The dawn of Harii 15

ガンの三大療法と言えばおなじみの外科手術による当該病巣の切除と放射線照射と抗ガン剤の投与であることは今や誰もが知るところとなっているが、これらの療法の間隙をぬって「ガン免疫治療」なる新しい治療法が行われていることはあまり知られていない。

このガン免疫治療とはいったいどんな治療かというと、早い話しがガン患者の免疫細胞たとえば樹状細胞を採取して、これを特異的に免疫力を強化したタイプに培養して進化させたものを、もう一度、

採取したガン患者に投与して、この人為的にガン抗原を特別に認識するように活性化した樹状細胞が盛んにガン細胞の細胞膜に掲げられたガン抗原ペプチドを認識して樹状細胞がサイトカインを旺盛に分泌することで、

NK細胞もキラーT細胞もマクロファージも活性化してガン細胞が貪食されてアポトーシスが進むというシロモノが、ガン免疫治療のザックリとした概要である。

このガンの三大療法の次ぎに来るトレンドとして期待されるガン免疫治療の原点は20世紀初頭のニューヨークの外科医ウィリアム・コーリーの実験に遡(さかのぼ)る。

コーリーは他の病気にかかって発熱した者の体内のガン病巣が縮小している事を経験から観察して、それならばいっそのことガン患者の体内に直接に病原体を入れて発熱させたらどうか?と考え、

感染したら発熱を起こす病原菌として丹毒を発症させる化膿性レンサ球菌と自然界に常在する敗血症や髄膜炎の原因菌となるセラチア菌の死菌をガン患者の患部に接種してみました。

その結果、ある患者の腫瘍は縮小して、またある患者のガン病巣は完全に消退して完治するものすらありました。しかしこのいささか乱暴な実験的な治療の真の意味での免疫メカニズムが理解されなかったせいで、

この実験的な治療法はのちに「コーリーの毒」という名で語り継がれるのみで、その啓示的で先駆的なガン免疫治療の草分けは、華々しい外科術や放射線治療の影に隠れて医療の歴史の闇に埋没してしまったのです。

では「コーリーの毒」治療がいったいどういう免疫メカニズムでガンを駆逐したのか?と申せば、これは無論、前稿をすでに熟読した本ブログフリークにはすぐにピンと来て、ああアレか、とわかるように

ようは体内に侵入した病原菌を排除せんとする機転である免疫力が高まることで、ついでにガン細胞もこの免疫力の高まりの中でマクロファージに貪食され、NK細胞やキラーT細胞に分解されていったということなのです。

丹毒に罹って39℃以上の熱が1週間も続くと、2〜3センチ以内の固形ガンが消えていく、という厳然たる事実。そして「コーリーの毒」治療によって人為的に病原菌を投与するとやはりガン病巣が縮小して、完治することがあるという事実。

この2つのウソ偽りのないガンが治る実例から読み取れるガン対策は最早、誰の目にも明らかになったといえるだろう。

そう「ヒートショックプロテインによる免疫力の活性化」なのだ。

マクロファージの細胞膜にはトールライクレセプター通称はTLRと呼ばれる受容体が備わり、体内に侵入した病原異物をこの受容体が捕捉して、しかるべき免疫反応を起こして、身体を異物から守っています。

TLRは哺乳類では10種類ほどが発見されていますが、ヒトのマクロファージには細菌を認識するTLR2、TLR4が装備され、さらに細菌のDNAを認識するTLR9も存在します。

また何とTLR4はヒートショックプロテインのヒートショックプロテインHSP60とヒートショックプロテインHSP70を抗原として認識するのです。

これはどういうことかと言えば、ヒートショックプロテインが体内に発動したということは、体内のどこかに細菌やウイルスが侵入して細胞構造が破られて発熱が起こったという経験則が、38億年の長き生命史で積み重なった結果、

マクロファージはヒートショックプロテインの発動に伴ってすぐに緊急免疫反応を引き起こせるまでに進化しているということなのです。

ですから、ヒートショックプロテインを分泌できる鍼灸指圧によって、マクロファージもまた大いに活性化して、ガンをはじめとする免疫低下による疾患のすべてに立ち向かうことができるのです。

鍼灸指圧が世界一の最上の医療だ、とわたしが声高に主張するエビデンスはマクロファージのTLRのヒートショックプロテイン感受性にあると言っても過言ではありません。

さてガンの原因がいったいどこにあるのか?を詮索して、ガンは解糖系を亢進していながらミトコンドリアが機能停止を起こしているので、細胞質にはミトコンドリアのクエン酸回路と水素伝達系が動かないせいで

解糖系の産物である乳酸がピルビン酸に変換されずに大量に蓄積されて溜まってしまい、この乳酸によって細胞内が酸性環境になることで

あらゆる病的な症状が誘導されると、よくチマタでは分析されて、では酸性に傾いた細胞環境をもう一度アルカリ性に戻すためにはクエン酸をはじめとするミトコンドリア刺激剤を食べたり飲んだりしてミトコンドリアを動かして、

水素伝達系が回転していないのだから、水素を補給してあげれば水素伝達系が動きだすはずだと称して、なんらかの水素補給療法なる得体のしれない療法を盛んに推奨する論説もまま見受けられます。

しかしそもそもガン細胞内の乳酸蓄積はガン化した結果であって、これはガンの原因ではないのです。だからいくら結果をどうこうしようとしても、原因にタッチして蛇口を止めていないのだから、これでは何の意味もありません。

あくまで細胞がガン化するのはホストである細胞核DNAが主体となった「細胞の総意」なのです。パラサイトであるミトコンドリア内の呼吸欠損と m t DNA の変異の蓄積が引き金となって、

最終的に細胞核DNAがこれは解糖系を亢進してATPを合成するガン化細胞に進化するしかない、と判断した結果、ガン細胞が生じるのです。

ですからガンの原因とはこれは言ってみれば「細胞の自発的な意志」なのです。なぜ細胞がガン化しなければならなかったのか?これは無論、ミトコンドリアの機能停滞にあるのですが、

細胞の総意でみずからすすんでガン化した後にいかにしてこの自発的ガン化細胞を消去してしまうか?というエッジな局面においては、

ガン化細胞の細胞内の酸性環境をもとに戻すなんていう「結果と原因をはき違えた」チグハグなやり方では絶対にガンが消退しないことなど火を見るよりも明らかです。

ガン化しない環境作りという未病治の視点では細胞内を酸性に傾けない何らかの養生法や療法は、いくらかプラシーボも合わせて効果はあるかもしれません。

しかしいったん細胞がガン化のスイッチを入れた後には、そのような小手先のやり方では絶対にガン細胞を消すことなど不可能です。

ガンが自然治癒するその機序とはいったい何なのか?

それは「ヒートショックプロテインによる生体賦活」しかありません。

ここにこそ、これこそがガン治癒の真実の鍵なのです。

ミトコンドリアでは電子伝達系において4つの呼吸酵素複合体が電子を膜内から膜間腔に抜き取るラインを経て、最後の5つ目のATP合成酵素が

膜間腔から膜内に戻る電子であるところの水素イオンの力で回転してはじめてATPが合成される仕組みになっています。

この呼吸酵素複合体(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ)を構成するタンパク質はそれぞれ細胞核DNAとミトコンドリアDNAの2つのDNAからそれぞれコードされ配給されており、その割合はというと圧倒的に細胞核DNAの遺伝子に依存しているのです。

実数にして m t DNA にコードされるタンパク質の総数は5つのラインを合わせて13に対して、細胞核DNAにコードされるタンパク質は何と73以上!

つまり実はミトコンドリアにおけるATP産生の最終ラインの電子伝達系は、すでに細胞核DNAの支配下にあるということなのです。

ミトコンドリアという「命の揺りかご」は、細胞核DNAに頼って生きるパラサイトとしての宿命を帯びているのだろうか。

ミトコンドリアが生命力のすべてを握っている?、などという固定概念もまたある種のミトコンドリアイズムに惑わされたディスインフォメーションが生みだした机上の幻想なのかもしれません。

ミトコンドリアの機能停滞にガン化の原因があるとしても、そのガン化の原因の中には細胞核DNAがセントラルドグマで生み出すミトコンドリアの電子伝達系で使われる呼吸酵素タンパク質が、

小胞体ストレスによって小胞体に「一気の留滞」でストップしてしまって、うまくミトコンドリアに運ばれないという場合もあると予測されます。

もちろん、このような場合にヒートショックプロテインにより「小胞体ストレス応答」を引き起こして、小胞体ストレスを一掃すれば、

ミトコンドリアに必須の呼吸酵素タンパク質がうまくミトコンドリア内にまで運び込まれて、また電子伝達系が再起動してスムースに回転し出しATP産生が促進されることはいうまでもありません。

ようはミトコンドリアの機能不全にはミトコンドリア単体の原因だけでなく、細胞核セントラルドグマや細胞内オルガネラの小胞体に起因するものもある、ということです。

細胞内オルガネラのパラサイトであるミトコンドリアは m t DNA の支配と細胞核DNAの2系統の遺伝子による支配を受けるとともに、ホストである細胞全体もまた m t DNA と細胞核DNAの二重支配を受けるのです。

細胞がなぜガン化するのか?は、だからミトコンドリアだけに原因するようなそんな単純でシンプルな理由だけでは断じてないと言えるのです。

細胞生理は常にすべてがからみあったネットワークのうえに存在します。

からみあった糸のあやをほぐせるのは、たゆまぬ探求心あるのみです。

本稿に関する異論反論、大歓迎!

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2014.12.15 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸創世46億年記

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