兼愛 14

「ヒトの命は100年にも満たず。天地の命長きに比ぶるに、1000分の1にも足らず。かかる短き命を持ちながら、養生の道を行わずして、短き天年をいよいよ短くするは何ぞや。ヒトの命はいたりて重し。道にそむきて短くすべからず」『養生訓』巻第一、総論・上23

益軒先生の物言いはまったく現代にも通じるモダニティーを保持しておりますが、やはり普遍性を勝ち取れるだけのコンテンツゆえに今にも通じるのでしょう。

前稿ではようやく少し論考が進行いたしまして、感慨深いものがございます。

「ガンは敵ではなく味方であり仲間である」発言には未だに賛否があるように、

「ウイルスがヒトだけでなくすべての地球の生き物を養ってきた」などという主旨で論説を展開すれば、

ウイルスを単なる感染症の病原物質としか見ていない99.9%の普通の人々に総スカンを食らうのは目に見えていたのですが、

あえてウイルス原理主義者になって、「ウイルスとは何ぞや?」の論考に挑むことで、「命とは何ぞや?」の究極の養生命題を照射し、新たな生命観を獲得するに到りました。

私がなぜ本来は医療界における鬼っ子であり、蛇蝎(だかつ)の如くに忌み嫌われるワルモノでありテロリストである「ガン細胞や病原バクテリアや病原ウイルス」の別な側面を探っているかというと、

早い話しがいち鍼灸師として市井において医療行為を行う中で、常に病気の原因は何か?と悶々とし続けた挙げ句に、病気の原因というワルモノが幻想であり、

また症状を治療するとか、病気を治すという高慢な態度すらに嫌気がさしてきたという私の内部での治療観の変化みたいなものがまずあったと言えましょう。

ちまたにはガンなど怖くないのだと主張する御仁もおられるようですが、末期癌の身体を何人も触った経験から申せば、ガンほど恐ろしいモノはないのです。

しかし、こういった癌の末期であっても意外にも身体はガン細胞があるその中で調和して、その身体を上手にやりくりしているのです。

現代医療は早期発見、早期治療を錦の御旗に掲げて、一般大衆を病院へと「呼ぼう」の予防医学を推奨しているのですが、

そもそもガン細胞とは細胞内外環境の悪化ストレスに対応してのみずからの遺伝子変異による細胞進化の結果生じた細胞なのであり、

本来ならP53遺伝子により強力にガン化が抑制されて、もしも細胞がガン化しようものならこのP53遺伝子をもって細胞核ゲノムが主導してのアポトーシス誘導が成されて

即座にガン化しかかった細胞はゲノムを細かく断片化し、大きな細胞が小さな細胞小片に細かく裁断されて、免疫細胞のマクロファージに貪食されてしまいます。

またガン化細胞や、外来性ウイルスや外来性バクテリアに罹患した劣化細胞のアポトーシス機序はP53遺伝子誘導とは別に、

ミトコンドリアがチトクロームCという赤いタンパク質を細胞質内に漏出させることでアポトーシス誘導をするケースなどもオプションとして備わっているし、

また細胞は常にその細胞膜表面にMHC(主要組織適合性遺伝子複合体)またはHLA(ヒト白血球抗原)

などと呼ばれる細胞膜の標識を掲げており、もしも細胞がガン化しようものなら即座に細胞内のガン抗原がユビキチンというヒートショックプロテインによって細胞膜表面にまで引っ張り出されて

「わたし、ガン細胞、やってます!」の看板が細胞膜に立てられることで、免疫細胞のキラーT細胞がこれを見つけて3種のガン細胞分解酵素のパーフォリンとグランザイムとフラグメンチンを振りかけて速攻でガン細胞は跡形もなく消えてしまいます。

こうした細胞核ゲノム型アポトーシスやミトコンドリア式アポトーシスやMHC免疫細胞アポトーシスなどのあらゆる手を使って正常細胞のガン化は抑制されているのですが、

こうしたあの手この手のガン化細胞アポトーシス処理をもってしても、ガン化する場合にはやはりそこにはこの細胞にとってノッピキナラナイ事情があると見るのが「ワルモノを作らない医学」の基本となるのです。

ウイルスがガン細胞に入りこむのを好むのは、自分のコピーを増やしたいウイルスにとっては増殖を亢進しているガン細胞に感染すれば自分たちのコピーを増やすチャンスが増すからなのですが、

だから外来性ウイルスがガン化の原因なのか、ガン化の結果が外来性ウイルスの感染なのか、はまだ決着がついていない問題と言えましょう。

それなのに子宮頸ガンの原因ウイルスがすでに外来性ヒトパピローマウイルスの16型と18型と指定されて、ご丁寧に効きもしない子宮頸ガンワクチンの在庫一掃セールがここ日本において実施されて、

多くの服毒作用を発症させた事はリアルタイムな悲劇であることは記憶に新しいです。

だからね、そもそもガン細胞とは何なのか?ウイルスとは何なのか?このへんがまだ全然、はっきりとわかっていないわけよ!

つまりは「命とは何なのか?」 この究極の命題にすらまだまったく答えが出ていない。

それなのに訳知り顔で偉そうに手を付けるから失敗するわけよ。

ということで、久しぶりに実践的な養生法に関してアドバイスすると、外来性の病原性ウイルスに対する養生法としてはこれは今まで通り『ネバネバヒート』な実践をもって、

マクロファージや樹状細胞のトールライクレセプター・TLRに多糖分子とヒートショックプロテインをヒットすることで、免疫力を常に保持すれば、

外来性ウイルスに対抗するには充分と言えます。

さらにここからがかなりアヴァンギャルドに新しい養生法となりますが、発酵食品の摂取はこれが外来性バクテリアの取りこみにより

やはり腹腔マクロファージのトールライクレセプターの活性化につながることはすでに論説済みですが、

この地球生命界はウイルスによってコントロールされておりますので、実は発酵菌というバクテリアの細胞壁やバクテリア・ゲノム内にはおびただしいウイルスが存在するのです。

特に「バクテリアを食べる」という意味のバクテリオファージと呼ばれるバクテリアのみに感染入植するウイルスたちは、発酵食品の中にいる発酵菌に大量に同居し、共生しています。

例えば日本の細菌学者である志賀潔により1898年に発見された赤痢菌属はもしもヒトの腸内で増殖すれば細菌性赤痢に

特有のベロ毒素により粘血性下痢や嘔吐や重症の場合には40度近い発熱などの重篤な症状をヒトにもたらしますが、この赤痢菌に感染するバクテリオファージがいれば

このバクテリオファージがアッサリと赤痢菌の細胞壁を破ってファージDNAを赤痢菌に注入して、文字通りバクテリアを殺す作用をもって赤痢菌を殺してしまいます。

つまりどういうことか?

発酵食品を摂取することはイコール発酵食品に共生しているバクテリオファージを一緒に摂取することにつながるので、もとからヒトの腸内に共生していたバクテリオファージに

発酵食品に共生していたバクテリオファージがさらにプラスされて、ヒトの腸内のバクテリオファージの密度がいや増しに増大し、パワーアップするのです。

バクテリオファージはバクテリアを感染源として増えるか、あるいはバクテリアのDNAに入植する方法で自身のコピーを増やす性格がありますが、

ヒトの腸壁細胞に感染してヒト細胞を傷害することは決してありません。

まとめるならば、発酵食品の積極的な摂取は結果としてバクテリオファージの腸内密度を増大させることで赤痢菌をはじめとする病害性外来菌に対抗するプロバイオティクス効果を発揮すると結論できるのです。

1963年、旧ソ連(現グルジア共和国首都)トビリシに設立されたエリアヴァ研究所にて、トビリシの小児3万769人を対象にファージ製剤の実際の効果を調べる史上最大規模の臨床実験が実施された。

109日間の追跡調査の結果、比較対照群の砂糖錠剤を飲んだ子供たちは、1000人当たり6.7人が赤痢に罹ったのに対し、ファージの錠剤を飲んだ子供は1000人当たりわずか1.8人だったことが明らかとなった。

つまりファージ製剤を飲んだことにより、赤痢罹患率は約4分の1に激減したと言えます。

このバクテリオファージを多く含む食材はピクルス、ヨーグルト、サラミなどとされ、またヒトの腸内細菌にはそれぞれ多種多様なバクテリオファージが共生して、日々、海洋ウイルスが海洋バクテリアの半分近くを分解することで、

海洋内の炭素や窒素やアミノ酸の有機物の分子循環を促進するが如くに、恐らくはヒトの腸内細菌を分解しているヒト腸内バクテリオファージも腸内環境を整える重要な役割があると予想できます。

発酵食品の摂取には、発酵菌による免疫賦活だけでなく、発酵菌に共生するバクテリオファージというウイルスによる整腸作用というトテツモナイ余得、オマケまで付随していたのです。

日中戦争の当時、軍医・沼田勇は自分の部隊全員に必ず1日に1個の梅干しを食べさせることで、自分の部隊からはひとりの赤痢患者も発症させない偉業を成し遂げている。

これもまた梅干しに共生していたバクテリオファージが赤痢菌を抑制した好例と言えるかもしれない。

梅干しや味噌汁が原爆症を未然に防いだ実例は故・秋月辰一郎博士の実践により立証されているが、もしやこれらの梅干しや味噌の日本古来からの発酵食品に

共生し共に進化していたバクテリオファージが「原爆性赤痢」の予防に何らかの役目を果たしたと見るのもなかなかに興味深い考察だ。

ウイルスの何たるか?を探ることで、新たな養生法を確立する。

フフフ、だてに23年間、悶々としてきたわけじゃあないっすよ!

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2015.02.15 | | コメント(6) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

コメント

いつも

ぜんぜんコメント書けてませんが、いつも読まさせてもらってます。本当にありがとうございます。

2015/02/15 (日) 12:07:55 | URL | nakaohayato #- [ 編集 ]

どうもどうも

nakaohayatoさん、

いつも読んでいただきまして、まことにありがとうございます。

本記事も早朝に急ぎ書き込んでおりまして、推敲不足で誤字など

文意がおかしい箇所などありましたので、修正いたしました。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

2015/02/15 (日) 19:13:30 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

とんでもなんとも

こちらこそよろしくお願いします。
とくに最近はゾクゾクワクワクと壮大な?ファンタジーなんかをよんでる感じもします。

2015/02/16 (月) 12:11:10 | URL | nakaohayato #- [ 編集 ]

いやいや

まったくもって、たいしたモンじゃあござんせんので、ひとつお気楽にフランクにお付き合いの程、よろしくお願いします。

実はいつからか、命に関する新しい物語り、新たなファンタジーの必要性を痛切に感じるようになりまして、

そうした内在する心情が最近の記事にインスパイアされてきていると、自分でも感じておりました。

ただ普通に書き込んでいるだけなんですが、神懸かり的にスッとアイデアが浮かんだ時には、

自分でも不思議と自分の記事内容にゾクゾクしますね(笑)

常連さんには、先生の思いつきは「神懸かり」と一緒と以前に指摘して頂いたんですが、

そういうものかな、と最近は納得して自信をもって、空想領域の描出をしております。

真理とは仮説であり、その仮説ですべてが説明できれば、仮説が真理である、という西欧の科学者の言葉を借りれば、

仮説や空想であっても、それがゾクゾクする程に真に迫っていれば、もしかしたら実験でエビデンスが抽出できなくとも、それが真理かもしれませんね。

なにせ40億年前の事は化石も残っておりませんので、いかようにも仮説が立てられるフロンティアなのです。

であるからこそ、想像力、空想力、ファンタジーの勝負領域とも言えて、自分はこういうフロンティアが生来、好きなようです。

「ロードオブザリング」「2001年 宇宙の旅」「ターミネーター」が基軸になってここまで進行していますが、

最近は「エリジウム」「トータルリコール(コリン・ファレル主演版)」な1%対99%の対決イメージが鮮明に記事に露出気味です(笑)

生命観はそれこそひとりひとりに固有のモノであってイイはずです。

みんながそれぞれ想像力を発揮すれば、地球生命の、人類の「ネバーエンディングストーリー」は本当の意味で不滅となりましょう。

ウイルトピアな輝かしい未来が待っています。

2015/02/16 (月) 19:32:53 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

ハリィさん、、ですみません。

このコメントのハリィさんの返信?が来た時、知り合いのブログの言葉で、普通な自分たちは亡くなった方達と話せること出来ないから、これがメッセージかな?とか、こういう風に思ったら喜んでくれているかなと思いながら生きている。。。と書いてあったのががふと思い出されたというか、なぜかなんかリンクしたといいますか、、そんでここんとこ頭の隅にハリィさんの言葉とその言葉が住んでいたんですが、今日、うーーん、ウィルスとかのレベルだったら亡くなった方達とも連絡できるのかな〜、と考えてたら、今日のハリィさん、マザーウィルスとコンタクトとってたー!!(笑) こんなコメントですみません。

2015/02/19 (木) 12:40:26 | URL | nakaohayato #- [ 編集 ]

そうそう、ハリィで、オッケーっすよ!

この宇宙は量子真空という情報媒体に満たされていて、

宇宙に生成したすべての情報が空間に記録されていくという仮説がありますが、

ウイルスゲノムが宇宙情報をプールする役を担っている可能性もありますね。

そんなこんなを夢想していると、マザー・ウイルスが顔を出してくれます。

マザー・ウイルスのイメージとしては深海の熱水噴出孔から洞窟が続いていて、

その奥の間に大きな金の椅子に座った輪郭だけの超美人のナイスバディな半透明で光ったような姿なんかどうでしょうかね。

アナ雪のエルサに似てるかな(笑)

ウイルス界はいわゆる超個体で、ハチやアリと同じような社会構造で、やっぱりマザー・ウイルスがすべての司令塔であり頭脳と考えるとけっこう面白いかなと。

2015/02/19 (木) 19:52:22 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

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