SATORI 3

「突然変異で進化したという証明はまだないんですよ。これほど証明というものを大事にする科学においてやね、証明のないものを皆信じているのは、これはイデオロギーかと私は言わんならん」

進化論の論争で忘れてはならないのが京都大学の生物学者であった故・今西錦司博士が打ち立てた「今西進化論」であり、何を隠そう中原英臣と佐川峻が1971年に「ウイルス進化論」を発表した際にこの新しいウイルス進化論を支持し彼らを励ました者こそが今西錦司博士だったというエピソードが存在する。

冒頭の言葉はもちろん今西錦司博士の言葉である。ダーウィン進化論に反対する事が暗黙のタブーであるかの如きアカデミズムの世界で昂然とオリジナルの新説を提言し、最後までダーウィニズムに屈しなかった言わば日本人の誇りである今西博士と

アーティスト横尾忠則との対談が文字化されたものが読めるのは実にエキサイティングであり、冒頭の言葉だけでなく全文をここに公開したいくらいだが、もしもこの二人の対談録が掲載された本に興味があるのなら平河出版社「宇宙瞑想」を手にとって頂ければ幸いです、って、あっ、この本はすでに絶版か(笑)

今西進化論の中核理念は「棲み分け」と「種社会」という概念であり、棲み分けはヒラタカゲロウの幼虫の棲み分けを実際に観察した上で導き出されたアイデアであることも注目されるのだが、この「棲み分け・すみわけ」という言葉の響きが実にエレガントで鼓膜に優しいことはやはり何と言っても出色であろうと思われる。

ダーウィン進化論で多用される自然淘汰や適者生存や自然選択という野卑な悪魔的ワードと、「棲み分け」という清らかな言霊(ことだま)の音色の違いはいったいどうだろう?こうした言葉を選ぶセンスも一流の学者の資質なのだろう。

さて今西進化論についてはここではそれほど深入りせずにウイルス進化論との絡みでザックリと「 SATORI 進化論」の地固めをしていきますが、エレガントな今西進化論においては

「進化は変わるべくして変わる」と実にアッサリと東洋哲学風に語られるのですが、この種全体が変わる時に一斉に変わるその原動力に関しては今西進化論ではまだその機序に関しては詳細が未解明であったのだが、

それゆえにウイルス進化論の登場がもしかするとこの未解明な部分に光明を投げかけるのではと今西博士が感じたかどうかは今は知るよしもないが、恐らくはそんな思いもあってウイルス進化論にシンパシーを感じてエールを送られたのではないかと想像するわけです。

そしてエールを送られたウイルス進化論陣営である中原、佐川両氏はここぞとばかりに、つまり種が変わるべくして変わる原動力こそが実は

ウイルスがベクターとなって種全体に感染することで種の個体すべてのDNAが一斉に変化して、このウイルスによる「水平遺伝」によって種全体の発現様式が一気に変容して新たな種が誕生するという非常に大胆でドラマティックな論説を展開しているといった具合なのです。

この説明であれば例えば旧種から新種への橋渡しとなる中間的な種が存在しなくとも新たな種が誕生する事の説明がつくし、そもそもこのような中間的な段階的な種が化石などからほとんど発見されないというのも進化論においては取りざたされる重大問題であり、このミッシングリンク不在の化石事情をも説明できなくばいっぱしの進化論とは言えないとも言えます。

ということで、ようはウイルス感染による「感染進化」なドラマによって種は変わるべくして変わることで環境に適応して進化してきたと言えそうであり、そうして種と種を超越した協力と棲み分けによって、地上に棲息していたある種は水中へ、ある種は空中へ、またある種は土中へとそれぞれが一番住みやすい快適な棲息空間を求めて「適応放散」していった結果、地球生命種は130万種もの多様性を今現在、保持するに到ったと解読できそうなのだ。

決して自然淘汰などという非情な「自然選択圧」で生命進化が起こったわけではないし、むろん突然変異がいきなり種全体に発生したから種が進化したわけでもない。地球環境の激変という環境圧はある場合には非情なまでに過酷ではあるが、それでも地球生命たちは何とか使える遺伝子をみんなで共有して、まるでフェイスブックでソーシャルネットワークなチャットでも楽しむようにDNAツールをシェアしながらここまで進化して生き延びてきたのだ。

地球全土は本来的には生命種130万種がそこかしこで棲み分けて生活するユートピア共和国だったのであり、まさに地球というハビタブルゾーン(生存可能領域)は太陽系内で唯一の命躍動する奇跡の惑星であったのだ。

SATORI な地球を取り戻すのにギリギリの時間がまだ残っているのか?

核文明にあえぐホモ・サピエンスからユートピアを取り戻す新種のホモサピエンスへのウイルス進化的な「ネット進化」なわたしたちの挑戦は今ここから始まる。

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2014.09.24 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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