癒しの原点 16

「日々に一日を慎(つつし)み、私欲(しよく)の危(あや)うきを恐(おそ)るること、深き淵に臨むが如く、薄き氷を踏むが如くならば、命長くして、ついに殃(わざわい)なかるべし」

貝原益軒が江戸期の正徳3年1713年の正月に書き上げた『養生訓』に関しては、300年後の現代に生きる日本人でもその書名や著者名くらいは小耳に挟んだことがあるという程度の人口膾炙率かと思われるが、

では実際のこの本の内容や著者のプロフィールについては、申し訳ないが恐らくはほとんど存じ上げないというのが正直なところだろうと推定する。だからこそ私は今回、この崇高かつ実践的な身体倫理学のバイブルである『養生訓』を現代風に読み直してみる価値を感じて、もう一度、現代に問うてみる挑戦をしているわけです。

現代にもおびただしい健康指南の本があり、あらゆるエクササイズが百花繚乱を呈し、ネットには我こそが覚醒者だと言わんばかりの上から目線なフリンジ・サイエンス(疑似科学)がてんこ盛りのお気楽でズボラな「これさえ浴びれば」式の医療器具を推奨するステルスマーケティングなブログが目白押しであるのだが、

この現代社会における健康指導に関する情報のとめどない混乱の原因には、一般大衆の無知につけ込んでゼニ儲けを企む医療器具屋や医薬産業が背後に潜んでおり、彼らが常に妨害するので一般人にまで本当に必須の養生情報が届かないとする分析が間々見受けられます。

しかし、私が見るところこういった陰謀論など子供騙しの陰謀ごっこ論争であり、この陰謀社会にあってもこちらがしっかりしてさえいれば、真に身体生理にとって重要な情報など幾らでも入手が可能であるのは紛れもない事実です。

現に私など普通に本屋で手に入る本から得た知識でこれまで論説を展開してきておりますし、秘密の機関や組織から得た情報などまったく皆無であり、封印されたり弾圧された情報からなにがしかのヒントを得たこともありません。

よくこういった弾圧を受けたり、しかるべき政府組織にツブされた医療情報などをこれみよがしに振りかざし、政府や厚労省に禁止された医療こそが真の医療だとの論理を展開するネット番長も本当によく散見するのですが、

そもそも、それらが本当に健康被害をもたらした医療詐欺であった事には、これらの覚醒者は一切耳を貸さないのです。別に医薬産業を脅かすからツブされたのではなく、まったくもって有害無益なトンデモだったからツブされたのに、それをそうではないと言い張る御仁もまた多数見受けられます。

この世がすべて陰謀で仕切られており、それゆえに人々が無知であり、その無知につけ込んで健康医療産業が好き勝手放題をしているが、俺はその中にあって真に重大な情報を入手した覚醒者だぞ!どうだ、俺は凄いだろ!

こういう手合いは政治経済がらみで陰謀論を振りかざす団体の代表などに非常によく見受けられる性癖ですが、健康指南の場においてもまったく同じロジックを使って、意味不明な医療器具などの販売促進に勤しむ御仁が多数見られますので、今後とも充分に皆様もお気を付け下さい。

こういった者たちが振りかざす論理は非常にシンプルでキレイで明解で惚れ惚れしてしまうのですが、よくよく細部を吟味していくと必ずアラが見えてきます。そしてだいたいこれらの者たちは同じ事しか言いませんし、言えません。ようは念仏を唱えるのと一緒で、これらも一種のお経、洗脳なのです。

一般社会が洗脳社会であると説きながら、そのくせまた自分の団体においては信者を洗脳して新たな拘束を課すのです。騙される側も無論悪いのですが。

健康医療カテゴリーにおいては、この世の中の情報はすべて間違っておりペテンでインチキな情報ばかりで、医者すらも洗脳されているから信用ならない。つまり医者すら信用ならないのだから、医療機関に頼っていては命を無駄死にさせるだけだ。もうこの世に出回っている医療などすべて信用できないから、自分で考えて自立しろ。

でもその時には「俺みたいな覚醒者に頼ればトンデモない有益な情報が手に入るぞ」と囁(ささや)く。それでいて、例えば東洋医学などにはまったく無知であったりする。

いいですか、みなさん。絶対にこういった口ぶりのインチキな詐欺師風情に騙されてはいけませんからね。例えば糖質制限に私がなぜこだわるかと言えば、これは余りに危険で命に関わるからなのです。

別にそんなにたいした事じゃあないじゃないか、と医学的な知識がない者は思うかもしれませんが、三大栄養素である炭水化物も脂質もタンパク質も最終的にはグルコースに変換されて、細胞膜のグルコース・トランスポーターという輸送口から細胞内へと取りこまれ、細胞質で解糖系が駆動してミトコンドリアを介してアデノシン三リン酸に変換されるのです。

ですから糖質という成分が人体から消失すれば、一気に身体中からATPがなくなって昏睡状態に陥る危険性があるのです。本来ならこうした栄養指導は医師か栄養士だけがやっていいこととされ、医師や栄養士の資格が無い者がもしも、こうしたいい加減な栄養指南をした場合には、法治的な措置すら検討される事案です。

炭水化物によって人間が死滅するとか、糖質制限で健康になる、などと提言しているのも医師であり、医師ゆえにこうした暴言が許されているわけですが、この口車に乗せられて一般人までが糖質制限を吹聴する時世になっては、これは危険極まる事態と言わねばなりません。

ということで、今後とも糖質制限はスルーしまくって、是非に本ブログの読者さまだけは「糖質選択」に勤しんで頂き、腹腔マクロファージのトールライクレセプターのTLR4にヒットし、インターフェロン・インデューサーとなるネバネバ多糖体の純良な糖質を大いに摂取して頂き、免疫細胞のNK細胞とキラーT細胞の賦活に励み、ウイルスやガン細胞の抑制に邁進して頂きますれば幸いに存じます。

さて冒頭言に戻りますが、マスター・エッケンの『養生訓』のコア思想は二つの言葉に収斂され、それは「畏れと慎み」であることは『養生訓』フリークには常識です。

益軒先生は全8巻の膨大な養生指南において、実に事細かく実践的な養生アドバイスを展開しているので、それはそれですべて詳細に検討することには価値があるのですが、しかし、もしもこの膨大なコンテンツをギュッと圧縮して要約するのならそれは「おそれ、と、つつしみ」の二つのキーワードに絞られるとされます。

では何を畏れ、何を慎みとするのでしょうか?

これは「元気を損なうものを畏れ、私欲を慎む」ということになりましょうか。ここ300年間の世界養生史において、これほどシンプルに明解に養生の本質を喝破した医療人は貝原益軒をおいて他には見つからないでしょう。

命を大事にし、命を惜しんで決して無理をしない。

これこそが『養生訓』の極意だったのです。

では、命とは何なのか?

これもまた重大な問題です。いったい命はいつこの宇宙に誕生し、どのような変遷を経て、今にいたり、今この瞬間にいったいどんなメカニズムで命は運用され、いったい今後はどんな未来が命に待ち受けているのか?

そしていったいどうしてこの貴い命を健やかに養えばいいのか?禅問答の堂々巡りのようですが、命の何たるか?が分からなければ、「畏れと慎み」の具体的な実践も出来かねます。

季節性インフルエンザウイルスが只今猛威を振るいはじめています。インフルエンザウイルスは乾燥と寒冷を快適環境として増殖します。室温の低下と湿度の管理には充分に留意下さい。そして彼らインフルエンザウイルスを「畏れ」るのなら、「交差免疫」の一手段として多糖体を多く含む発酵菌を生きたまま躍り食いする発酵食品の積極的な摂取に励んで下さい。

「交差免疫」とはあらかじめ別なウイルスやバクテリアが先住していると、新参の外来性ウイルスや外来性バクテリアの入植が妨害される機序を言いますが、より「交差免疫」の概念を拡張して、腹腔マクロファージを活性化するインターフェロン・インデューサーな多糖体の積極的な摂取法をも「交差免疫」的な免疫賦活として、

インターフェロンは文字通りウイルス抑制因子であるので、腹腔マクロファージを活性化して腹腔マクロファージにインターフェロンを分泌させることは、最も優れた季節性インフルエンザウイルス対策となる「養生訓」的な「畏れ」予防法となりましょう。

例え季節性インフルエンザウイルスが蔓延しても、ウイルスがすべて悪党であるなどと早計してはなりません。ヒト・ゲノムの半分の領域はすでにウイルスかウイルスの痕跡に占拠されており、すでに立派にヒト・生理にとっては必須なゲノム・ツールと化しているのですから。

ヒト・ゲノムに棲むヒト内在性レトロウイルス・HERVにより産生されるタンパク質のシンシチン1、シンシチン2はヒトの胎盤を作る成分であると同時に、何とヒトの脳内で胎盤合成よりもより多く発現が確認されているのだ。

初期ホモサピエンスの脳容量がサル時代の400ccから1600ccまで増大したその理由とは、もしかしたらホモ属27種時代のどこかで大規模なウイルス感染があったからなのかもしれない、と大胆にここに宣言いたします。

人類をチンパンジーから分岐させ、ヒトをヒトらしく仕立て上げた影の立役者こそがウイルスだった?

ラテン語でウイルスは「毒」の意味とされますが、どうしてどうしてこの毒は薬となり、いや命の滋養となり、すでにゲノムに融合同化しているのです。

命を理解するためには、ウイルスも理解しなくてはなりません。

探求は果てしない旅です。

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2015.01.18 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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