ルーツ ⑥

現代文明に根本的に欠けているものは、生命に対する敬意だと思う。

もしも、この自分の命だけでなく、地球に棲むバクテリア(原核生物)、アーキア(古細菌)、ユーカリア(真核生物)のすべての種族が、奇跡の星「地球」に38億年前に誕生した地球最初の生命体コモノートの末裔であると知れば、すべての生き物が愛おしくてしょうがなくなるはずなのだが。

その地球最初の生命体が無酸素、低温の地球や、マイナス40℃に地球全土が覆われた時代や、酸素が急上昇して酸化毒で死滅しかけた時期を経て、単細胞から多細胞化を果たし、海綿動物のような動きの少ないエディアカラ生物が、5億4100万年前のカンブリア爆発をきっかけに一気に能動的な生き物に変わり、盛んに動き回り毒でしかなかった酸素をエネルギー源としATPを生み出すミトコンドリアを味方に付け、やがて2センチ長の原始魚類が1メートル余まで大きく進化し、ヒレに四肢の原器である肉と骨が付着して後に、ついにデボン紀後期に陸上へと進出を果たすと、恐竜の獣脚類の代表はティラノサウルスだが彼らの二足歩行やその子孫の鳥類のダチョウなどを除けば、二足で直立できる種族は340万年前のアファール猿人まで出現しなかった。

人類は二足で直立し、二足で歩行できるというとてつもない革命的な身体操作法を獲得したが、重力負荷は四つ足時代の比ではなく、否応なく身体を直立させていれば脊柱間の椎間板が圧迫され加齢により脊柱管狭窄症が勃発し、腰痛は人類の宿痾と化し、肩甲骨と鎖骨で上肢を吊り上げる肩関節には常に腕の重さ3〜5キロが負荷され、肩こりもまた人類の宿命的な疾患となっている。

「筋骨格系の歪みが万病のもとである」と喝破したのは、東北の医師である故・橋本敬三氏その人であるが、彼は民間の治療師や、鍼灸師などに頭を下げて治術の奥義を教わり、ついに人体の秘密のベールの一端を開示することに成功した。

四つ足が二足になったことは、手の自由を生みだし、その手を使う作業が大脳を活性化し、それゆえにやがて人類だけが文明を築くことができたのだが、文明の利器は両刃の剣であることは、いまや放射性同位元素の拡散によって、人類60億余人のすべてが知る事態となりつつある。

手の内の文化文明を離れた巨大プラントなど、やはり文字通りヒトの手には負えないのだ。

クラフトやアートな文明をもう一度取り戻すにはどうしたらいいのか?

それはまずは、じっと手を見ることからはじめるのがいいのではなかろうか。

じっと手を見なさい、とショーヴェ洞窟壁画の手形が叫んでいるような気がするのは私だけだろうか。

しっかりと四つ足の平で地球表面と接触していた頃は、それほど傲慢になることもなかったが、骨を武器にできると知り、手が地から離れたあたりから、どうも様子がおかしくなったのだろうか。

映画「2001年 宇宙の旅」の冒頭シーン「人類の夜明け」のあの象徴的なシーンが想起される。

高らかな「ツァラトゥストラはかく語りき」のファンファーレで、次世代の子供たちの鼓膜を振るわせる役目をわたしたち大人は負っている。

人類の負の遺産をすべて解毒し、現代文明の歪んだ筋骨格系を補正し、命を守る事を最優先にした文明をスタートさせねばならない。

次世紀の文明のルーツは、養生法の探求からである。

スポンサーサイト

2014.03.17 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

kouhakudou

Author:kouhakudou
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR