癒しの原点 17

「命みじかければ、天下四海の富を得ても益なし。財(たから)の山を前に積んでも用なし。然(しか)れば道に従い身を保ちて、長命(ちょうめい)なるほど大なる福(さいわい)なし。故に寿(いのちなが)きは、尚書(しょうしょ)に、五福の第一とす。これ万福の根本なり」

『養生訓』全8巻の巻頭を飾った総論における第一文のシメの言葉をここに引用した。書き下し文をわざわざ記して解説を加えることもない程に明解に益軒の思想の精髄がほとばしっている事は一読して誰にでもわかるだろう。

例えプライベートジェット機を手に入れて、バミューダ海域のプライベートアイランドや、ハワイの高級ホテルや、イタリアはトスカーナに別荘を所有し、世界中を遊興する程のゼニを懐(ふところ)に転がり込ませる事に成功したとしても、

便秘や偏頭痛に悩まされて、積み上げたゼニがいつか誰かにネコババされるのではないかとソワソワして一時も心が落ち着かない。そうであるのなら一体、その富みやゼニに何の意味があるというのだろうか?

人の幸せの根本とは健康である。健康で長寿であることこそがゼニを積み上げることよりもはるかに大事な事。幸せの根本は健康長寿。

しかし健康長寿を達成するためには真の養生法を知らねばならない。

つまり真の養生法を知り、それを実践し、健康長寿を達成することが最も幸せなことであり、人生最大の目的である。

貝原益軒の愛妻は教養に満ちた才女であったが、身体が弱かったという。身体の弱い自分の妻のような者をひとりでも減らし、皆が健やかに安住できる健康な社会を築くにはどうしたらいいのか?

益軒は妻をいたわり看ながらいつもそんな事ばかり、考えていたのだろう。

身近に弱い者がいると他者を思いやる視点が身につくものだし、自分が痛い思いや苦しい思いをして初めて本当の意味で他者の痛みに共感する心が芽生え、他者の苦しみを共有できるようになる。

『養生訓』とは愛妻とこの世界の痛みと苦しみを引き取り、いかにして宇宙生命史を正常化できるか、の思想と実践法を説いた希代なる世界遺産な養生書であったのです。

自身もまた幼少時より病弱であった益軒はコツコツと養生法を探求し、虫歯1本も無い身で、愛妻が亡くなった『養生訓』が出版された翌年に妻を追うようにしてこの世を去る。

まさに凄絶なる「愛の『養生法探求』訓」こそが『養生訓』にふさわしい評価であるとここに断言します。

この世にあまた存在する現代の「養生訓モドキ」に愛を感じますか?それらの言説は私に言わせれば、すべてゼニ儲けに収斂させる卑劣なステルスマーケティングに過ぎません。

よくよく世に溢れる養生指南を注意深く考察してください。これこれしかじかの病因が諸悪の根源だから、この諸悪の根源さえ取り除けばすべてカタが付く。

そしてカタを付けるために最も効果的な方法はこの医療器具で不足したホニャララを足してやるか、このサプリメントを飲食して不足していたホニャララを注入してやれば万事めでたし、目出度しで、万々歳!

ほとんどすべての健康法はこうした巧みで狡猾な利益誘導の線形的ロジックを駆使して、悩める病者から虎の子の金銭をかすめ取るのです。

フリンジ・サイエンス(疑似科学)な科学的な用語を多用して病因解読をしてみせて悩める者の思考を一端ショックドクトリンに停止させて、

そうしてまず思考のキャンバスを白紙にしておいてから、意味不明なエセ医学論でベタベタと脳内を塗りたくり洗脳するからこそ、

有害無益で百害なくとも一利もないインチキな医療器具やサプリメントに耽溺幻惑させることが出来るのです。

それって、ほとんど詐欺そのものだし、効果があったらそれこそ「効くと思うから効く」のプラシーボ(偽薬効果)100%だし、「鰯の頭も信心から」だからいっそのことイワシの頭でひと商売打つか?

高額な医療器具から得る効能や、高価なサプリメントから摂取する成分がなければ健康長寿が達成できないのなら、1%のゼニ持ち以外の99%の貧民は金輪際、一生永久に永遠に救われません。

ゼニ持ちは健康長寿、貧民は病弱短命。

こんな馬鹿な話しがあるでしょうか?断じてそんなバカな話しは銀河系外の宇宙の果てに蹴飛ばしてケッコー、ケッコー、コケコッコー!

残念でした、またどうぞっと! 

おれら貧民にはすでに誰も彼をも健康に幸せにする養生法がとっくのとうに手に入っているんだぜー! 

ヒューッ!

そっ、余分なゼニなんかほとんどまったくかからない「ネバネバヒート養生法」ね。

これさえあれば鬼に金棒、サラ・コナーにジョン・コナー、宇宙海賊コブラに北斗のケンシロウ、ってなもんよ。

ということで、ここまで俺流に『養生訓』の巻第一・総論上の書き出し文を解読してみました。実際に引用した文章はほんの一部であり、この総論のトップを飾る一章はもっと長く、

読み応えがありますが、すべてを引用してすべてを解説する事は本意ではありませんので、もしも全文を参照したくば講談社学術文庫から出版されている

伊藤友信氏の訳による『養生訓』の全現代語訳などを読んでいただきますれば、いっそうよく『養生訓』の醍醐味を堪能できますので、どうぞ好事家の皆様におかれましては、以上の旨で宜しくお願い申し上げます。

さて、ゲノムの谷間から全生命種を見守り続けている我らが内なる神ウイルスについては、次稿以降にヒートショックの予定です。

乞うご期待!

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2015.01.19 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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