癒しの原点 27

「腹中(ふくちゅう)の痞満(ひまん)して食気(しょっき)つかゆるヒトも、朝夕歩行し身を労働して、久坐久臥(きゅうざきゅうが)を禁ぜば、クスリと鍼灸とを用いずして、痞塞(ひさい)の憂いなかるべし。これ上策とす」

前稿の文言に続く下策をバックアップする上策の提言です。今回の文は前稿も含む貝原益軒著『養生訓』総論・上のナンバー15に当たりますが、

総論・上は40番まで続きます。定石通り、順を追って私流の解読を加えていきます。

今回は特に解説も要らない程に明解ですが、ようは食べたら少し動け!さすれば気血が流動し、四肢運動と腸管蠕動は

「内蔵体壁反射、体表内臓反射」に連動するから腸内の食塊の消化もスムースに進行して、腹の張りも痞(つか)えも取れて、スッキリして快便快腸になる。

こうしたほんの細かい日常行動への心遣いによって「いまだやまいならざるをちす」の未病治ライフスタイルを実行すれば、

わざわざ高価なサプリメントを飲む必要もなく、わざわざ高額な酸化還元マシンの奴隷になって機械につながれる必要もなく、

むろん鍼灸院に駆け込む必要もなく、ゼニを一銭もかけずにみずからの命をみずからの手で養うことができる、

とマスター・エッケンはクールにラディカルに提言しております。

江戸初期にヨクイニンをよく使いこなし癌すらもよく治したとされる神医と称えられた名医の漢方医に永田徳本(ながたとくほん)という者がおりました。

生薬に精通し野山を散策しては薬草を渉猟採取して薬袋を身体に巻き付け、まるで老子のように白牛にまたがって全国を行脚して

「くすり一服、16文〜」と唱えたとされ、時の徳川将軍の難病をあざやかに治しても豪勢な褒美も貰わずに、サッサと定額分の薬値のみを受け取ると速やかに立ち去ったなどという

数々の伝説をもつ仙人のような漢方医でした。なにが仙人って、アンタ、享年118歳ですよ!

なんとも驚異的な長寿なのです。それもそのはず彼はいわゆる気功のような導引法に精通しておりましたから、

みずからの命をみずからの手で養うのはお手の物だったのです。

湿布薬でおなじみの某クスリメーカーの名の由来であるトクホン翁の治病哲学はひとことで言えば

「便秘は万病のもと」

益軒先生の今回のアドバイスとフラクタルに共振共鳴しております。

身体が肥満する原因には実は腸内細菌叢のバランスに原因があるとの研究がすでに成されております。ようは太りやすいものには特有の腸内細菌が棲んでいるのです。

腸内細菌に善玉菌と悪玉菌と日和見菌の3つの区別をするのは常識ですが、これに肥満菌なるカテゴリーを追加する日が近々来るかも知れません。

反対に痩せるのに貢献する菌もやがて発見されて痩身菌なる名称も一般化するかしら?

それはさておき、ウイルスにはまだ善玉ウイルス、悪玉ウイルス、日和見ウイルスという分類はございませんが、

しかし恐らくは近い将来にはこうしたウイルスの多面的な側面に注目が集まっていくと私は確信しています。

そもそもナノレベルの生命界はウイルス宇宙と呼べるほどのウイルス蠢くウイルスの独壇場です。

このウイルスサイズ1000倍の世界が腸内細菌を含むバクテリア界となります。

バクテリアをサッカーボールの大きさとするとヒトの全長はサッカースタジアム全体に相当します。

ウイルスは大気中にも地表にもおびただしい数が棲息しておりますが、実は土中や海中にもまた大量に棲息しております。

特に海の中にいる海洋ウイルスの数の多さはまだ未定ですが、とてつもない量のウイルスが海には棲息していると予想されています。

地球生命界のバイオマス(生態系に占める棲息量)比にしても恐らくはウイルスは最大規模になるでありましょう。

このウイルスについて私たちはこれまでまったく無知同然でした。ヒトの腸内に棲むT4ファージと呼ばれるウイルスはヒト細胞に悪さをすることはなく、大腸菌に感染して自身をコピーします。

つまりもしかすると腸内常在性ウイルスのT4ファージは整腸剤のような働きをして、腸内細菌叢のバランスの保持にひとやくかってくれているのかもしれない、との仮説が浮上してくるのです。

ようは腸内に共生同居しているT4ファージは善玉ウイルスと見なす、という仮説です。こうしたウイルスの善なる側面を探求することは

実にエキサイティングでアヴァンギャルドに革命的な試みで、ほんと胸がワクワクしますね。

海洋ウイルスは毎日、海洋細菌の20〜40%を殺菌することで、海中に細菌成分のアミノ酸や炭素、窒素が放出されて海洋中の有機物のバランスが保持されているといわれます。

「天地を知るは我私の意を入れず、あるがままに天地に従いて、天地を師とするにしくはなく候」三浦梅園

ウイルスの何たるか? はマスターである天地自然に聞くのがどうも一番早そうです。

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2015.01.28 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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