The dawn of Harii 11

今更ながらではあるが、少しだけ我らユーカリアドメインの生命力の本源とも呼べるミトコンドリアの復習をしておくが、これまで本ブログでは言及していない部分に焦点を当てたい。

さてユーカリアとは真核生物のことを指すのだが、真核とはDNAが核膜でパックされて守られた状態になっている生命種を言い表すことはすでにご存知かと思う。これとは違ってより原始的なDNAが細胞質内にむきだしで漂っているタイプの生命種は原核生物と呼ばれる。

ミトコンドリアはもともとは好気性光合成細菌のαプロテオバクテリアを祖先にもつとされるが、バクテリアはもちろん原核生物だ。つまりミトコンドリアの祖先は今から12億年前頃に真核生物の体内に共生する形でもぐりこんだウイルスのような存在であった。

なぜウイルスのような存在なのかというと、共生と同時にみずからのDNAをホストである宿主の真核生物の核DNAに「ウイルス水平遺伝」と同じ機序で遺伝子を移送してしまったと推定されている。

これはある意味、ミトコンドリアが激烈な環境変化が起こる地球で生き残るためのサバイバル戦略であり、ミトコンドリアDNAの大半を核膜に守られた核DNAの中に挿入することで m t DNAを守る仕組みを獲得したと分析されている。

こうしてはるか昔の原核生物と真核生物の共生によって、無酸素でも有酸素でも、高温でも寒冷でも適応できるユーカリアドメインが誕生したのだ。

ミトコンドリアDNAの遺伝子は今ではたった13種類のタンパク質しかコードせずに、そのタンパク質はすべてミトコンドリア内で作られて呼吸酵素として利用されているが、ミトコンドリア内での酸化還元酵素の反応に使われるタンパク質は実はかなりの部分はかつて核DNAに移行した遺伝子でコードされており、

むしろ核DNAの指示によって小胞体リボソームで作られるタンパク質が無ければ、ミトコンドリア内での呼吸酵素反応は進行しない。つまりミトコンドリアは単独でATPを生み出したり、骨成分である炭酸カルシウムの合成を行ったり、ホルモン合成をおこなったりできるのではなく、

常に宿主ホストの細胞核DNAとの連繋協調によって細胞生理に必須なエネルギーや物質を生みだしているのだ。

だから、もしも例えば癌や免疫病や慢性的な不調の原因を探る場合には常にミトコンドリアDNAと細胞核DNAの両者の具合を鑑みるという視点は欠かせない。

ちまたの病因分析トレンドはミトコンドリアさえ活性化できればそれで事足れりと思える論調も多々見受けられるが、決してそれほど細胞生理は単純な現象ではなく、常にミトコンドリアと細胞と細胞膜はインタラクティブな関連性をもっていることは忘れてはならない。

ワールブルグ効果とは、ミトコンドリア内の呼吸酵素が欠損してミトコンドリアでのATP産生がストップした際に、細胞質の解糖系でバックアップとしてATP産生が亢進するガン細胞に特有の現象を言うことは常識であるが、

これはすべてのガン細胞に見られる現象ではなく、それゆえにミトコンドリア研究者からはワールブルグ効果と癌の関連性に疑問を呈する者がいることも事実だ。わたしもまたワールブルグ効果から癌を解読するセオリーに従った理論をこれまで展開してきたが、

今後はより慎重に論説を展開する所存である。とはいえワールブルグ効果と癌の関連から細胞生理のインタラクティブな側面が眼前に表出していることも事実なのだから、これまで通りワールブルグ効果にも言及する予定である。

ようは細胞システムとは常に何重ものバックアップシステムを有する非常に柔軟なエピゲノムな世界であるわけで、こっちがダメなら、あっちで行こう、という仕組みには改めて驚嘆する次第です。

ワールブルグ効果がそもそもなぜ起きるのか?と言えば、ガン細胞内のミトコンドリアの呼吸酵素反応がうまくいかない事に起因する、ということは呼吸酵素反応に必須のタンパク質酵素が供給できていないからで、この呼吸酵素反応に必須のタンパク質酵素はミトコンドリア内と小胞体リボソームで合成された二つのルートから供給されている。

このルートのどこかに「つまり」が生じているから必須呼吸酵素が供給されないのか?

「百病は一気の留滞による生じる」

やはり鍵は小胞体ストレスをヒートショックプロテインによる小胞体ストレス応答で一気に流すことにあるのかもしれない。

ミトコンドリアも細胞も「変わらなくあるために、変わりつづける」には、小胞体に変性タンパク質を溜めないこと。

もしも溜まってしまったら、鍼灸指圧によるヒートショックプロテイン旋風を巻き起こし、変性タンパク質をHSPユビキチンを使って小胞体から引っ張り出して分解酵素プロテアソームで分解してアミノ酸に砕いてしまう。

なぜ鍼がこれほど効くのか?の機序はすでにこのように「小胞体ストレス応答」という言葉を使用することで、ここまで明確に表現できるようになりました。

ユーカリアドメインは変性タンパク質を克服しながらここまで進化しました。

そして人類は鍼を手に入れたことで、さらに進化して変性タンパク質を制御できるようになったのです。

鍼灸指圧はヒートショックプロテインを分泌することで、変性タンパク質を取り除き、ミトコンドリアの呼吸酵素反応を正常化することで、ATP産生をスムースにして癌を予防してきたのだ。

鍼灸指圧こそが究極の予防医学です。

ヒトは鍼を打ち、灸を据え、指圧することで気や経絡やヒートショックプロテインや一酸化窒素やβエンドルフィンを獲得し、健康を手に入れることができる。

人類史と共にある鍼灸指圧のポテンシャルをどこまで引き出せるか?

いよいよ「鍼医の夜明け」第二部です。

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2014.12.10 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸創世46億年記

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