ルーツ

「余の祖は聶久吾先生の教えを承け、種痘箕裘、すでに数代を経りぬ」
(『種痘新書』張琰・撰 清時代1741年)

この文言は、

「よのそはジョウキュウゴせんせいのおしえをうけ、しゅとうききゅう、すでにすうだいをへりぬ」と読み下せて、

意味は

「天然痘ウイルスの感染によって罹患する疾患が天然痘であり、かつて18世紀まで、世界中で猛威を振るっていたウイルス性疾患が天然痘であり、このウイルスは気道分泌物の飛沫感染でヒトからヒトへと伝播するほかに、水疱やカサブタとの直接接触でも感染し、この天然痘ウイルスに感染すると、頭痛や発熱、腰痛が起こり、その後に発疹が現れて、発疹は大きく水疱化して瘡(かさ)になり、やがて呼吸器の細胞内にまで天然痘ウイルスが侵蝕すると重篤な呼吸不全が起こり死に至る、ほど恐ろしいのが痘瘡(とうそう)や疱瘡(ほうそう)とも呼ばれる天然痘というウイルス性疾患であるが、

私の祖先は聶久吾先生から天然痘をあらかじめ防ぐための方法、つまりは、ヒトではないが牛に感染する牛痘ウイルスに感染した牛の世話などをしていて、うっかりそのウシから牛痘ウイルスに感染してしまった牛飼いが、その後になってヒトに感染する天然痘ウイルスに感染して天然痘になった場合に症状が軽く死ぬことはないことを知ったイギリスの医師ジェンナーが、1796年になってようやく開発に成功し天然痘ウイルスの撲滅に成功したあの牛痘ウイルスを含むウシの膿(うみ)をヒトに接種する種痘接種法、牛痘ウイルスはワクシニアウイルスと呼び、この言葉がワクチンの語源であるのだが、ようは現代で言う天然痘ワクチン療法を聶久吾先生から教えてもらい、すでに種痘箕裘(しゅとうききゅう)つまり、すでに数代に渡ってウチらの祖先がこの天然痘ワクチン療法で人々を救ってきたのだ」

となりましょう。

世界保険機構(WHO)が天然痘の根絶を宣言したのが1980年。

そのグローバルな世界宣言をさかのぼる239年前に書かれた『種痘新書』という中医学の書物の言葉が冒頭の言。

私たちはいったいこの事実から何を学ぶのか?

近代化された後の日本において、いつも文化文物は西洋からもたらされるものと洗脳されてきた。

明治維新をいまだに文明開化と思いこんでいるお目出度い日本人がいまの時代にどのくらいいるのか?は知るよしもないが、明治以前にも日本には世界に誇る文明があったのは、ほんの少しの想像力を働かせればわかることであり、いや、明治以前のほうがよほど質の高い文明が日本に栄えていたことは、それなりの書物に触れれば簡単に理解できてくる。

明治16年(西暦1883年)頃を境に、日本の医療制度は大幅に改悪され、西洋医学を学んだ者のみが医師と標榜できるとする法律の整備をもって、西暦450年頃に渡来して以降1500年間、わが国の民の身心を、はぐくみ救い看取ってきた日本鍼灸、日本漢方、日本按摩、日本指圧は、医療の埒外であるパラメディカルの領域へと堕落させられ、今に至る。

明治維新の医療制度改悪の後の130年間の日本医学界の迷走は、年々かさみ今や年間医療費が40兆円にも迫る事実をもって推して知るべしであろう。

自治的な医療が剥奪され、「知らしむべからずよらしむべし」の他力本願な専門家依存の市場原理主義マーケティング医療の席巻によって、日本に伝承された「自分のからだは自分でまもる」養生(ようじょう、ようせい)の文化も枯渇して久しい。

巷間イメージされる鍼灸指圧とは「胡散臭い医療」であるそうだ。

私たちの祖先は確実に労苦で生じた筋肉痛を鍼治療で取り除き、酒の飲み過ぎで患った肝障害を漢方薬で治し、逆子は「逆子返しの鍼灸」で正位に復し、難産は「難産の鍼灸」で安産となり、松尾芭蕉は奥の細道へと向かう前にあらかじめ足の三里に灸を据えてヒートショックプロテインによるアダプティブサイトプロテクション(適応的細胞保護)なボディへと変身し、江戸からのお伊勢参りの道中で旅人たちは、そこかしこの旅籠(はたご)に常駐する按摩(あんま)の手に揉みしだかれて疲れを癒し、「てはふるう あしはよろける ははぬける みみはきこえず めはうとくなる」老人となっても寿命が尽くるまでは、鍼灸指圧、漢方薬で看取られて健やかな大往生を遂げたのである。

日本民族を愛しその身心を治療し続けた日本の東洋医学は、現代においてほとんどの日本人からソッポを向かれ、ツバを吐きかけられる存在に成り果てている。

愛がないよね、いまの日本人って!

明治以前の自分たち祖先が、中国、韓国を経由して伝来しその後わが国で洗練された日本の鍼灸指圧治療でどれだけ救われてきたのか?

いままでまったくそんな事、思いもよらなかったでしょ?

でもね、俺たち祖先は、ずっと日本の東洋医学で救われ、癒されてきたの。

もっと足元を見ようよ!

ルーツと題し、思いの丈を打ち込みます。

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2014.03.11 | | コメント(5) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

コメント

私は20代から針に通ってました。
悪いのは顔と根性だけですが、我が家は成人病の宝庫の家系でして
未病目指して行ってたんです。
おかげ様で、病気は持ちませんね。1月も、座骨神経痛の症状が出て
しつこく右足が痺れてましたが、針と温泉と運動で治してやりました。
年間78万円の健康保険料は高いです。
何回針に行けますのん!

2014/03/11 (火) 11:29:13 | URL | 大阪のおばちゃん #- [ 編集 ]

先生、こんにちは。おととい、たまたま夫と話していたんですよ「東洋医学畏るべし!」ってね。
私たちも長年、坐骨神経痛に悩まされてきたのですが、私は2回の鍼治療で全く痛みがなくなり、夫は今も
通院してますが今までの痛みがウソのようになくなってきてます。30年位前に受けた鍼治療で懲りていたみたいなんだけど、私の状態を見て今回行く気になり、その気持ちよさにハマってます。
ホントはハリィ~今村のところに行きたいんですが、ちと遠い。。。家の近所でも良い治療院をみつけたので、しばらくここに通います。でも、いざって時はよろしくね、ハリィ~先生(笑)

でもね、進路を決める17~18歳で既に東洋医学の深さに気づいてその道に進むって凄いよ~!!!
かなりしっかり歴史を学んでこられたんですね。(それ以外もってわかりますが。。。)私なんて、詰め込み教育に何の疑問も持たなかった羊ちゃんなんだよね~~
私が小学生の頃、何か考え事してたり、何かをじっと見つめていたりすると母から「ぼーっとしてるんじゃない!」と、よく怒られていたんですよ(笑)毎日、山のように宿題がでて、それをこなすだけで
精一杯。やっていかないと先生からも親からも怒られてさ、学ぶ楽しさなんて知らなかったな。。。
私は特に素直でいい子だったから、完全に洗脳されていったんですよ。。。あああ。。。
暗記数学に暗記英語、暗記歴史。暗記は得意だよ(笑)

というわけで、東洋医学は凄い!っていう話からかなり脱線でした。

2014/03/11 (火) 12:28:04 | URL | かおちゃん #tJwXaRLI [ 編集 ]

ここ、鍼フリーク御用達掲示板ですか?(笑)

アタシの治療費は今1時間4000円で、45分3000円、30分2000円、15分1000円で、1時間半が6000円で、2時間8000円。

ねっ、美容院なんかと比べりゃあ安いもんでしょ?

年間80万の健康保険料を同じく鍼灸治療に使うのなら、1年で200回まではいかないけど、それくらいは行ける。

ひと月に10回×4000円=4万円×12ヵ月=48万円。

まあ月に1回1時間の治療だとしても、年間たった4万8000円。

それで病気にならずに、一生健康でいられりゃあ安い!はずなんだけどね。

でも、みんな高額健保料を支払ってるから、医者に行かないと損でもすると思うみたいね。

医者も鍼灸も使いようでさ、どっちもうまく利用するのが一番賢いんとちゃうかいな。

まあ、どっちも利用しない養生法の探求なんて方法もあるけどね(笑)

かおちゃん、小学6年の担任は、色紙に「光臣にしかないその光る独創性を華開かせよ!」みたいな文言を書いてくれたけど、高校卒業時はモラトリアムな無気力青年の典型っつうか、元祖しらけ世代と呼ばれる層でね、鍼灸の道に進んだのは、天啓というか、まあ先天の気のお導きだったのでしょうね。

基本、あんまり勉強はしなかったクチです(笑)暗記は自分も得意〜かどうか微妙(笑)

それよか、好き勝手に想像力を駆使して、細胞宇宙や気宇宙を旅するのがエエね。

なんとかここまで踏ん張って続けてきて良かったです。

その甲斐あって、かおちゃんや、大阪のおばちゃんとも、こうして交流できるわけだから。

200余名のフォロワーのみなさん、是非、ご近所で相性の合うイイ鍼灸院を見つけて、鍼灸師と親しくなって、養生の秘訣を聞いて、みなさんの自力養生法を補強してください。

日本の東洋医学が復興するのは、今からでしょー!

あっ、本日はすでにこんな時間ですので、記事更新は残念ながら無しっす。

200余名のみんな、メンゴね(笑)

2014/03/12 (水) 06:21:49 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

老羊 海を渡る

こんにちは
すっかり飼いならされて洗脳が解けるまでにん十年かかってしまったくしゃくしゃ羊一匹。

今村先生お久しぶりです。
家を引き払いわずかな蓄えを食いつぶしつつこれから中国語学習に挑むことになりました。はてさて来年の今頃、いったいどんな状況に包囲されているのかトホホな冒険に踏み出しちゃいました。(漢文 高校のとき大っ嫌いだったんですが、今や冒頭の種痘のくだり、辞書を手に興味津々気味)

いま数日間母んちに居候して(ちょと肩身狭い)最終事務処理中なのですが、ほぼ1か月ほど新生活準備に台湾に行ってきたのでご報告です。

まだ表面的な観察でしかありませんが
台湾の図書館や本屋さんに行くと、目立つ場所に養生法や養生食、漢方薬、中医に関する書籍が豊富に並んでいます。

また、たとえばデパートのフードコートにも薬膳料理を扱うところが入っていますし、いちばん、おおっと思ったのが、按摩やさん。

街中にたくさん、お店があります。もちろん観光客目当てのちょっとゴージャスなマッサージ店も多いのですが、地元の人たちが通っているお店が辻々に何軒もあります。そういうところだと外から店内が見せ、椅子にさまざまに座ったお客さんが施療士さんたちにほぐされて行かれるのが見れます。

台北駅地下街だとかには何もないフロアに椅子が並んでいて歩いている横でみなさんほぐしてもらっていてわたしなどは今村先生の薫陶を受けていますので興味津々で見せてもらってます。

もちろん国民健康保険制度もあり、さまざまなタイプの医療機関もありますが、わたしのような流れ者の住む町場の人たちには、国に守ってもらえるなどという幻想は無縁なのでしょうか、もっと自発的な身体ケアをされているのではと、ひそかに敬意を抱きつつ観察をさせてもらってきました。

あさってから本格的に移民生活が始まりますが、久しぶりにこちらを訪れて一方的な近況報告をさせていただきました。先生、みなさん、いつもありがとうございます。これからも拝見し続けます!

2014/03/13 (木) 17:42:07 | URL | マツダマツコ #- [ 編集 ]

中医学圏内

えっ、マツダさん、日本脱出計画を遂行中?

いやはや、それもよしかもしれませんね。

台湾は親日国家とも聞きますし、最近も10万人規模の原発ノーデモを行ってますしね。

そうですか、按摩が身近に存在する風景ですか。

日本からはすでにそんな景色が消えて久しく、かわりに妙なリラク産業が全盛ですね。

それもこれも、わたしたち鍼灸按摩業界の啓蒙不足のなせるわざで、自業自得なのかもしれません。

按摩業の堕落は江戸期にすでに見られ、それに対抗する形で医療按摩の復興として、なにわの漢方医・太田晋斎「按腹図解」などが著されていった経緯があって、指圧は日本独自の手技で、按摩ももちろん医療価値が非常に高いのですが、西欧至上主義とで言いますか、白人コンプレックスなのか、横文字大好きな現生日本人には、マッサージとかリラクゼーションとかアロマなんちゃら、の方がしっくり来るようで、按摩なんてお言葉もずいぶんとホコリにまみれてしまいました。

でも、私は按摩という言葉が大好きだし、前は按摩屋とか言われると小馬鹿にされてると思ったけど、今は、按摩屋ジョートー!です。

マツダさん、これからも、ちょいとひねったネタ満載でいきますさかいに、ご贔屓、ご交流のほどお願い申しあげます。

新生活ショックプロテインに幸あれ!

2014/03/14 (金) 04:43:38 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

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