癒しの原点 21

「内慾とは飲食の慾、好色の慾、睡(ねぶり)の慾、言語を欲しいままにするの慾と、喜怒憂思悲恐驚の七情の慾を言う。外邪とは天の4気なり。風寒暑湿を言う。内慾をこらえて、少なくし、外邪を畏れて防ぐ、これをもって元気を損なわず、ヤマイなくして天年を永く保つべし」『養生訓』

日本における養生思想には韓国を経由して西暦450年頃に日本に移入された中国医学の医学観が色濃く反映されていることは、

日本において明治になるまではこの移入された中医学をベースにして日本風にアレンジと洗練を加えた日本鍼灸と日本漢方が医療の主流であった事から当たり前であることは言うまでもないが、

益軒がベースにしている養生観も無論のこと中医学コンテンツがベースであるゆえに、『養生訓』を読み解く際には中医学の知識が要求されることも論を待たない。

チマタにはこれまで『養生訓』の解読書と呼べるモノが何冊も発行されているのだが、中医学の素養がある鍼医が解読したものはまずもって皆無ゆえに、

今回の鍼医である私による『養生訓』解読は恐らくは革命的な解釈になり、すでにラディカルでクールでアヴァンギャルドな解説がほとばしっている事は皆様にもご承知いただけているかと存じます。

前稿にて中医学の病因論をサラッと復習しましたが、内因とされるものに内慾なる言葉は出てきませんでした。内因と言えば通常は七情の乱れを論ずるのが中医学の基礎なのですが、

そこに内慾という概念を持ち込んだのは益軒先生の一流のアレンジと言えましょう。

さらに外因である外邪を6つから4つに絞り込んで、乾燥の燥気(そうき)と熱波の熱気(ねっき)の2つの邪気をスルーしておりますが、

これも日本の風土を鑑みた益軒先生なりの配慮であり、日本人に合った養生法を説くための「はしょり」、シンプル化であったと推定できます。

中国大陸は日本の国土と比較して広大であり、そこに影響する気候素因には砂漠の乾燥や熱波があることは容易に想像がつきます。

しかし日本には砂漠のような環境はありませんから、益軒先生はこの砂漠のような気象条件がもたらす外邪である燥気と熱気を除いたと目されます。

内慾に関しては永く眠ってばかりいると、体内の気血の流動が妨げられるとして「睡(ねぶり)の慾」を内因にもってきておりますが、これも益軒先生独自の養生観であり、なかなかユニークな視点であり、

また言語を欲しいままにするとは、言いたいことを言いたいように言葉を操って喋ることを言いますが、これも過ぎたるは人身に害を及ぼす邪となると注意を促している点も面白いです。

内慾を慎(つつし)んで、外邪を畏(おそ)れる。この畏れと慎みをもったライフスタイルを実践すれば健康な天寿を全うできると説くのが、

凡百のインチキでエセ医学論が満載された養生訓モドキと一線を画すホンモノの『養生訓』の凄味です。

是非に「テロ対正義」のマッチポンプ陰謀ハリボテ劇場が真っ盛りの末期ホモサピエンスがあがくこの近代毒気文明の渦中にありて、

『養生訓』の精髄をここで飲み干して、くだらない二項対立の毒気(どくき)を綺麗さっぱりとデトックスして頂ければと存じます。

さて毒と言えばラテン語でウイルスなのですが、少し視点をヒトから植物に移行して、自然界に繁殖している三木成夫博士が表現によれば「植わったモノ」である草木たちは、

このウイルスが下支えするウイルス生命界でいったいどうやって上手にウイルスと折り合いをつけて暮らしているのか?には強く興味がそそられます。

動物にとっても病原ウイルスはやっかいなシロモノで、ヘタをすると感染されれば病気になり、うっかりすると死滅すら真逃れず、

余りに感染が長引けば種が絶滅することすらあるのですが、それは植物にとっても同様な事象であり、農家にとってはウイルス性の病気が栽培植物に感染することは経済的なダメージもさることながら、

有効な対策がないことからも、植物に罹患するウイルスは、大変な問題であることはよく知られております。

しかし、植物界の繁栄はパッと見ても分かるように、地球上には草木が生い茂り、海中にも海藻が繁茂しております。

こうした事から自然界に棲む彼ら植物には恐らくは独自のウイルス対策があるのではと想像できます。

古代ギリシャの医聖ヒポクラテスは、ヤナギの樹皮から取った苦い物質に鎮痛解熱の効能があると記述しており、古代中東やアメリカのネイティブ達もまたヤナギの樹皮を薬用として重用しておりました。

配糖体であるサリシンという混合物がヤナギの樹皮( Salicis cortex )を煮つめて抽出されたのが1825年、1838年にはイタリアでサリシンをサリチル酸に精製するのに成功し、

1860年についにドイツの化学者アドルフ・コルベがサリチル酸を合成するに及び、1874年からサリチル酸が内科領域で使用を開始され、

1897年にアセチルサリチル酸の合成の成功をもって、ドイツバイエル社が解熱鎮痛剤アスピリン(アセチルサリチル酸)の販売に到る。

「ヒトはみずからのうちに百人の名医をもつ」との自然治癒思想を展開した西洋医学の祖ヒポクラテスが植物のうちなる自然治癒物質に目を向けてから約2000年を経て、

ようやく「ヒトはみずからのうちに百人の名医と、さらにもうひとりの名医をもつ」に到ったと言えよう。

実は、ヤナギの樹皮に多く含まれる配糖体サリシンという成分は、すべての植物の樹皮に保有されている植物がもつ「抗ウイルス薬」なのです。

天然の抗ウイルス薬をちゃんと保持しているからこそ、植物たちはこのウイルスがおびただしく棲息する地球で繁茂できていたのです。

つまり植物は樹皮にウイルスが感染した場合に、ウイルス感染を探知すると感染した細胞でサリチル酸を合成して、ウイルスや病原菌が繁殖拡大するのを食い止めますが、

その際にはヒトの白血球がウイルスや病原菌と闘って膿となってアポトーシスするのと同じく、ウイルスや病原菌の感染を食い止めた植物細胞がそこでアポトーシス死して白く斑点になることもあります。

こうして自然界の植物は我が身を損なうモノであり、外邪である疫病のもとであるウイルスや病原菌から身を守って養生しているのですが、

さらに驚くべきことには、水溶性のサリチル酸を揮散性のサリチル酸メチルに変換して、植物の葉の気孔から大気中へとサリチル酸メチルを飛ばすのです。

このあるウイルス感染された植物から発せられた危険信号であるサリチル酸メチルは仲間の植物の葉の気孔から吸い込まれると、

今度はそこで水溶性のサリチル酸にまた変換し直されて、今度はこの仲間の植物が自分の細胞で同じサリチル酸の合成を始めます。

つまり植物はウイルスや病原菌に感染されると、それに対抗する抗生剤や抗ウイルス薬を自前で合成し、さらに仲間の植物たちにもウイルスや病原菌が近くに侵入したと揮発性のフェロモンと呼べる信号分子を使って知らせあって、共同してウイルスや病原菌に適応しているのです。

これは言わばヒトでいう免疫系の仕組みとまったく瓜二つの現象と言えます。ヒトの免疫系は腸内の腹腔マクロファージや皮膚の樹状細胞のランゲルハンス細胞がまずは外来性の病原ウイルスや病原菌や異物を探知すると、

マクロファージや樹状細胞から「異物侵入」の知らせであるインターフェロンやインターロイキンや腫瘍壊死因子が分泌されて、

免疫細胞全体へと「敵機襲来!」の知らせが伝授され、すべての免疫システムがスタートする仕組みです。

植物がウイルスや病原菌の侵入をもってサリチル酸を合成することと、腹腔マクロファージや皮膚ランゲルハンス細胞がサイトカインを分泌することが、まったく同じような免疫機序であることがこれでわかります。

ヒトは本来的に「みずからのうちに百人の名医である免疫系を保持している」のですが、さらに植物由来の植物がもつ「百人の名医」まで横取りしているのですから、随分とズーズーしいですね。

なぜ漢方薬の生薬が草根木皮を主原料としてきたのか?それは植物の細胞壁に病原菌や病原ウイルスに対する有効な成分である多糖体が豊富に含有されていたからなのです。

であるのなら、普通に食材として野菜や果物を食べていればウイルスや病原菌に対抗できるサリチル酸のような多糖体が豊富に摂取できるのでは?

そうなのです。だっからずっと「ネバネバヒート養生法が世界を救う」とクドクドとアタシが提言しているわけなんです。

少しは、ネバネバヒートの底力が貴男、貴女にも分かってきましたかね?

「ヤマイなくして天年を永く保つ」秘訣はここだけの話し、ネバネバヒート養生法に尽きるから、そこんとこヨロシク!

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2015.01.22 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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