癒しの原点 7

「およそ疑うべきを疑い、信ずべきを信ずるは、迷を解く道なり」

儒者でがあっても医師ではなかった貝原益軒翁は、幼少は非常に身体が弱かったのだが、流浪の身となって黒田藩から放擲されるような試練を経て、やがてまた黒田家に仕えて71歳まで藩の役人として働き、その後は旺盛な執筆活動をしながら健康に留意して元気に生きて、

虫歯1本も無い身を維持し、養生の訓(おし)えを万民に分かりやすい文語体で記した自身の実践した養生法の集大成と言える「養生訓」8巻を83歳に出版する偉業を達成し、その翌年84歳でマスター・エッケンは大往生を遂げている。

これから少しずつ「養生訓」の言葉を拾いながら、マスター・エッケンの「身体生理倫理学」とも「養生哲学」ともとれる崇高な生命観に触れていきますが、冒頭の言から垣間見えるエッケン・スピリットとは実にラディカルでアヴァンギャルドだったと言えるのです。

様々な経験を積み、多くの書物を読み込んで、実際に益のあるコンテンツだけを抽出し、憶測であっても充分に価値があると見込んだ独創の仮説も迷うことなく提示されているのが日本が誇る世界遺産な養生論治ガイダンスである「養生訓」なのです。

さて悟中に達して語られた「養生訓」とは異なり、迷中にあって書かれた健康ガイドブックしかない現代において、いかにして迷を破り、悟に到達できるかと言えば、やはりマスター・エッケンが申すとおりに、「うたがうべきをうたが」い続けることで、信ずるモノにアクセスするしかありません。

昨年末頃から私の脳裏に舞い降りた「うたがうべき」案件とは、それまで信じていたガン細胞の原因とされる「ワールブルグ効果」というドグマ(原理)でありました。

ガン細胞はミトコンドリアの機能不全をスタートとして発生するミトコンドリアのバックアップ細胞である、というそれまで私が常識的に考えていたこの当たり前の原理に、私はどうも納得がいかなくなりました。

確かにガン細胞はその細胞質におけるグルコースを分解してピルビン酸に変換する過程でATP2分子を獲得する発酵菌と同じエネルギー産生システムである解糖系を亢進して、ATPを盛んに造り出すことはあるのでしょうが、

ミトコンドリア研究の第一人者の文献などを読んでみると、実はワールブルグ効果によるガン化原因説はオットー・ワールブルグ博士が発表したすぐ後に否定されているとされ、

その理由はすべてのガン組織でワールブルグ効果が認められないこと、つまりミトコンドリアの呼吸酵素活性がガン細胞のすべてで停止しているわけではないことが分かったというのです。

またガン細胞であっても充分に酸素が供給されれば、ミトコンドリアの呼吸酵素活性が正常な状態に回復することも判明したのです。

つまり「ガン細胞=ミトコンドリア病」というセオリー(定理)はアッサリとこの研究者をして覆されてしまっていたのです。

やはり第一線の基礎研究者たちは実験による立証というエビデンスを武器に論説展開をするので、実に説得力があります。ここでわたしのガン・パラダイムがまたひとつ変容してステップアップする機会を得ました。

ようは正常細胞がガン化するパターンはミトコンドリアの機能不全だけでなく、他の様々なオプション機構も駆使しながら進行していくものだ、という新しいセオリーです。

「ガン化=複合的なバックアップ機構」とも呼べる新しい概念がガン・パラダイムに浮上したのです。

疑念を直視したからこそ、信念が堅固となるのです。

チマタのガン論争をよくよく俯瞰してください。果たしてそれは「一点論治ガイダンス派」か「何でもトッピング派」か、これらのチャンポン派か?よくよくご確認ください。

こうした迷いの中での論説は必ずや迷いの中に埋没していきます。命の何たるか?の試練を経ない論説など実に危険極まります。

糖質を制限するなどもってのほかです。

ミトコンドリアは細胞内に数百個存在しますが、それらはひとつらなりの機能を有して、変異や傷害を克服し希釈して、常に正常化しています。

簡単にはミトコンドリアは機能不全にはなりません。

ミトコンドリアにガン原因があるとされた疑念はようやく晴れつつあります。

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2015.01.09 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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2015/01/10 (土) 06:04:45 | | # [ 編集 ]

fuku様、こちらこそ、はじめまして。

ようこそお越しくださりまして、ありがとうございます。

ご質問のミトコンドリア研究の第一人者の名前は

「林純一」氏であり、

参考書は

講談社ブルーバックス「ミトコンドリア・ミステリー 驚くべき細胞小器官の働き」

です。

その他にはこの林氏の学友であろう、米川博通氏の「生と死を握るミトコンドリアの謎」技術評論社、もなかなかに面白いです。

どうぞ今後とも宜しくお願い申し上げます。

2015/01/10 (土) 06:17:01 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

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