ファイティング スピリット 3

「ウマの歯が何本あるかということを中世の学者はたびたび激論の的としたが、その一人でも実際にウマの口をのぞいてみることがなかった」              動物学者ヘルトヴィヒ(1850〜1937)

中世欧州の学問は、まあこんなもんだったようだね。教会が主権を握り学問は停滞した。だからこそその後になってルネッサンス(文芸復興)が興り、やがて科学が発展していったわけだね。ガリレオやコペルニクスも学問の暗黒時代だったから、火あぶりに遭ったのだろう。

さて、東洋医学の根幹理念である気(き)や経絡(けいらく)や壺(つぼ)なるものの実体があるのか、ないのか?という言わば経絡論争というものが戦後から今にいたるまで延々と繰り広げられてきており、

いまだ気の何たるか?は確定せず、経絡なる気の環流するルートを探してもそれは厳密には皮膚上に見つからず、ツボだの何だのと言っても、よくよく目を凝らしたところで、やっぱりそんなツボらしいものも見あたらない。

つまりウマの歯の本数どころか、歯すら無いのだから、それじゃあいったい、わたしたちはそんな夢幻(ゆめまぼろし)のような気・経絡概念を使用してここ2000年来、東洋医学を行ってきてしまったのだろうか?

いや、はっきり言わせて頂けば、まさにその通り。東洋医学は夢幻を追ってここまで来たのである。

ただね、言わせていただければ、つまり気や経絡やツボという概念はあくまで2000年前の中医たちがこしらえたものであり、それ自体は別に何も夢幻ではなく、それはそれで素晴らしい彼ら独自の身体観なわけで。

かれらが実際に感得したイノチ観を文字を使って表現するのなら、気や経絡やツボという言葉を使うのが最適だったからそうしたまで。

だから夢幻の如き概念を使用する医療だからといって、そのすべてが夢幻というわけではない。

ようは科学的な観測指標にひっかからない生命力を直接扱う医療こそが東洋医学ということなのであり、その生命力の実感を表現するのには気という用語が曖昧でファジーでとりつく島がなくて実に好都合ということであり、

経絡と言っておけばとりあえずはヒトを煙にまけるし、あるツボがある特定の症状を治す、なるマンネリモティーフを使用すれば、実は誰でもツボ本の一冊くらい書けちゃうほどにツボって便利なシロモノだよね。

まあ、こういったわけで、曖昧模糊とした東洋医学は曖昧模糊としているからこそ味があって良いとも言えるんだけど、アタシはね、もうこういう曖昧ミーな感じには飽き飽きしてて、相変わらずにツボ本がチマタの本屋さんの店頭に並んでいると、つい、「チッ」と口走ってしまうほどにひねくれてきております。

このツボを使ってどうのこうのっていうけどさ、本当にそんなこと心の底から思ってその著者は書いているのでしょうか?

どっかの古典のツボ本に書いてあったツボの主治症(しゅちしょう)をコピペしてるだけとちゃうの?

それでさ、そうやってツボの効能を教えてあげても、そんじゃあ、いったいどうやって、そのツボを使ったらいいのか?

それが普通は素人さんではわからないんだよね。だから例えばどうやって押せばいいのか?そこをちゃんと教えてるかい?

いやいや、だけどね、ツボを使って治療するとか何とかって、そんな単純な問題とちゃうで!

俺の体感だとね、治療というものはこちらの生命力のリズムと患者さんの生命力のリズムが同期する、つまり脳波同調現象がおこった時に、何らかの生理現象の変化が目に見えて起こるわけで、

それは皮膚上に現れるミミズが動いてでもいるかの如き動きであったり、眠っている患者さんの指が妙に跳ねたり、押している部分にビッグウェーブがおこり、その波濤が全身に波及していく様であったり、

ようはこういう一連の生理現象が起こるのが鍼灸指圧治療というセッションなのであり、それは毎回毎回まったく違ったジャズセッションなわけで、

まったくこうした崇高な治療儀式の最中の出来事など頓着無い素人さんにツボが扱えるわけがなかろうにね。

よくもまあイケシャアシャアとツボ本がこうして日々、量産されるもんだと、まあアタシみたいなヒネクレモンは思うわけです。

いいっすか?ツボ本なんか書いていたら、永遠に東洋医学は素人さんになめられ続けますよ。

だいたい誰でもツボ治療が出来れば資格なんか要らないでしょ?

プロにしかできない事だから価値があるわけ。

たとえツボの位置がイラストでわかってもね、活きたツボまでは素人さんには捉えられない。

ツボも生き物なんです。常に変化するのが生命というもの。また変化しないために変化し続けるということも生命の真理。

まっ、ツボだの何だのって言ってもね、はっきり言って、素人と玄人ではその認識には月とスッポンほどの差があるのです。

ねっ、こういう話しってはじめて聞いたでしょ?

つうことで、俺の体感をもとに語る東洋医学ファイティング講義といきまっせ!

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2014.04.12 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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