ブラックパール 20

アデニン、グアニン、シトシン、チミンが二重螺旋に組まれた60億塩基対2メートル長のヒトゲノムに点在する遺伝子群1.5%3センチ長の中には、

もともとガンを誘発するガン原遺伝子が存在し、またガンの増殖を抑制するRB遺伝子やp53遺伝子などがあることが知られている。

ガン原遺伝子は通常は細胞分裂や発生分化に関わるタンパク質を合成する重要な働きをしているのだが、細胞内外環境からのストレッサーの累積が

ガン原遺伝子の能力を亢進させる程のゲノム変異をもたらすと、細胞分裂にストップがきかなくなりガン化がスタートしてしまうと通常医学では分析されている。

正常細胞においては染色体の末端で細胞分裂の回数をコントロールしているテロメアが分裂を経るごとに脱落減少して細胞分裂が可能な回数が老化とともに減っていくのだが、

ガン細胞はこのテロメアの脱落を修復するテロメラーゼなる酵素の活性を獲得することで細胞分裂を重ねてもテロメアの長さを保ち、ほぼ無限に増殖する能力を手にしているという。

ヒートショックプロテイン研究の第一人者によれば、ガン細胞は炎症抑制に関わるヒートショックプロテイン90という生体防御タンパク質にしっかりと守護されており、

このHSP研究者をして「ガン細胞はある意味、高度に進化した細胞である」とまでウッカリと言わしめている。

そうなのだ。ガン細胞とは実は過酷なストレス環境に柔軟にフレキシブルに適応できる、ある意味、非常に高度に進化した細胞なのだ!

今から25億年前から5億4200万年前のあいだを原生代と呼ぶが、この間(かん)の3度もの地球全土が氷に閉ざされた寒冷ストレス世界を原初の多細胞生物たちは全細胞をガン化することで生き延びた、と私は見て取りました。

いや、もしかすると単細胞生物が多細胞生物に進化した原動力こそがガン化であったのでしょう。

マイナス40℃というとてつもない寒さに襲われた原初の真核生物は寒冷ストレスに適応するために低温、無酸素でもATPを産生できる解糖系を亢進させることでATPを確保していきます。

次々に寒さで討ち死にしていく仲間が生前に合成した糖分を燃料に、あるいは好気性光合成バクテリアの残骸を捕食しながら、このガン化した真核生物は「エルサの魔法」にかけられたが如き氷の地球世界をなんとか生き延びたのです。

やがて魔法が解けた地球は雪解けと共に大量の酸素が地球大気を覆っていくと、酸素を嫌う嫌気性バクテリアたちのある種は絶滅を余儀なくされたが、

ガン化し多細胞化した真核生物にはすでに酸素呼吸によりATPを生み出せるミトコンドリアが共生していたので、今度は解糖系の亢進を抑制してミトコンドリアをメインエンジンに切り替えて、酸素濃度の上がった地球に適応して生き延びていきました。

つまり、地球全土がマイナス40℃の極寒環境に包まれた時代は解糖系を亢進してATPを獲得し、火山の大噴火と共に大量の二酸化炭素が放出され、二酸化炭素の増大に伴う温室効果によりさらに地球の温度が温かくなっていくと、

溶けた氷からは酸素が揮発して酸素濃度も増していき、酸素は無酸素でATPを生み出す嫌気性バクテリアにとっては猛毒であったが解糖系を亢進してATPを獲得していた真核生物の体内にはすでに酸素を利用してATPを生み出すことが可能なミトコンドリアが共生していたので、

今度はミトコンドリアを主なATPエンジンとしてATPを獲得して変化する地球環境に柔軟に適応した。

エディアカラ生物群が化石として発見される前の多細胞生物が誕生した14億年前から5億7000万年前までの約8億年間のあいだに原初のユーカリア(真核生物)を襲った環境激変を生き延びた記憶は

ユーカリア・ドメインの生命種の細胞核ゲノムにしっかりと刻まれ、生命誕生から38億年後の新生代第四紀の末期にいたりホモサピエンスという不出来なサルの一種たちの科学機器により分析されて、

生命ゲノムが解読されるにいたり、極寒環境で解糖系を亢進した機能はガン原遺伝子と呼ばれるようになり、酸素環境に適応してガン化を抑制してストップさせた遺伝子はRB遺伝子やp53遺伝子と呼ばれるようになり、

ストレス環境に適応して必然的に生み出されたガン化細胞を環境に応じて切り捨てて新しい正常細胞にリモデリングさせるアポトーシス誘導の遺伝子は

TNF遺伝子やp53遺伝子やHARAKIRI遺伝子と呼び慣らされるにいたった。

地球生命種のほとんどにはガン原遺伝子もガン抑制遺伝子もアポトーシス誘導遺伝子も装備されているが、これらの遺伝子機能は結局は変化する地球環境に適応するために必須なゲノム・ツールであったという証左なのであり、

であるのなら細胞がストレス環境に応じてガン化するのは必然であり、またガン化した細胞を遺伝子で抑制できるのも必然であり、

①遺伝子や②ミトコンドリアや③免疫細胞や④オートファジーや⑤ヒートショックプロテインが起点となって主導して多角的にガン細胞をアポトーシス誘導できるのもまた必然であったのです。

例え必然で生じたガン細胞であっても、やはり必然でガン細胞をアポトーシス誘導してガン細胞を無限に増殖しないようにできる程にヒトゲノムにはしっかりと地球環境でサバイバルを繰り広げるだけの遺伝子アクセサリーが造物主の手によってインストールしプログラミングされておりました。

ちまたのガン論争を俯瞰するに、その実際は根拠(こんきょ)も論拠(ろんきょ)もエビデンスも希薄な「これでガンが治る」のシンプルなキャッチコピーで掴みはオッケーで、悩める患者や一般人たちのまとま思考をいったん停止させて、

きらびやかな医学用語を散りばめて「へぇ〜、なるほど、そうかも!」といかにもなんとなく納得させてその気にさせてしまうプラシーボ120%増量キャンペーン実施中の「マイナスイオン詐欺的」なエセ科学な臭いが周囲に濃厚にプンプンと漂っている

「イオン」だの「水素」だの「電子」だのの派手な看板を背負った高額なサプリ販売、高価な機械機器購入への誘惑の「ガンが治るぞ」洗脳詐欺ビジネスのたぐいばかり、と見て取れるのですが、

生命科学の王道を行く本ブログだけは「これで癌が治るぞ」詐欺だけには決して加担しませんので、ご安心ください。

だって、「ガンが治るぞ」なんて言ったって、アンタ、いったいどうやって病巣化したガン細胞のでっかいカタマリが簡単に消えるってんだい?

ちっとやそっとのことで固形化したガン病巣が無くなりっこないって。そんな奇跡みたいな確固たるエビデンス(証拠)となるデータをちゃんと示したうえで、言ってるの?

そんなエビデンスなんか無くて、自信満々に「こうすれば癌が治る」という希望的推測200%増しで語っているだけでしょ?

あるいは伝聞で末期癌患者たちのガンがある周波数の振動で完治しちまったとかさ。こういうのもあくまで伝説というか神話であって、実際に本当にホンマのところは確認しようがないじゃん!

それから、そもそも、ガンの原因は?などという思考パターン自体がどうも怪しいと思うわけよ。つまりこれまで論述したように

地球生命種のゲノムにはガン化する機能であるガン原遺伝子がもともと備わっているのですから、もしもガンの真の原因は何か?

と問うたのなら、このゲノムに存在するガン原遺伝子こそが真の原因と帰結されてしまうのです。

これってなにかオカシクナイ? おかしいよね、ぜったい?

だから、私はこう考えたのです。ようはガンは出来て当たり前、いやガンが出来るからこそ生命はガンによって生命たらしめられ、生きていられ、いや、ガンのお陰で、生きて生きて生命史38億年間を生き延びることができた。

ガンこそ命。ガンの中にすら、ガンの中にこそ命の輝きがある。癌ルネッサンス。癌の価値の復権を!と。

しかしガンの増えすぎを抑制する機能を上手に利用すれば決してガンが体内に無限に増殖することはありえない。ガンの無限増殖を抑制するもっとも有効で最強の方法とは日々、数億個も発生しているという

自然癌のガン免疫においてこの自然発生しているガン細胞を3種類のタンパク質分解酵素でアポトーシス誘導できる

免疫細胞のNK細胞とキラーT細胞を強化することで、すべての自然癌が最終的にマクロファージに貪食されて跡形もなく消えてしまうというこれこそが奇跡的なシステムの、

この免疫細胞によってのガン自然治癒の方法以外に、ガン細胞を消去する方法は絶対に存在しないのである。

であるからして、それ以外の方法論で免疫細胞を介することなく、ただ闇雲に「癌が治る」だの予防できるだのと言っているのはすべてデタラメか、単なる頭の中で方程式を解くが如くにこさえた希望的推測に過ぎないのであって、

もしもそのやり方で全免疫系を活性化するスイッチを押して免疫細胞のNK細胞とキラーT細胞を賦活できるのなら、それはガン封じの養生法として妥当と見なせるが、そうではないのなら、それはガン封じを装ったインチキ理論であると断定できてくる。

NK細胞とキラーT細胞のガン免疫を担う免疫細胞を賦活するためには腹腔マクロファージをインターフェロン・インデューサーとなる食材で刺激して、皮膚ランゲルハンス細胞を鍼灸指圧で刺激すれば

簡単にNK細胞やキラーT細胞やマクロファージは活性化できる。

そしてすべての生体防御、自然免疫、ガン免疫、獲得免疫、自然治癒のベースにあるヒートショックプロテイン分泌だけは絶対に決して忘れなければ、

わたしたちは3.11後の内部被曝地獄の中にあっても決して免疫不全にならずに、免疫完全になって、絶好調でヴィヴィットに健康にサバイバルが達成されるだろう。

免疫とは「自己と非自己を見分け」て「疫病を免れ」て「細胞の品質管理」をして「病気にならずに健康」にこの世を謳歌し長く「生き延びる」ことであるが、

そのためにもっとも大事な養生のキモとは、本シリーズ40回を通して何度も触れた免疫細胞の強化という視点であり、キモ中のキモとは早い話しが腹腔マクロファージのトールライクレセプターTLRを刺激してのサイトカイン分泌ということでありました。

南極の湖底に築かれたコケ坊主と同じく3.11後の極限環境でハビタブルゾーン(生存可能領域)としてのバイオスフィア(生命圏)をもしもヒト細胞60兆個の世界に築きたくば、

免疫の本質を知ることは必須であり、免疫細胞を強化できる養生法の実践は欠かせません。

実り多き免疫再考シリーズ、このままタイトルを変えながら続行します。

暑さ厳しき折、本ブログ読者さまの連日のご訪問に心よりの感謝を申しあげます。

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2014.08.10 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 免疫強化

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