癒しの原点 19

「園に草木を植えて愛するヒトは、朝夕こころにかけて、水をそそぎ土をかい、肥(こえ)をし、虫を去(さり)て、よく養い、その栄(さかえ)を悦(よろこ)び、衰(おとろえ)を憂(うれ)う。草木はいたりて軽(かろ)し。我が身はいたりて重(おも)し。あに我が身を愛する事、草木にもしかざるべきや。思わざる事はなはだし。それ養生の術を知りて行う事、天地父母に仕えて孝をなし、次には我が身、長生安楽のためなれば、不急なるツトメはまずさし置きて、若きときより、早くこの術を学ぶべし。身を慎み生を養うは、これ人間第一の重くすべき事の至りなり」

益軒『養生訓』総論・上の第三弾がこの文句だ。真にヒトに必須の養生法を探求し実践し、健康長寿を勝ち取る事は人間が第一にすべき最も大事なことと説く「身を慎み生を養うは、これ人間第一の重くすべき事の至りなり」との宣言は、まさに世界養生革命キャンペーン運動のキャッチコピーにもふさわしい優れて現代的な表現と言えよう。

人間第一の一大事を追及しているのが本ブログです。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。

さて、ウイルスの概略を少し復習と予習を兼ねて講義しておきます。

ウイルスが発見されたのは1892年とかなり最近のことであり、1883年に植物間を移動する謎の病原体が見つかり、この病原体を解明せんとする中で1892年に細菌濾過器を通した抽出液からも感染性因子が確認され、これにより細菌よりも微少な病原体があることがハッキリと確認された一大スクープとなる。

この最初のウイルスはタバコ属の植物から発見されたのでタバコモザイクウイルス(TMV)と命名されて、簡単な操作で大量にタバコ属の植物からこのウイルスが入手できることから、ウイルス研究の花形としてこれまでTMVが多用されてきた。

ウイルスの大きさは細菌濾過器を通過する程に小さいことからも分かるように、平均サイズはバクテリアの1000分の1は小さく、だいたい平均身長は25ナノメートルから350ナノメートルであるが、

2010年に発見された細菌に似ている(ミミック)という意味を持つミミウイルスの大きさはこれまでのウイルスサイズの常識を覆す600ナノメートルであり、さらに2011年にはミミウイルスをしのぐメガウイルス680ナノメートルの巨大なウイルスが発見されている。

このミミウイルスやメガウイルスで驚くのはその大きさだけでなく、ゲノムサイズもまた大きいことであり、通常はインフルエンザウイルスやエイズウイルスでもその遺伝子数はわずか10個前後であるのだが、この巨大ウイルスにいたっては何と1000個を越える遺伝子数を誇り、最少細菌であるマイコプラズマ(220ナノメートル以下)の遺伝子数500個をはるかに凌ぐゲノムサイズを持つ。

この巨大ウイルスの発見により、今後はウイルス観に修正が加わることは必至だろうと推定される。

ウイルスの構造は非常にシンプルであり、遺伝情報を保有するDNAやRNAなどの核酸分子をタンパク質の殻であるカプシドにくるんだ構造であり、外観は「らせん型」か「正多面体」で中でも正20面体が多数を占める。またカプシドの殻の上層にもうひと膜、タンパク質のシートであるエンベロープがかぶせられるタイプがあり、これはエンベロープウイルスと呼ばれる。

ウイルスが生物と無生物の中間と呼ばれる理由は宿主であるホストの体内にいない時にはまるで元素のように結晶化してしまう事から無生物的に捉えられるのだが、いったん生物の体内に感染するとそこでは分子生命体とも呼べる猛烈な動きを見せて、

レトロウイルスにいたっては宿主のDNAに入りこみ、自身をコピーして入植する手筈をすっかり整えて、増殖を開始していく。

ウイルス学研究者たちによれば、ウイルスは宿主に寄生した場合には明らかに生物的であるとの判断を下している。

体長25〜200ナノメートルのT4ファージと呼ばれる宇宙船か、はたまたタコ型ナノマシンかと思えるような非常に機械的なナリをしたウイルスが存在するのだが、バクテリオファージの名称からも分かるようにファージはバクテリアに寄生して、バクテリアのDNAを利用して増殖してバクテリアを殺す性質がある。

このバクテリアつまり細菌を殺す性質を利用して、病原菌に対する抗生剤的なファージの利用ができないか?という研究もすでに始まっている。

そしてこのバクテリオファージは実はヒトの腸管内にすでに常在性ウイルスとして常駐しているというのだ。

つまりヒトの腸内に常在しているウイルスが、例えば口から食物に乗ってヒトの腸内に侵入してきた外来性の病原細菌に寄生して、この病原菌を破壊して「溶菌現象」を引き起こすことで、外来性病原菌に対する抗生剤的で免疫的な活躍をこれまでしていたと仮定するのなら、

すでにヒトと腸内常在性ファージウイルスは共生的な関係を築いてきたと言えるかもしれないのだ。

ようはウイルスとヒトはかなり深く共生しているというのがウイルスに関する新たな知見なのだ。

これまで腸内細菌や皮膚常在菌との共生は常識的なものとなっていたが、新たにウイルスとの共生がヒトの生理に及ぼす影響に関する考察も今後は養生カテゴリーのトレンドとなると予測される。

まだまだウイルスの概略は書き足りません。

次稿にて、さらにウイルスのプロフィール紹介を続行します。

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2015.01.20 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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