羅鍼盤 3

ガン細胞が「敵ではなく味方であり仲間である」と気づいたキッカケは本来ならガン細胞を攻撃して貪食してしまうはずのマクロファージという免疫細胞の中に腫瘍関連マクロファージと呼ばれるガン細胞を警護するマクロファージが存在することを知ったことであり、

また同じく本来なら免疫細胞の司令塔的な立場にあるリンパ球のT細胞の中に制御性T細胞と呼ばれるこれまたガン細胞の防護役の免疫細胞が存在することを知ったことであり、

また生体防御タンパク質と呼ばれる生命機能に不可欠なタンパク分子の中の炎症抑制や他のクライアント・タンパク分子の介添え役のヒートショックプロテインHSP90が、強力にガン細胞を保護しているという瞠目すべき事実を知ったことであり、

さらにオートファジーという細胞質の浄化機構がガン細胞内において活性化していて、ガン細胞の細胞質に溜まる解糖系の亢進の副産物の乳酸や変性タンパク質が

盛んに分解されて糖新生が積極的に進行することでガン細胞の細胞質における物質リサイクルが滞りなく循環している事実を知ったことも実にショッキングな証左となった。

つまり本来ならガン細胞を標的として攻撃するはずの免疫細胞のマクロファージもT細胞もガン細胞の味方になり、本来ならガン細胞を見つける際の抗原として活躍するヒートショックプロテインもガン細胞の味方になり、

本来なら正常細胞の細胞質をキレイにしている細胞質浄化システムであるオートファジーもちゃんとガン細胞においても仕事をして、ガン細胞の細胞質をクリーニングしているというまぎれもない事実から判明したことは、

ガン細胞とは通常の生理現象における本当の意味での正常細胞と何ら変わりない存在だったという、とてつもない大発見であった。

チマタにはガン細胞を敵視する論説しかないと言っても過言ではない。そんな状況の中でまるで狂人のような「ガン細胞は敵ではなく味方であり仲間である」の発言に同意と称賛と共に、反発や憎悪が生じたとしても何も不思議ではなかったのだ。

ただわたしもここまでは良かったが、癌の原因解読に関しては「ワールブルグ効果」という単一の原理に取り憑かれて、他のファクターやパラメーターを縦横に俯瞰する視点を失ってしまっていたことは否めず、本年の最後の締めにおいて大いに反省するところである。

ワールブルグ効果とはすでに本ブログフリークには常識となっている概念であるが、かいつまんでおさらいすると

「ガン細胞内のミトコンドリアは数が減り機能も失調してカタチがいびつになったり膨らんだりして異形化してしまってATP産生が不能になっており、そのかわりにガン細胞の細胞質の解糖系という糖質を10の無酸素の酵素反応で乳酸に分解してピルビン酸からアセチルCoAに変換するATP産生が亢進している」

というガン細胞内における特異的な生理現象のことである。

このワールブルグ効果の意味の解読から私はかれこれ5年は前に

「ガン細胞はミトコンドリアの機能不全によって生じたミトコンドリアのバックアップ細胞であり、ガン細胞は無酸素と低体温という環境に応じて必然で生じた細胞である」

という論旨をネット上に公開しておりました。その少し後にある非常に有名な免疫学者のA氏が出版した書籍の帯に

「人類はついに癌を克服した。100年に一度の大発見!」とか「病気の原因は無酸素と低温のたった二つである」

の文字が躍っているのを見て、「あれっ?俺がネットでコメしてたのと同じ文句じゃん!」と少しビックリしてそのままスルーしてしまったのだが、

今となってはもしかしたら、本当に私のネット上に公開した文言をそっくり剽窃(ひょうせつ)したのではと思う今日この頃である。

いや別に私が自信過剰だとか、上から目線の傲慢な人間性の持ち主だとか、そういう人格分析は好きにしてくれて結構なのですが、

そうではなくて、ネットは基本的にある情報を公開すればそれは無料で拡散していく情報伝達ツールであることが利点であり、

重要データの拡散には世界を変革する可能性すらあるとする意見を私も尊重するひとりだからこそ、こうしてバンバンと次から次ぎに矢継ぎ早に新規な情報を公開し続けているのだが、

ただそうした著作権フリー的な状況を良しとして、平気でヒトサマのブログ内容を抜き取って自分のブログ記事中にまぎれこませる者が昨今は散見され、

まるでそれを自分が発見したようにして平気で論説を展開する者がおるので、もしかしたら有名な免疫学者さんもまさかネット上で私の発した言葉からヒントを得てあんなタイトルの本を書いたのでは、と今更ながら思う次第です。

ですから、最近では私も気をつけて

「盗用、引用、転載、厳重注意、もしも転載引用したくば許可を申し出ること」

なる文言を随時記載することに致しました。私自身がじっくりと丹念に温めてから渾身の「気」で公開に踏み切ったエレクトロ・ダイナミック・フィールド仮説(動電場理論)の創設者である

ハロルド・サクストン・バー博士の言葉なんかを我がブログからそっくり盗まれた日には、アンタ、ええ加減にせんかいって気分になりますもん。

さて、ワールブルグ効果のセオリーがなぜ魅力的だったかと言えば、これは解糖系とミトコンドリア系の二つの系のやり取りだけで、かなりキレイに線形的なロジックが形成できて、余りに美しい論理に我ながら惚れ惚れしてしまう程にスムースな論理展開が出来たからなのですが、

いったんこの解糖系とミトコンドリア系の二項対立のマジックが解けて、線形ロジックの魔法が消えると、その衝撃はなかなかボディブローのように重たい責任となってのしかかってくるものです。

そもそも解糖系を亢進すると言っても、それだけでは細胞質に解糖系の副産物が充満してきて、それに伴いオートファジーでも対処しきれない程に乳酸や変性タンパク質や脂肪がガン細胞の細胞質に蓄積してしまい、

最後にはオートファジーがすり切れて不能となってオートファジー不全が引き起こされてくるし、またオートファジーが目一杯機能する過程ではオートファジーの最終過程であるリソソームでの

分解処理も限界に達して、リソソームでの分解が不能となってリソソーム内に乳酸や変性タンパク質や核酸やミトコンドリアなどのオートファジーで捕捉された物質が充満するリソソーム蓄積病まで引き起こされる危険性が生じます。

しかしこういったガン細胞の細胞質における分解システムが、またガン細胞内においてはオートファジー亢進というバックアップにより、何とかガン細胞内の細胞質に解糖系の副産物が充満しないようにシステム化されてもいるのですから、

まったくガン細胞はたいしたタマであり、やはり究極の不死身の最強細胞こそがガン細胞であると再認識してしまいます。

ガン細胞は様々なファクターが積み重なった細胞の内外環境ストレスの悪化増大に伴い、まず全細胞のすべての機能を駆使してガン細胞にメタモルフォーゼ(変態)するのですが、サナギがチョウになるが如くに脱皮した後は、

免疫細胞もヒートショックプロテインもオートファジーも味方につけて陣地を確保すると腫瘍間質というバリケードを築きながら増殖していきます。

このガン細胞の発生から増殖するまでの植民地の確保、さらに浸潤という領土拡大から、転移というさらなる開拓地への入植にいたるこの一連の流れはまるで、

南極の湖底に棲むコケ坊主的な6億年前頃のエディアカラ生物群の多細胞生物が発生する過程にそっくりと思われないでしょうか?

そうなのです。ガン細胞は環境ストレスに応じて人体に必然で生じた新種の多細胞生命体と見なせるのです。

そしてこの新たな種の誕生をもとからいた生命体は決して排除することなく、免疫細胞もヒートショックプロテインもオートファジーも駆使して受け止めているのです。

ガンとは何か?そんなに単純な問題ではないことがそろそろお分かり頂けてきたでしょうか?

線形ロジックの魔力を抜け出した先には、新たな闇に包まれたような深い深い探求の密林が生い茂っておりました。

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2014.12.30 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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