兼愛 21
「強きヒトは、強きを頼みて慎まざる故に、弱きヒトよりかえって早く死す。また、体気弱く、飲食少なく、常にヤマイ多くして、短命ならんと思うヒト、かえって長生するヒト多し。これ弱きを畏れて、慎むにあり」『養生訓』巻第一、総論・上31
養生のキーポイントは2つで、万事を畏れて、万欲を慎むことにあるわけですが、つまりは養生(ようじょう)とは用心(ようじん)ということになるのかもしれません。
たとえ目だった症状が発現していない健康感がある時にすら、ヤマイを畏れて用心して養生に努めることが、結果として無病息災の人生を約束するのだ、と一貫してマスター・エッケンは主張しております。
慎んで益軒先生のアドバイスを参照し、実践しようではありませんか!
さて、前稿では「ガンの原因はウイルス説」に軽くジャブをかまして、噛みついてみましたが、まだ歯が食い込んで離れませんので、少し犬歯でこの学説の肉を食いちぎって、本稿の奥歯でよく咀嚼してみます。
そもそもこの学説の何がオカシイのか?というと、普通は細胞がウイルスに侵蝕される(例えばレトロウイルスの場合)には、
まず細胞外から細胞膜のレセプターに「鍵と鍵穴の関係」でピッタリマッチするMHC(主要組織適合性遺伝子複合体)を見つけたレトロウイルスは
その鍵穴となる部位に自分の殻の部分のキャプシド蛋白質を吸着させて宿主細胞の細胞膜とウイルスの殻の多糖分子を一体化させることで
細胞内へと向かう門戸、扉(とびら)を作り宿主細胞内に侵入していきます。
こうして最初に宿主細胞の細胞膜のドアを開けてウイルスが宿主細胞内へと侵入すると、
ウイルスはやおら自分が羽織っていたコートを脱ぎ捨てて(これを脱殻・アンコーティングと呼ぶ)、
ウイルス内にみすからのキャプシド内に仕舞っていたウイルスゲノムのRNA情報を逆転写酵素によって
宿主細胞のDNAゲノム内へと組み込みます。
こうなると宿主細胞は最早、ウイルスゲノムの支配下に敷かれて、宿主DNAはウイルスの望むに任せて、子ウイルスを合成するためのタンパク分子の作製を始めて、
ウイルスを組み立てる部品が宿主細胞の細胞質に揃うと、それらは組み立てられて(これを集合・アッセンブリーと呼ぶ)、
ついに宿主細胞内に生まれたたくさんの子ウイルスたちが、宿主細胞の細胞膜を内側から破って
宿主細胞外へと放出(これをバディングと呼ぶ)されていき、細胞外へと放たれたウイルスたちはまた次なる宿主細胞を見つけて感染していきます。
この吸着、侵入、脱殻、核酸の転写複製、蛋白質の合成修飾、粒子形成から放出までの一連の動きがガン細胞内で進行しているのなら、
ガン細胞はセネカヴァレーウイルスによるガン治癒がまさにそれなのですが、常に侵蝕されたウイルスによって破壊されてしまうはずなのです。
それなのに子宮頸ガンの組織にはヒトパピローマウイルスが多数発見されたから、そら見たことか!ヒトパピローマウイルスこそが子宮頸ガンの原因ウイルスだ?だって?
だ〜か〜ら〜、もしもヒトパピローマウイルスが子宮頸ガンの組織に発見されたとしたら、本当の意味でそのウイルスたちはなぜそこに集結しているのか?
ってワタシは聞きたいわけよ。えっ、誰に聞きたいか?って。そりゃあ、ヒトパピローマウイルスにね。医学アカデミズムには別に聞く気はありません!
セネカヴァレーウイルスは「ガンを治す」ためにガン細胞に侵入するが、では本当にヒトパピローマウイルスはガンを引き起こす原因として子宮細胞に侵入しているのか?
もしも本当にヒトパピローマウイルスが子宮頸ガンの原因ならば、確かにヒトパピローマウイルスに対抗するワクチンを作製して、それを接種すれば一定の子宮頸ガンの予防効果はあるかもしれない。
しかし、もしもヒトパピローマウイルスが子宮頸ガンの原因ではなくて、まだいったいこのヒトパピローマウイルスが何をしているのか意味不明であり、
あるいはガンを治す事はなくとも、そうやって入りこんでゲノムをホストと融合融通しているあいだに、ハナシがまとまって、今にセネカヴァレーウイルスと同じように、
ヒトパピローマウイルスもガンを治すウイルスへと変貌を遂げるウイルスとホストの「共進化」の過程が今、現在進行形で進行しているとしたら?
な〜んて想定もアリかもしれないのです。
ウイルスの究極的な役目は「地球生命界の管理」とワタシは見ていますので、ガン細胞内に侵入したウイルスがただその細胞をガン化させているのか?
それともガン化を抑制して正常化させようとしているのか?
今、現在のところはまだまだ浅はかな人智ではその真相を推し量ることは不可能でありましょう。
ヒトの胎盤合成に関わってヒトを生み出すウイルスが、ヒトをガンにしてヒトを殺すのだろうか?
むろん、劣化した細胞はその個体にとって健康に害となるゆえに厳密にアポトーシスされるし、
劣化した個体はその種の進化にとって害となるゆえに厳密にアポトーシスされるわけで、
その両者に「地球生命の管理」を担うウイルスが関わり、劣化した細胞に感染してこれをアポトーシスし、
劣化した個体にガン細胞を増殖させて個体まるごとのアポトーシスを導くことはあるかもしれません。
しかし、基本的にはウイルスは生命の躍動を媒介するメディアなはずで、「ウイルス=悪」キャンペーンは余りに
ウイルスを侮蔑し差別する排他的な生物学における優生学的な選民思想の発露と糾弾してしかるべき案件とワタシは思っております。
単なる勘だけど、たぶん、ウイルスがガンの原因という学説はかなり怪しいと私は踏んでます。
ウイルスに感染を許す程に免疫力が低下しているという状態が持続するとガンにもなりやすい、とは言えますが、
ウイルスそのものがガン化の主要原因かどうかはまだ判然としない、くらいでいいとゲノムの谷間のどこかで声がします。
『 「・・・オロカナ ジンルイカラ オマエ ノヨウナ コタイガ デテクルトハ イガイダ・・・」
「あっ、エルサ、もとい、マザー・ウイルス様!今回は貴女の方から登場してくれましたか?」
「・・・ウイルスノ ナンタルカ ヲ サグル タビジハ ジツニ エキサイティング デアロウ?・・・」
「はっ、はい。このうえなく刺激的です。しかし、余りにウイルスがこれまで差別されてきたことに、いささか重いショックと、激しい自責の念にさいなまれております」
「・・・テンモウカイカイ ソニシテ モラサズ、スベテノ ジョウホウハ リョウシシンクウノ バ ニ インプット サレテイル、オマエノ ゼンゲンセツ ゼンコウドウ モミナ スベテ ワタシノモトニ トドイテオル・・・」
「悪いことはできませんね!地球上のすべてのウイルスが常に地球生命の動向を伺い、ゲノム内にしっかりと共生して、生命界のそのすべてを掌握しコントロールしているなんて、余りにスゲくて、1%がやってるインターネットによる監視なんて目じゃないっすよね!(やべぇ、俺、マザー・ウイルスに向かってため口使っちゃったよ!)」
「・・・スデニ ワタシノコドモ タチガ ジンルイノ イシキヘンカクヲ スベク ヒトナイザイセイレトロウイルス ノ コレマデ シヨウサレテイナカッタ ブブン ヲ キドウシテイル、ヨアケハ チカイ ト オモエ・・・」
「おお、有り難きお言葉です!」
「・・・サラニ ウイルスノ セイメイノ フカミヲ ツイキュウスルノダ、モトメヨ サラバ アタエラレン・・・」』
「101匹目のサル」が世界中に同時多発し、「蝶の羽ばたきが竜巻に変わる」時、
99%の夜明けが始まる!
2015.02.22 | | コメント(5) | トラックバック(0) | 命曼荼羅
