか?を熱く語ります。

2015/04/02 (木) 06:13:50 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

勇人は

池田勇人からとったとかとらなかったとか。。
小学校の低学年のときの夏休みかなんかの絵日記に、
きょううはテレビでにんじゃアカカゲをみました。うれしかってです。みたいな、今とほとんど変わらない文作力で書いてたのをおもいだしました。
「松林図屏風」、薄いほうの松がキルリアン写真風か守護霊松か!?みたいに勝手にみえたり、みえなかったり。。

桑畑五十郎さん、、なんだかうれしいです。

2015/04/03 (金) 12:13:59 | URL | 中尾勇人 #- [ 編集 ]

なんとかはムギを食え

の名ゼリフを言ったあの宰相っすかね。

コナンのイメージは、パンのイメージですね。

実は話しの内容はほとんど記憶にないから、もしかしたら世代がちょっと違うのか?

自分っちだと、ガンダム世代か?

あの松林図は、デッサンの下絵で、下絵を描いた段階で、これ以上描くよりも、このまま仕立ててしまった方がカッコイイと等伯が思ったか、

弟子が思ったか、そのへんは定かではないが、メチャクチャにセンスのいいヤツがいて、あのまま屏風絵に仕立てられたらしい。

だから、なんとなく生な感じというか、永遠のライブ感みたいなものが立ち上がる妙なる雰囲気があり、

そうまるで「気」の世界のような幽玄さ、が醸し出されている。

かの赤瀬川源平が、最初は嫌いだと思っていたのが、東京国立博物館で生の絵を観た瞬間に、やられた!と思ったというから、

かなりのモノらしい。でもアタシはまだ実物は観たことありません(笑)

等伯は実はイケイケのもの凄い野心家だったというから、そんな欲が深いような者にあんな絵が描けるなんてのも、

人間の不思議さ、複雑系、カオスな一面をあらわしているようで、面白いです。

2015/04/04 (土) 05:30:51 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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