兼愛 10

「すでに元気を害するモノを去らば、飲食動静に心を用いて、元気を養うべし。例えば、田を作るが如し。まず苗を害するハグサを去ってのち、苗に水をそそぎ、肥をして養う。養生もまたかくの如し」『養生訓』巻第一、総論・上21

ヒトの身の養生と、田畑の養生をフラクタルに捉える視点は、農耕民族の日本人ならではの視点かもしれません。

しかし今現在の人類は環境中に放出したおびただしい産業毒によって次々にミトトキシックとジノトキシックな産業毒物質に蝕まれつつあるわけで、

いったいこの元気を害するモノである産業毒をいかにして抑制するかという問題はおいそれと解決できる問題ではありません。

ヒトの身が健康であることは、田畑が健やかであることと同義であり、田畑が健やかであることは畢竟すればその文明が正常であることと同義でありましょう。

近代科学文明がもたらした功罪のうちの罪の側面が先鋭的に漏出する今の時代に、いったいどのような視点で養生を語るのか?、こちらのセンスが問われます。

つまり非常に限定されたミクロの身体の事だけを還元主義に語っていても、それはほとんど意味のない事と思われます。

ミトトキシックとはミトコンドリア毒性のことを言い、ジノトキシックとは遺伝子毒性のことを言いますが、あらゆる産業毒の汚染物質は最終的に人体の細胞内に濃縮して、

ミトコンドリアとゲノムの遺伝子を含む細胞内オルガネラのすべてを失調させて、ヒトの健康を損ねます。

もしも健康になりたいのなら、この文明そのものを変革しなければイケナイという視座で今後も養生を語る所存です。

さて、今や完全にどっぷりとはまってスーパーホットなマイブームネタとなりつつあるウイルスのハナシを進めてまいりますが、

ウイルスという言葉は正確にはラテン語で「蛇の毒液」と「人間の精液」の二つの意味があるとされます。

ヘビ毒はヘタをするとヒトを殺しますが、人間の精液は欲求不満や暴発的な行動の源になることはありますが、本来的には新たな生命を生み出すモトです。

はからずもウイルスという言葉に「破壊と創造」の両義性が備わっていたことに、改めて驚いております。

タバコモザイク病というタバコの葉に発生する植物の病気の原因を追っていたオランダの化学者ベイエリンク(1851〜1931)はまだ電子顕微鏡が開発されていなかったので、ウイルスそのものを発見は出来ませんでしたが、

細菌を濾過できる陶器をすり抜けた液体を健康なタバコの葉にふりかけると、その健康なタバコ葉にもタバコモザイク病の斑点が出現することを実験で立証して、

この液体を「感染力をもつ生きた液」とし、「ウイルス」と命名しました。

ベイエリンクやロシアのイワノフスキー(1864〜1920)らがほぼ同じ時期の1892年から1899年にかけて素焼きの磁器で出来た細菌濾過器を通過させた液体にウイルスらしきものが含まれると予想してから、

さらに30年以上が経過した後にようやくアメリカの化学者ウェンデル・スタンリー(1904〜1971)が約1トンもの大量のタバコモザイク病の葉をかきあつめてそれこそとてつもない苦労をして、

抽出してようやくタバコモザイクウイルスのタンパク質の結晶がスプーン1杯分のエビデンスとなり、ついにウイルスらしき粒子のカケラが日の目を見ることになりました。

現在は電子顕微鏡を使ってナノレベルのウイルスの実際の姿が見られますが、例えばヒトの鼻に常在し共生している通常の風邪の原因ウイルスであるライノウイルスなどはまるで、

その体内に銀河系を仕舞っているかと思えるほどに美しい姿が捉えられております。これは染色の仕方によりそう見えるのでしょうが、最も身近な風邪ウイルスであるライノウイルスに宇宙を見るとは思いも寄りませんでした。

いやいやウイルスはもしかしたら宇宙原理にのっとって、あまねく宇宙中に普遍的に存在する宇宙生命史の立役者かもしれませんから、ライノウイルスの体内に銀河系を観た私の感性もまんざらではないかもしれません。

極小のモノに極大が投影される。これぞ宇宙原理のマトリョーシカで金太郎飴なるホログラム原理なのです。

海洋ウイルスのバイオマス(生物学的総量)は海藻やサンゴや魚や、クジラやアシカやイルカなどの海洋哺乳類のすべての海の生き物を足した総量の15倍で、

わかりやすく言うとシロナガスクジラ7500万頭分の重さと海洋ウイルスの総量は同等であり、

海洋ウイルスの全個数は1のあとに0が30個つく数で、海洋ウイルスのすべてを並べると2億光年先の60番目の銀河にまで達すると言い、

海水1リットル中には1000億個ものウイルスが蠢(うごめ)いています。

生命が誕生した母なる海が、ウイルスに満ち満ちているという事実はまたなんとも示唆的ですが、恐らくは母なる大地の土壌もまたウイルスの天国であろうと推定されます。

海洋ウイルスのほとんどはヒトには無害であり、海洋ウイルスの主たる役目は海洋生態系の維持にあるとされ、

毎秒10兆個の海洋微生物が海洋ウイルスの侵入を受けて、日々、全海域の海洋バクテリアの半分ほどが海洋ウイルスに分解されている計算になり、

この海洋ウイルスがもたらす海洋微生物のバイオマスコントロールにより、実は地球大気の酸素濃度や二酸化炭素濃度のバランスまでが保持されて、

地球温暖化を防止し得る重要な立ち位置に海洋ウイルスが存在する事が判明しております。

地球温暖化の真の原因はもしかしたら海洋ウイルスの失調にあり、海洋ウイルスの失調の原因こそが海洋汚染にあるのかもしれません。

この海洋ウイルスがおびただしく棲息する聖なる海へと私たちは今、猛毒である産業毒を毎日300トンも垂れ流し、ほとんど意識せずに大規模な海洋汚染に手を染めているのです。

このツケがどんな結果をもたらすのか?

エボラ出血熱ウイルスやエイズウイルスを上まわる強毒性の新種のウイルスが

「棲み分け」のタブーを破りテリトリーを侵害された海洋ウイルスの仲間たちから誕生しないか?

気がかりは尽きません。

人間よ、もう止せ、こんなことは!

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2015.02.11 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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