ジャンピング ボール 19

こんにち細胞生理学においては常識となっている

「細胞膜に存在し、細胞外からの物質や情報を受容し、細胞生理を円滑に機能させる装置であるタンパク分子でできた受容体(レセプター)」

の概念をはじめて提唱したのはドイツの生化学者パウル・エールリッヒであり、レセプターの本質を

「生体は結合がなければ不活性である」

とエールリッヒは喝破している。

つまりヒトという存在が内外環境を認知し、その変動に適応できてホメオスタシス(恒常性)を維持できるのは実はひとえに細胞膜レセプターがあるお陰なのであり、

様々な養生法や栄養法などのあらゆる健康法も言ってみれば、いかにして細胞膜レセプターを刺激し、体内に新たなリガンド(信号分子)を分泌させ、

ホメオスタシスに揺さぶりをかけて、「ゆらぎ」をもたらして、振り子の揺れを促進できるかという事が目的なのであり、

早い話しが養生術のキモとは、「時の生理状態を維持するための適切な情報や物質をうまい具合に細胞膜レセプターにはめ込むこと」、と言えるのだ。

わたしは鍼灸師という仕事柄、ひとさまの身体を常に触っているのだが健康な肉体というものは絶対に柔らかいということが言える。

そして柔らかいということはもちろん筋肉が柔らかいことを意味しているのだが、それは恐らくは筋肉を含む全細胞の細胞膜が柔らかいということであり、細胞膜が柔らかいということは

つまりは細胞膜レセプターがピンシャンとしているということではないかと感じている。

鍼灸指圧術とはエールリッヒの言葉を借りれば、圧力、痛み、熱などの物理的、化学的な刺激を生体に「結合」させて、細胞膜レセプターを刺激し生体を「活性化」する術と言えるのであり、

指圧や鍼による圧力は一酸化窒素という情報伝達物質を産生しその受容体を刺激し、指圧や鍼の痛みはβエンドルフィンやサブスタンスPというホルモンを産生しそのレセプターを活性化し、

灸の熱の43℃から52℃付近の温度帯は細胞膜レセプターの温度受容体トリップ(TRP)チャネルのTRPV1やTRPV2やTRPM2を刺激し、

TRPM2は脳や膵臓や免疫細胞のマクロファージの細胞膜に装備された温度センサーであるので

灸治療によって脳細胞が活性化し、膵臓のインシュリン分泌能力が高まり、免疫細胞のマクロファージが元気になり、

結果として認知症と糖尿病と免疫疾患が灸治療により未然に予防でき治療できると言えるのです。

中国ではそれほど発展しなかった灸治療ですが、ここ日本においては江戸期において灸治療は洗練されごく当たり前の日常の手の内の養生医療として、

普通に長屋のハチ公やクマ公が「おい、三里に灸でも据えるか?」なんて会話をしながら素人が灸をするまで身近な医療となり、

それにより江戸期の人々の脳や膵臓や免疫細胞の細胞膜レセプターTRPチャネルが開くことで「生体は結合があって活性である」の江戸庶民があふれ、

それゆえに病院などない時代にあっても人々は身体自治な健やかな身心を養えたのです。

「百病は一気の留滞により生じる」とは漢方医、後藤艮山の言葉であるが、一気の留滞(いっきのるたい)とは細胞膜レセプターの不活性、

「レセプターが暇(ひま)になっちまって、やることがないぜ、まったく!」、を意味すると解釈できてくる。

とにかくね、なんでもいいから刺激してないと身体ってのはバカになっちまう。

そのバカになる場所ってのがつまりは細胞膜レセプターってことなんだわな。

さてさて、細胞膜レセプターにピントを当てた養生法の講義なんざ、ここでしか読めないから、まあちっと難しく感じるかもしれませんが、よく読みこんでたも。

ほれ、前記事でも言ったけど、色んな味を楽しむ、なんてのがこれひとつの知恵でね、

腸管上皮のセンサー細胞のレセプターってのはたくさんあって、受け持つ物質がそれぞれ違うから、そのそれぞれを刺激するくらい多様な物質を摂取して、

そのセンサー細胞のレセプターを刺激してあげることがとても大事ってことなの。

腸管上皮のセンサー細胞の細胞膜レセプターってのは使わないとドンドンとなまくらになってしまって、例えば食べ物をちゃんと口から食べないと腸管上皮ってのはだんだん剥離してスゲエ薄くなってしまうんだって。

これがいい例でさ、ようは養生ってのは生体を活性化するってことなんだから、常に色んな情報や物質で全細胞60兆個の細胞膜レセプターを刺激して「使ってあげる」ってのが一番のキモなんだな。

ではでは、本ブログ愛読者の200余名の皆々さまにおかれましては、

本日も刺激多きヴィヴィッドな活性化された日でありますよう、

お祈りしております。

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2014.06.21 | | コメント(1) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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参考資料

http://www.nttcom.co.jp/comzine/no032/wise/index.html

こちら ↑ 故・藤田恒夫博士の名著「腸は考える」岩波新書もたいへんに面白いです。

小腸のパラニューロン細胞である基底果粒細胞に全細胞の基本スタイルがあると私はみています。

細胞は自身の細胞膜で感じ考え判断している。

2014/06/22 (日) 00:58:14 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

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