癒しの原点 6

「天地の生み育てたまえる人を救い助け、万民の生死をつかさどる術なれば、医を民の司命といい、極めて大事の職分なり」

とは「医は仁術なり」の言葉に次いでマスターエッケンが「養生訓」中で語る医術の本領である。

ヒトの命のありようは「ひとりする」62桁の無限大宇宙にありのままに「変わらなくあるために、変わりつづける」存在であり、医療者が患者の命のありように関与できる領域など、ほんの少しの刺激に過ぎず、

そのほんの少しの刺激によって例え、患者の状態が好転しようとも、その生命力の復活は他でもない患者の自然治癒力によるのであって、決して術者のチカラが優れているなどと、うぬぼれてはならないことは医療者として常に肝に銘じている。

そして命というものはそれ自体が自立して自律している特別なものであり、いまだに糖質がいったいどのように細胞生理に関与しているのかのホントのホントはまだ誰にもわかっていないことであり、

だから分かったようなクチをきいて、偉そうに上から目線で講釈を垂れる健康指南番の言いなりになど絶対になってはいけないことも、この際なので肝に銘じて欲しい。

医者であろうと、素人であろうと、どれほどのデータ蓄積があっても、命の奔放さに翻弄され続けている者にしか、命の何たるか?は悟り得ない。

では命の奔放さに翻弄されるとはどういう事かと申せば、それは命そのものであるエッジな生身に触れるということなのだ。

鍼医はパソコン画面にアップされた患者の血液検査の結果や病理所見を見ることはほとんど無いが、生身のエッジな血気の宿る肌には常に触れている。

SF映画の金字塔「2001年 宇宙の旅」で原始人類に道具をもたらす閃(ひらめ)きを与えた「モノリス」とは、

あの脳科学者デーヴィッド・ボームが構想したこの宇宙の仕組み「暗在系(あんざいけい)と明在系(めいざいけい)」の暗在系の象徴であると私は思っているのだが、

まさに鍼医にとっては患者の「肌」こそが「モノリス」なのだ、と常々、鍼医である私は感じている。

見える情報群である「エクスプリシット・オーダー(明在系)」ではない、明在系を成り立たせる見えざる情報群である「インプリシット・オーダー(暗在系)」としての「ヒト肌」に触れているからこそ、様々な気づきが私の脳裏に舞い降りるのだ。

もしかしたら私は「明在系」と「暗在系」をつなぐメディア(媒介者)なのかもしれない。

古代社会においては医を任ずる者はシャーマン(巫女・みこ)とされた。わたしは医の実践を通して少しづつシャーマン化して、古代の符医(ふい)に接近しているのだろうか。

さて、前稿で記述された「ガン、免疫疾患、不定愁訴、変性疾患、ミトコンドリア病、小胞体ストレス病、リソソーム蓄積病、オートファジー病、遺伝病」とは、

これは例えば主語が分かるように「は」を挿入して「ガンは免疫疾患、不定愁訴、変性疾患、ミトコンドリア病、小胞体ストレス病、リソソーム蓄積病、オートファジー病、遺伝病」としても、

主語を入れ替えて「免疫疾患はガン、不定愁訴、変性疾患、ミトコンドリア病、小胞体ストレス病、リソソーム蓄積病、オートファジー病、遺伝病」としても、

さらに主語をどんな風に入れ替えても文意が成り立つ不思議なロジックであるのだが、つまりはこうした病的な状態の呼び名など単なるマヤカシであり、

命とは連続した一連の流れであることが、この言葉遊びからもよく俯瞰できてくるのだ。

わたしたちは病名にとらわれて、病名にこだわるあまり、命の本質を見る視座を失ってしまっているのだ。

ガンの原因はミトコンドリア病である、とか、免疫低下がガンの原因である、とか、遺伝子の変性がガンの原因である、とか、ガンの原因説も諸説多々あるのだが、

これらも実はすべて命そのものである「ガン、免疫疾患、不定愁訴、変性疾患、ミトコンドリア病、小胞体ストレス病、リソソーム蓄積病、オートファジー病、遺伝病」

から、都合良く適当にトッピングして、得意げに説明して見せているだけのことであり、多賀法印流の「邪正一如」の医学観の「命は病、病は命」の視点から俯瞰すれば、

「命」と「病」を切り離して考えることがそもそもいかに愚かな事かなど、簡単に理解できてくるであろう。

「極めて大事の職分」に就き、「民の司命」をもっぱらとする鍼医は、命の何たるか?を民に知らしめる義務があるのだ。

義務に準ずる者に授けられた「ヒト肌」という「モノリス」から今日も命の叡智のなにがしかが授けられることだろう。

スポンサーサイト

2015.01.08 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

kouhakudou

Author:kouhakudou
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR