ブラックパール 10

夏ネタとしてはこの時期にアタシの記事にセミとかカブトムシが登場するのは軽く定番化しつつありまして、まあ昨日の記事もけっこう昆虫がらみの記述が多かったんだけど、

昨年の夏には日帰り家族旅行で岐阜県は金華山のふもとにある日本一古い昆虫博物館に行って、ナフタレンの臭いにいささか息苦しくなりながらも世界中の昆虫の標本を眺め、

ここ名和昆虫博物館の夏特典の生きたヘラクレスオオカブトやツヤクワガタやタガメの展示に娘と共に興奮しまくったんですが、さてこの昆虫たちが実は地球動物界の中ではその種の数をとっても個体数をとっても、

もっとも繁栄した地球生命界の覇者であるというのはよく知られた常識であり、南極の湖底に築かれたコケの城に棲むダニから、地底深くにまで棲んでいる可能性があり、どれだけの新種がいるのかいまだ判明していない線虫やらも含めて、

地球生命種の70%〜80%は実は昆虫たちで占められていて、ではなぜこれほどまで広範囲に昆虫たちは生息圏を拡大できたのか?というと、それはやはり昆虫の免疫力がずば抜けて高かったからと推測できてくる。

昆虫1個体の全体重の30%〜50%は実は共生バクテリアの重みであり、この昆虫に共生しているバクテリアのほとんどは腸管内やその周辺細胞に収納されており、

例えばカブトムシの幼虫やシロアリの腸内細菌は普通は動物が消化するのはたいへんな植物の細胞壁成分のセルロースを分解することで、栄養源をホストである昆虫へと供給しており、

また昆虫の共生菌たちは強い毒性を示す抗生物質を分泌することで共生菌以外の敵対する病原菌を寄せ付けない仕組みがあることも知られている。

ここまで見るに、昆虫が5億年の進化の過程で掴んだ地球を生き抜く強みとはつまりはまずはバクテリアを我が身に棲まわせる共生に成功したことにあると言えようか。

そして昆虫たちの免疫系としてクローズアップされるのがヒトの腸管内にあって免疫系のすべてを握っているといっても過言ではない腹腔マクロファージのトールライクレセプターTLRと同じ、

昆虫の細胞にあるトール受容体であり、この昆虫のトール受容体からは抗菌ペプチドが分泌されて昆虫の身体は病原ウイルスや病原菌から守られるシステムができている。

ショウジョウバエに遺伝子操作をしてトール受容体がないノックアウト・マウスならぬノックアウト・ショウジョウバエを作成したら、

このトール受容体がないショウジョウバエの身体にはカビがビッシリと生えてあえなく絶命とあいなったというのが実はトールライクレセプター発見の経緯でありました。

自然免疫において病原微生物認識パターンを受容するトールライクレセプターTLRは種によって保有数が異なり地球生命史の中では古株で海中にいて

常に様々な微生物を海水と共に体内に通過させることで栄養も補給する棘皮動物のウニなどは何と222種類ものトールライクレセプターTLRが存在しますが、

比較的に後続種の動物たちであるマウスには12種類、硬骨魚類のフグに12種類、ヒトには10種類、昆虫のハエには9種類のTLR装備となっております。

ヒトや昆虫のトールライクレセプターTLRの種類は少ないのですが、この少ない種類のトールライクレセプターは実は精鋭部隊の選りすぐりの優秀なトールライクレセプターTLRであり、進化に揉まれて遺ったものであり、

わずか10種類の異物弁別レセプターを駆動することでヒトの腹腔マクロファージは活性化して、インターロイキンや腫瘍壊死因子やインターフェロンを分泌し、

免疫系全体を活性化して自然発生するガン細胞をアポトーシス誘導し、病原ウイルスや病原菌を攻撃してヒトの免疫を養ってくれているのです。

昆虫の腸内に共生菌が共生するように、ヒトの腸内にも夥しい数の共生菌が棲んでいます。わたしたちヒトも昆虫に負けず劣らずの腸内細菌力とトールライクレセプター免疫力を保持していると言えるのかもしれません。

さて地球最強の生き物はいったい何だかご存知ですか?

これ他でもないそのへんのどこにでもいるコケだそうです。

コケという生き物は水分があればこれを身体中に吸い込み蓄えて繁殖しますが、もしも水分がなくなってカラカラになると自身もカラカラになるのですが、それで死滅するわけでもなく、また水分が戻ると復活するというのです。

この環境と争わずに柔軟に適応する能力が地球一の強みと言えるのだそうです。

南極の極寒な環境中にある唯一の生き物の王国が湖底に築城されたコケ坊主の宮殿であり、そこにはバクテリアやクマムシやダニが共生し、ひとつの生態系が築かれておりました。

これから間氷期が終わり、長い10万年の氷期が訪れたとき、恐らくは地球全土をことごとく放射能で汚染した天にツバ吐く悪しき馬鹿猿集団のホモサピエンスは滅び去り、

地球生命種のある種の一族もやはり絶滅していくが、幾ばくかの昆虫は生き残り、コケだけはたくましくヒトのいない地球で生き延びていくでしょう。

太陽からの適切な距離にあって生命が生きるに適したハビタブルゾーン(生存可能領域)内に地球がおさまっていられるのも、あと25億年ほどで

その後は太陽寿命の終末に近づくと共に地球の太陽系での立ち位置はハビタブルゾーンから内側の太陽に近い場所に移動して地球はついに暴走温室限界に突入し

46億年前の原始地球の再現であるマグマオーシャンによって地表が満たされた生命の棲めない灼熱の世界と化し、

やがて太陽の寿命が尽きる今から50億年後には太陽の爆発と同時に地球もろとも太陽系の星々も姿を消してしまうのです。

かけがえのない温暖なほんの束の間の1万年の間氷期の最後のこのひと時すら、ヒトは争うことなく過ごすことがなぜできないのだろうか?

今朝もクマゼミは生を謳歌し精いっぱい鳴いている。

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2014.07.30 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 免疫強化

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2014/07/30 (水) 07:33:05 | | # [ 編集 ]

論語読みの論語知らず

熱い最中に熱い記事を連発しちゃあ、ほんとアッチッチですわい(笑)

熱くて厚い記事を目指して、本シリーズも佳境へと邁進する所存です。

自分も馬鹿猿集団の精鋭バカっすから、人生の先輩からの過分なるお言葉は身に余ります。

いつも、ありがとうございます。

2014/07/31 (木) 00:10:46 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

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