The dawn of Harii 9

わたしたちは今ではよく知られているように、今から20万年前にアフリカにいたミトコンドリア・イブという母親と、今から5万年前にアフリカにいたY染色体・アダムという父親の子である。よって人類はみなアフリカの父と母に起源をもつ子孫であり、兄弟姉妹なのだ。

今から5万年前にアフリカを旅だった150人のホモサピエンス小集団は食料が豊富なマングローブの森を住み家にできる海岸沿いを移動ルートに選び、定住しては人数を増やしてそこが手狭になるとニッチ(生態的地位)な新しい居住地を求めてまた旅支度を整えて洒落たSUVに乗るわけにもいかず、

また徒歩で旅立つ集団がやおら歩き出しを繰り返しながら、冒険心溢れる者は遠くに見える島を目指して豪華なクルーザーに匹敵するような大きな筏(いかだ)をマングローブの林から選んだ良質な木材で組んでハイエルダールよろしく実験航海の旅に出て、

やがて東南アジアやスンダ大陸やサフル大陸へと到達し、ニューギニアや太平洋諸島やオーストラリアの原住民になっていった。

まず東アフリカをスタートしたノアの一群は紅海を経由してアラビア半島を抜けてペルシャ湾岸のオアシスへと達し、そこからインドへ、そしてスンダやサフルへと拡散し、今度は東南アジアから沿岸沿いに中国東部沿岸を上り、

アリューシャン列島にまで北上して当時はベーリング海峡は海水面が今よりも低かったのでベーリング陸橋だったのでここを徒歩で通過してユーラシア大陸から北米大陸へと渡橋して、

北米上部はまだほとんどが氷床に閉ざされていたが海沿いには湿地帯が広がっていたのでそこへとニッチを見つけて、そこから南下してゴールである南米へと到達した。恐らくはアフリカを出立してから南米まで来るのに何とわずか最速の2万年というところだろうか。

また最初の拡散地であった紅海付近ではチグリス・ユーフラテス川を遡上する第2のルートをニッチに選んだ一群があり、彼らが欧州の先住民となってやがてオーリニャック文化を華開かせて、かのラスコーやショーベやアルタミラの見事な壁画を描くことになる。

そして東南アジアルートからは中央アジアや北シベリアへと向かう一群もあり、またインド経由でも西側の欧州やロシアや北欧と、東側の東アジアへの二手に別れる拡散ルートが生じたようだ。

これら5万年前からの人類の足跡は現生人類であるわたしたちの口腔内の頬の内側の細胞を綿棒のようなもので採取して、その細胞内に棲むミトコンドリアのDNAの微細な変異をたどることで判明した決定的と言える人類の旅行ルートなのだ。

ミトコンドリアDNAは略してmtDNAと呼称される。

今から12億年前の原生代にプロチスト(原核生物)の体内に共生した好気性光合成細菌であったミトコンドリアのmtDNAから判明した人類の真実とは、ちまたで不用意に使用されている人種という概念など本当に単なる妄想でしかなく、わたしたちは今ではたった一種類しか存在しない貴重なヒト族ホミニンの末裔であり、

細胞核DNAの現す表現型が異なろうとも、人類はみな兄弟であるという厳然とした事実であった。

わたしたちのご先祖150人集団がアフリカから地球全土へと拡散していくその時にはすでにホミニンの別の種族が先発隊として世界中に散っていたというショッキングな事実もまた記憶しておくと良いかもしれない。

先輩格であるホモ・エレクトスたちは何と200万年前にはどうも世界中に住み家を拡大していたようだ。またホモ・ハイデルベルゲンシスという種族もそれに次ぐ古さでそこかしこにすでに棲まっていた。このホモ・ハイデルベルゲンシスの進化バージョンがホモ・ネアンデルタレンシスいわゆるネアンデルタール人であり、

わたしたちホモサピエンスの祖先が欧州に進出した際にはまだネアンデルタール人はご存命であり、どうもネアンデルタール人のイケメンとホモサピエンスのシャンがロミオとジュリエットになって目出度くご成婚とか、あるいはネアンデルタール人のジェーンとホモサピエンスのターちゃんが旺盛に繁殖に励んだとか、

そんな事があった事がわたしたちのDNA記憶から読み取れるのだ。ホモサピエンスが世界中に拡散して行く際にはまだ絶滅を真逃れたホモ・エレクトスの末裔とも交雑が行われたのかもしれない。一説によるとインドネシアのフローレンス島にかつて住んでいた小人型人類「ホモ・フロレシエンシス」は生き残っており、

現地民からはエブ・ゴゴと呼ばれて、時折、目撃されているとも言う。あるいは雪男イエティやビッグフッドすら巨人型人類「ギガントピテクス」の末裔かもしれず、うっかり交雑した名残(なごり)として故・ジャイアント馬場のような表現型が唐突に出現するのかもしれない。

今現在、判明している27種のホミニン以外にもまだ化石として発見されていない多くの人類がかつては存在したようだ。いつかそんな見知らぬ人類種の化石と共に精巧な骨製の鍼が出土する日が来るのだろうか?

いやそんな日を待ってはいられない。我がmtDNAの記憶をみずからの力で紐解けば、鍼の起源はわかるはずだ。

46億年前に地球は誕生し、38億年前に生命は誕生した。まだ当時は酸素などなかったが、やがて27億年前ころに酸素を放出するシアノバクテリアが発生し、地球環境は大きく変貌していった。

海中に放出された酸素はすでにそこに溶け出していた鉄イオンと結びつき酸化鉄となって海底に沈殿した。16万4000年前のホモサピエンスが手にした赤鉄鉱石も27億年前に発生したシアノバクテリアが放出した酸素があったからできた「石ころ」だったのだ。

鉄イオンを取りこむからこそヒトは赤血球ヘモグロビンに酸素を吸着することができて、それを血行性に全身のミトコンドリアに配り細胞内呼吸が出来るのだ。そしてこの酸素を利用して細胞内でATPを合成しているのがミトコンドリアであり、またミトコンドリア内部には鉄イオンが充満しており、鉄イオンのキレート作用により解毒処理や酸化還元反応など旺盛に行われている。

アフリカ大陸南端のピナクルポイントでホモサピエンスのご先祖様がふと赤鉄鉱石を舐めたくなったのは、もしかすると内なる生命力の本源であるミトコンドリアのmtDNAから指示だったのかもしれない。

ミトコンドリアは脳や肝臓や筋肉に多く存在する。つまりこれらの器官が発達するためにはここに棲むミトコンドリアが増えるのは必須条件だ。

ヒトの大脳が肥大できたのも、ヒトの肝臓が500の仕事をこなす化学プラントになったのも、ヒトの600の筋肉がこれだけ発達したのも、ヒトの骨構造がヒドロキシアパタイトで構造化されたのも、ヒト細胞60兆個に平均で300匹からのミトコンドリアが棲息しているのも、

すべてはmtDNAからの命令だったのか?私は壮大なるテーマで取り組んだこの「鍼灸創世46億年記」というシリーズの初期にミトコンドリアと共生するユーカリア・ドメイン(真核生物グループ)は、

ミトコンドリアを最大限に生かす進化をたどるとし、その法則を「ミトマックス適応」と命名した。これでは何となく映画「マッドマックス」に近いのでここで少しヒネリを加えてみたい。

ユーカリアがmtDNAの指示で進化することを「mtDNAマックス適応」とし、略して「mtM適応」としたらどうだろうか?いや最後の「適応」という文字も略して単に「mtM」の方がスッキリしていていいかもしれない。

人類史700万年もまた「mtM」の導きで進化した。

ここにまた新たな学説「ヒトmtM進化論」が世界初公開された。

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2014.12.07 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸創世46億年記

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