癒しの原点 18

「万(よろづ)の事つとめて止まざれば、必ずシルシあり。例えば、春タネを播きて夏よく養えば、必ず秋ありて、なりわい多きがごとし。もし養生の術をつとめ学んで、久しく行わば、身強くして、天年を保ち、長生を得て、久しく楽しまん事、必然のシルシあるべし。この理、疑うべからず」

先の『養生訓』のスタートに続く、次なる一節がこれである。今回からほんの少しカタカタ表記などを取り入れて、原文とはまた異なるニュアンスを醸す工夫を試みております。ちなみに、これまでの原文引用においても、平仮名を漢字に直したり、古い仮名表記を現代風に直すことをすでに実行しておりました。

オリジナルの原文はいずこでも入手可能ゆえに、こちらでは少々スパイスを利かせて、クールでラディカルでアヴァンギャルドなテイストを今後も心がけていきます。

ということで、この第2文もまた実に素晴らしく、惚れ惚れします。あえて解説をするまでもなく、現代人の言語感覚にもまったく違和感なくスッと溶け込む魔法のような口溶けです。

私のブログ読者には、20年間も自然農と向き合って奇跡的に美味しい野菜を作る方がおりますが、貝原益軒が有名な『養生訓』の序論の二番手にもってきたネタと次なる3番手に登場させるネタが草木の栽培に例えて養生を語っていることを知れば、さぞ驚くと共に嬉しさがこみ上げるだろうと確信しております。

私自身は野菜作りは無類に下手くそなのですが、タネを播いて、芽が出て、大きくなり、やがて花が咲き、実を結び、またタネを付けて、やがて枯れていく。この植物の食と性の二相を追い求める循環の中に溶け込む生き方は、まさに植物の養生法の探求であろうと推測いたします。

こうした農や耕を通した植物との対話という植物養生法の探求から体得した叡智にも、またウイルスやバクテリアや動物やヒトや地球や銀河系や大宇宙といかにして折り合いを付けて、協調するかのヒントが満載されているであろうと想像されます。

益軒先生は冒頭言において野菜作りとヒトの身心の養生を一体の事象として、同一の文脈で語っております。野菜や身体に手をかける事は決して無駄ではない。ヒトの身体も野菜同様に上手に「お手入れ」することで、健康という花が咲き、長寿という実りを得る。

真の養生を実践する先にだけ健康長寿は達成できる。こうした『養生訓』に発見できる自然と植物とヒトを一体と見る健康的な養生哲学は、なんとも清々しく心洗われる思いが致します。

さてこの貴き大宇宙から頂いた身体髪膚、四肢百骸、五臓六腑をいかにして大事に扱い、末永く健康に保つか?ということにおいては、この60兆個の細胞と1京8000兆個のミトコンドリアと数百兆個の常在菌が織りなすヒトの命(いのち)とは一体いかなるモノか?をしっかりと精密に把握しなければ、到底、命の健やかな運用は出来かねます。

イノチとは何なのか?の大命題はお釈迦様でも草津の湯でも、なかなか解きほぐせない生命観のコリです。

いったい地球生命はいつ誕生して、どのようにして進化し、今この瞬間にいったいどんな風に生きているのか?

これまで生物界の単なるヒール役であり、厄介物でどちらかと言えば無くてケッコウと思われていた、あのラテン語で毒を意味するウイルスという種族が実は地球生命界の欠くべからざる仲間であり、いや仲間というよりもすべての生命種の命を見守り育む慈母とも呼べるモノがウイルスであり、

どうも地球生命種はウイルスが無くては一時も生きることが叶わぬ程にウイルスに依存し、同化し、融合し、ウイルスと共生していることが少しづつ分子生物学の発展と共に解明されてきました。

進化論においては現在の主流はネオ・ダーウィニズムであり、別名を「進化の綜合説」とも呼びますが、あのチャールズ・ダーウィンが20年間に渡り緻密に検証を重ねて発表した『種の起源』という著書から進化論の論争が始まったのは常識でありますが、ダーウィンが存命中にはまだ遺伝子やDNAやゲノムという概念がなかったがゆえに、

後にこれら遺伝学の知識がミックスされてダーウィン進化論はバージョンアップしました。これがネオ・ダーウィニズム「進化の綜合説」と呼ばれる学説であり、突然変異と自然選択により生命は進化すると、ザックリと説くのがこの学閥であります。

近年になり分子生物学の発展に伴いこれまで進化の原動力とされた突然変異や自然選択以外にも多くの進化の原動力が発見されてきております。

環境の変動により遺伝子がオン、オフすることはエピジェネティクスやエピゲノムと言いますが、これなどはダーウィンの生きた時代には考えもされなかった現象ですし、かの日本が誇る偉大なる碩学である故・今西錦司博士が提唱した「棲み分け」理論ももちろんエピゲノムや「共生進化」とも大いにリンクする有望な進化論です。

また植物ではありふれた現象でもある異種交配が動物間でも普通に起こっていることも遺伝子のバラエティーを増す重要な進化の原動力とされ、これらの様々な進化論を今後はミックスして、新たな進化論の大きな物語りが描かれていく未来が予測されます。

獲得形質の遺伝説はあの有名なジャン・バティスト・ラマルクが説ですが、ラマルク説はエピゲノムとウイルス水平遺伝説と共に、今後は汚名を返上し、復活のノロシを上げるだろうと私は期待しております。

進化の原動力は現状では、突然変異、自然選択、ゲノム重複、異種交配、エピゲノム、ラマルキズム、棲み分け、ウイルス共生などが候補として挙がります。

今現在、娘の小学校でもインフルエンザウイルスが猛威を振るいはじめておりますが、例えばバクテリアを食べるという意味のバクテリオファージと呼ばれるタコ型のマシンのようなナリをしたウイルスなどは

ヒトの腸内に普通に常在性のウイルスとして常駐していますし、鼻腔内にはインフルエンザとは違う普通の風邪を発症させるライノウイルスやコロナウイルスやアデノウイルスも常在しております。

こうした先住性の常在ウイルスたちは恐らくは季節性インフルエンザウイルスに対する交差免疫として、抗生剤のような一定の免疫力を発揮していると私は見ています。

そうなのです。私たちはとっくにウイルスと共存共栄し、共生していたのです。

ウイルスの全貌を解明せんとする革命的な挑戦がここ本ブログにおいて始まっています。

ウイルスの真相を解き明かすことで、養生法はまた大きな進展を遂げると確信します。

ウイルスを味方につけ、ウイルスと共存するには、まずもってネバネバヒートな養生法に励むが得策です。

ウイルスのDNAやRNAを査読する装置は、実は免疫細胞のマクロファージの体内にあるエンドソームの内膜にあるトールライクレセプターなのです。

ウイルスを知ることで、免疫の真実もより深く理解できてくるはずです。

ウイルスの解明と共に、本ブログもまた「ウイルス共生進化」を遂げます。

いつの日も「変わらなくあるために、変わりつづける」、

それこそが養生法の探求です。

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2015.01.19 | | コメント(4) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

コメント

以前

教えていただいて買ってあった「養生訓」を本棚から出してきて
確認しました。ニヤリ(笑)
今、「月と農業」という本を読んでいるのですが、中南米の
農民たちは野菜の栽培を月齢を基準にして行っているそうです。
日本では旧暦と言う形では残っていますが、実際はカレンダーと
時計に支配された生活ですし、暗さとか静けさにも無縁ですもの。
今年から月との関係を頭に入れて播種や収穫日を決める事にしました。
また違う一味が加わるかもしれませんね。明日は旧12月1日です。
新月から満月までは、人も気分が高揚する時期のようですよ。
May the virus be with you.(笑)

2015/01/19 (月) 17:49:02 | URL | 桑畑五十郎 #- [ 編集 ]

ハクション大魔王

な桑さんがとっても好きです(笑)

A.L.リーバー著の「月の魔力」という本を読んで、一時、月暦カレンダーを買っていました。

なんでも満月時にはヒトの精神状態もいささかおかしくなるそうで、テンションが上がりすぎて犯罪が増加したり、医療現場では出血事故などが多くなるというデータがあるそうです。

ベテランの産科に長く在籍した看護師の話では、月の満ち欠けのサイクルと安産と難産の率が連動しているみたいなニュアンスのエピソードを聞いた記憶もあります。

古代社会が女系社会や母系社会であったのも女性が月のサイクルと連動する生理を有しているがゆえに、女性を敬ったということはあるかもしれません。

かのエレクトロ・ダイナミック・フィールドの先駆的な研究をされた動電場理論の創始者であるハロルド・サクストン・バー博士によれば、

地球上に生きとし生けるすべての生き物は宇宙の電磁的な変動に同期して、その生理が変動していると40年に及ぶ地道な検証から結論を導きました。

そうフォースと共に、私たちは存在しております。

ウイルス・フォースの解読をすることになるとは夢にも思いませんでしたが、偶然にして必然の神なるウイルスからお呼びがかかりましたので、

今後はウイルスの解読に勤しみます。

しかし、ウイルスのことはまったくまだわかっていないんだよね。だからこそ、フロンティアを開拓する意味があるんだけど。

在野のいち鍼灸師がウイルス進化とか、ウイルス共生の真相に挑むって、どんなハプニングかよって、ちょっと思ったりする今日この頃(笑)

2015/01/20 (火) 05:15:27 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

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2015/01/23 (金) 21:47:20 | | # [ 編集 ]

conte text さんへ

お久しぶりです。

そうですか、村上龍がウイルスについて何か物申しておりましたか?

作家という者は類い希なる感性を持ち、時代を常に読んで、一歩先を行っているはずですから、

そうした作家特有の感性がウイルスに反応したとしても、むしろ当然かなと推察いたします。

ウイルスに注目が集まるのは、これからですね。

私のブログ内容はそんなに難しくないので、気軽に楽しんで下さい。

2015/01/24 (土) 20:16:01 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

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