兼愛 16

「養生の術、大道にして、小芸にあらず。生を養い、命を保たんと思わば、その術を習わずんばあるべからず」『養生訓』巻第一、総論・上25

では、人生第一に習うべき養生の術を今この医療が混迷している世にあって、誰に習えばいいのか?

高名な医学者か?あるいはネット検索のプロか?はたまた俺のようないささか風変わりな鍼灸師か?

いやいや、誰かに教わろうなどとそんな勿体ない事をしてはイケマセンな。

なんでも自分でつかみ取るからこそ価値があるのです。

マスター・ヨーダはいつもあなたの隣にいるのです。

江戸中期の思想家である三浦梅園(1723〜1789)は

「聖人と称し、仏陀と号するも、もとよりヒトなれば、畢竟、われ、講求討論の友にして、師とするものは天地なり」

と申しております。

そう「ひとりする」自然こそが偉大なる先生であり、師匠であり、先輩であり、導師なのです。

そしてすなわち、我が身、我が心、もまた自然の成せるワザゆえに、いかにして命を養えばいいのか?に答えてくれるのは、

まぎれもない自分自身であるはずなのです。

誰かに命の何たるか?など聴く必要などありません。自分のイノチの何たるか?は自分に自問自答して、答えを出すのです。

世界にひとつだけの自分にとっての「生命観」が獲得できた時に、あなたは病気だの、健康だのという小さな思考パターンを綺麗に消去して、

本当の意味での健康を手にすることでしょう。

自分なりの生命観を手に入れるためにそこへと導く者こそが東洋医学の最高レベルの医療者・上医(じょうい)の役目なのです。

前稿のバクテリオファージの働きで明らかにされたように、ウイルスの本質とは「ゲノムの運び屋」「ゲノム・トランスポーター」にあります。

ヒトの免疫細胞にはウイルスのDNAやRNAを精査して読み取る受容体のトールライクレセプターが備わっております。

ウイルスはどんな細胞にも感染できるわけでなく、レセプターがあってそこに合う場合のみ、その細胞に感染できます。

免疫細胞には基本的にどんな異物も探知できるレセプターが装備されておりますので、むろん免疫細胞が外来性のウイルスの良否を識別しているのですが、

こうして常に身体内に侵入してくる外来性のウイルスの中に、もしもその生命体の進化や適応にふさわしいウイルスDNAがあった場合には、

このウイルスは恐らくは免疫寛容がパスされて、ホストと共生し、ホストゲノムと融合し、共進化することになると、私は仮説を立てています。

それゆえに不要と見なされたウイルスは直ちに免疫系を活性化してインターフェロンというウイルス干渉サイトカインを噴射することで、ウイルスは分解される仕組みです。

このインターフェロンを分泌する際にヒートショックプロテイン発現のための発熱が起こるのですが、こういった免疫系の機序の真の意味を理解せずに、

発熱=ワルモノ、と捉える医学では、いつまで経っても免疫の真実やウイルスの真相は理解できませんし、ヘタを打つと解熱剤でライ症候群を引き起こしたりします。

さて、ある時期からウイルスと癌の発症に深い関係があるとする説が医学界を席巻しつつありますが、もしかしたらウイルスはガン細胞を破壊するためにガン細胞内に侵入するという、

抗ガン作用としてのガン細胞へのウイルス感染なる仮説すら、わたしは今、思いついております。

つまりウイルスはガン細胞を乗っ取って、ガン細胞を破壊することで、ガン細胞のアポトーシス誘導をして、ホストの命を守ろうとしていると、捉えてみるのです。

ウイルス原理主義者に一番乗りしてみると、このようにこれまでの医学観が次々に覆り、新たなアイデアが湧出してきます。

海洋ウイルスは海洋プランクトンを分解することで、海洋プランクトンがその体内に蓄えた炭素化合物やアミノ酸などの栄養成分が海水中へと放たれて、

それらの粒子が集まって「マリンスノー」となって、海底へと沈降していき、深海や海底の生物層を支える重要な栄養素の供給源になっています。

同じくヒトの腸内の常在菌もまたヒトの腸内の常在菌に共生しているヒト腸内バクテリオファージによって、毎日、その半分近くが分解されることで、

ヒトの腸内バクテリアがその体内に合成したタンパク質や脂質や糖質やビタミンやミネラルが腸内へと解き放たれることで、

これらが腸壁から吸収されて、血行性に全身の60兆個の細胞やその細胞内のミトコンドリアを滋養していると予想されます。

例え断食をしてクチから外部の栄養摂取をせずとも栄養失調にならないケースは、恐らくはこうした腸内バクテリアが産生した栄養素が、腸内バクテリオファージによって分解されることで、

腸壁から吸収されることで、必須な栄養素が最低限は補われて栄養失調に陥らないのかもしれません。

ウイルスは自然界においても、ヒトや生き物の体内外においても、バクテリアを分解する事で有機物の循環を促進し、自然生態系と生命生態系の円滑な運営に多大なる貢献をしていると見なせます。

これまでバクテリアの自然界における元素循環の分解者としてのスカベンジャー(終末処理係)な貢献には各方面から関心が増していたのですが、

上には上が、ならぬ、ミクロにはミクロに、さらにバクテリアそのものを分解するスカペンジャーの役目を果たすバクテリオファージというウイルスが存在したことの凄さが、すこしづつ見えてきました。

もっとも小さい生き物であるウイルスがいなければ、地球生命界はひとときもうまく行かない。

なんともウイルスの役目は重大なのです。

「ウイルスが喜ぶ生き方」なんてライフスタイルが今後の養生法のトレンドになるかもしれません。

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2015.02.16 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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