ガーディアン エンジェル 19

地球に生命が誕生してから単細胞の微生物がうごめき、ひしめきながらヒトの細胞膜のMHC抗原と同じ機能へと進化していったであろう微生物の細胞壁をくっつけ合いながらの30億年が経過する間に、

このユーカリア(真核生物)の原始生命体たちは細胞壁からエネルギー産生に必要な養分をファゴサイトーシス(食作用)によって吸収し、その胃袋のリソソームの分解酵素で消化し、

使える素材であるアミノ酸や糖質や脂質はみずからの体内に共生しているミトコンドリアに利用してもらうためにリソソームの液胞膜から

細胞基質であるサイトゾル(核ゲノムと小器官オルガネラを除いた領域)内に放出してミトコンドリアに酸化的リン酸化をしてもらうことで膨大なATPを得て、

このファゴサイトーシス過程でもしもトンデモナイ病原菌やウイルスを取りこんでしまった場合には、リソソームの後期段階であるエンドソームという液胞がウイルスや病原菌の分子を粗面小胞体にあるMHCクラスⅡ分子に融合させて、

これによってMHCクラスⅡ抗原分子複合体が作成されて細胞膜にまで輸送されると、細胞膜から細胞外へと向かって「わたし、ウイルス感染されてます!」の看板が立てられて、

この看板を見たヘルパーT細胞は「こいつは、たいへん、そらぁインフルエンザウイルスの断片やんけ!そいじゃあ、いっちょ、B細胞の旦那にかけあって急ぎこのH○N○型に合った抗体を作ってもらわなアカンし、わたしの相棒のキラーT細胞にもクローン増殖してもらって、感染細胞を殲滅して、完全に新型インフルを制圧してしまおう!あ〜忙し、忙し」

となって、抗体が作成されるまでには幾ばくかの日数2、3日がかかるし、キラーT細胞がクローン増殖するのには10日ほど日数がかかるから、インフルエンザの自然治癒にはだいたい2週間あれば事足りる、なんてのは免疫学の常識で、

それですでにウイルスや病原菌に侵蝕されてしまった細胞は別な抗原提示経路であるガン細胞の細胞内タンパク質を特異的に抗原提示するユビキチンプロテアソーム系に続くMHCクラスⅠ標識経路を利用して

ウイルスや病原菌が感染細胞内で生みだしたタンパク分子などが抗原提示されての一般的なパターンもあり、

この癌抗原提示のユビキチンプロテアソーム系・MHCクラスⅠ経路の場合には、まずユビキチンというヒートショックプロテインによって抗原分子が捕捉されるという初期設定がなされており、

ここにおいて抗原提示に関わるヒートショックプロテインの重要性がとりわけクローズアップされてくる!

フーイ、頭にあった書く内容は最初はこんなはずじゃあなかったのに(笑)、えっと、ここまでの記述で私が何を言いたいのかザックリ言うと、

ヒト細胞が細胞膜を使ってヒト細胞みずからのコンディションを他の細胞に伝達する手段にはMHCクラスⅠとMHCクラスⅡがあり、

MHCクラスⅠはすべての細胞に備わった抗原提示機能であるが、MHCクラスⅡはマクロファージや樹状細胞にだけ存在する特殊な抗原提示機構であり、

普通の細胞は普通の細胞で常にその細胞膜にHMCクラスⅠを掲げてみずからの言わば「細胞身心」の状態を「今日はなんだかアタシ、ガン細胞になってしまって気分がすぐれないわ」みたいに提示しており、

またマクロファージや樹状細胞は体内に侵入した異物である病原菌やウイルスを食べては、MHCクラスⅡ抗原提示機構を使って細胞膜へと

「こんなヘンテコ野郎どもが、ギョウサン侵入してまっせ!」とMHCクラスⅡ抗原を提示して、免疫細胞たちと情報交換してヘルパーT細胞がこれを見つけてはサイトカインを放出して免疫系をコントロールしている、といった具合で

この抗原提示という作業が実は免疫の初動、ファーストステップにおいてまずもって絶対に必須な手続きであることがご理解できたらここまで書いてきたアタシは嬉しいです、はい、フーッ!

それで、実際に病巣化して余命半年とまで宣告されるような大きな固形ガンが形成されてしまったガン患者の多くを免疫細胞療法で治療している医師に言わせれば、

このような固形化したガン病巣を切り崩して消退させるには、絶対に必要な段階があり、その段階のひとつが「ガン細胞によるガン抗原提示」であると言います。

つまり、ガン細胞が「わたし、ガン細胞やってます!」というMHCクラスⅠ標識を掲げるからこそ、キラーT細胞がこのガン細胞を見つけることができて、

キラーT細胞はこのガン細胞をパーフォリンとグランザイムとフラグメンチンのタンパク質分解酵素を使って分解しガン細胞をアポトーシス誘導できるのですから、

いかに抗原提示という作業が大事か、がこのことからもよく理解できますし、さらにガン細胞が「わたし、ガン細胞だけど、自分でガン細胞やってますなんて、告白するのはイヤだわ」

というタイプのガン抗原標識を隠してしまっている非抗原提示タイプのガン細胞は、キラーT細胞が見つけることはできなくても、NK細胞が専門に見つけてはキラーT細胞と同じくアポトーシス処理しているという

これら自然癌の自然治癒にはNK細胞とキラーT細胞の2つのキラー系免疫細胞が関わっていることはすでに本ブログ読者にはこのシリーズでインストールされたコンテンツではありますが、

NK細胞とキラーT細胞の両者を賦活する役目のNKT細胞はマクロファージや樹状細胞からの抗原提示を受けて活性化するとも言えるので、

つまりは免疫系のスタートにはやはり抗原提示細胞であるマクロファージや樹状細胞らによる抗原提示がまずあって始めて免疫系がまともに機能すると言えるのです。

免疫系は自然免疫がまず抗原を把握し、その情報が獲得免疫へと伝達されることで、自然免疫と獲得免疫のすべての免疫系がスムースに回転する機構となっており、

MHCクラスⅠ抗原提示はユビキチンというスモールHSPがあってはじめて成立する機構であることを見ても、

マクロファージはその細胞膜レセプターであるTLR(トールライクレセプター)でヒートショックプロテインを受容すると活性化し、樹状細胞もまたヒートショックプロテインによって抗原提示能力を増強させ、

マクロファージも樹状細胞もヒートショックプロテインによって貪食が盛んになることを見ても、

NK細胞もNKT細胞もヒートショックプロテインで活性化することを見ても、

抗原提示や自然免疫という免疫の初期段階における最重要な位置にやはりヒートショックプロテインは欠くべからざる必須な存在であったと言えます。

何度も繰り返しになりますが免疫の本質とは細胞の品質管理なのであり、細胞の品質管理とは細胞を構成するタンパク質の品質管理なのですから、

タンパク質の管理を担うヒートショックプロテインが免疫の本質と密接に関わるのは当たり前と言えます。

抗原提示もヒートショックプロテインから。

ヒートショックプロテインこそがすべてに先行する身体防御システムのカナメだったのです。

ふぅ〜、もう、かなりお腹いっぱい(笑)

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2014.07.19 | | コメント(3) | トラックバック(0) | 免疫強化

コメント

朝から

満腹です。(笑)

2014/07/19 (土) 07:06:41 | URL | 桑畑五十郎 #- [ 編集 ]

温熱的治療とRICE処置につきまして

今村先生 お疲れ様です
鹿児島の青山浩一と申します

いつも大変貴重なお話 有難うございます

鹿児島でも 東京電力福島第一原発事故後
200数名の福島県からの避難者と
数百名の関東周辺から避難された方がおられ
私もほんのわずかな事ですが 支援活動も行っております

その中で 遺伝子毒と酸化毒ストレスを克服する生活を肝に銘じているところです

さて 一つ質問なのですが なかなかタイミングがつかめず 今日のテーマとは 微妙に重なる程度なので恐縮ですが・・

以前から 整形外科領域では 捻挫や打撲時にRICE処置が提唱されておりますが、血流や 温熱によるヒートショックプロテインの働きを考えると この RICE処置がはたして良いのか それとも 受傷後の ある時のみは RICE処置がおすすめなのか はたまた むしろ温熱的加療がおすすめなのか 正直迷っております

プロスポーツ選手が アイシングしている姿が TVの画面を通して報道されますと それが スタンダードなケアにも思えてしましますが

うちに5歳の男の子など 頭を打った時に
食用オイルを塗るだけで 腫れもせず 綺麗に治ったという経験が何度かあり アイシングが本当に良いのか迷う毎日です

今の医学では ことさら冷やしたり 解熱するような考えが主流です インフルエンザにおけるタミフルなど 低体温を来し かえって体調が悪くなる方も多いです RICE療法も含め 今の医学の方向性が間違っているような印象を受けておりますが 今村先生のお考えをお教えいただければ幸いです

2014/07/19 (土) 10:54:32 | URL | 青山浩一 #qRmdpLMM [ 編集 ]

ここんとこ天気が不安定っす

桑さん、このあいだスタートレックにひっかけて、ホモサピエンスの進化についてコメしたんだけど、FC2がメンテ中で俺のコメはアップされず。

で、スタートレック的な世界観をもつためにも、まずは生命観をパラダイムシフトしなければイカン!

ということで、ここんとこ免疫&癌の集中講義とあいなってます。

ほんと自分もお腹いっぱいな毎日だけど、糖質制限はしてません(笑)



青山先生、本記事に「コメント欄への返信」と題して、RICE処置他に関する返事を書かせて頂きました。よろしくお願い申しあげます。

2014/07/20 (日) 13:35:48 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

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