エンタングル ⑫

NK細胞の実力に開眼して、ネバネバヒートな養生法が、世界中のみなさまの健康増進に寄与する確信を得ることができて、書いている本人がいちばん喜んでいたりします。

さて、気問答の途中ですが、少し、横道に逸れてというか、ずっと気になっていた案件に光明が射し込んできたので、そのへんに言及しておきます。

「なぜ体温が上昇すると、ヒートショックプロテインが分泌され、免疫細胞が活性化するのか?」

このことがずっと頭にひっかかっておりました。それで、よくよく考えてみれば実に簡単な理屈だったと腑に落ちたわけです。

地球に生命が誕生したのは今から38億年前と言われておりますが、生命誕生時にまずどんな分子が合成されて、どんな風に原始生命体風にパッケージされたのか?はまだ諸説が混交しております。

そうではありますが、どうも生命誕生時の場所には、海底熱水噴出孔の100℃〜400℃のかなりの高温か、あるいは体内中心温度37℃〜42℃ぐらいの温泉の湯だまりの温度があったのではと言われています。

生命を特徴づけるものは「自己複製」と「代謝」であり、特に代謝に必須な物質がタンパク質酵素です。

しかし、タンパク質は熱に弱い性質があり、高熱であれば熱変性して、タンパク質の構造は変性し、凝集してしまいます。

それこそ温泉であれば、温泉タマゴならぬ、温泉タンパク質ができてしまいます。

そこで、いかな高温でもタンパク分子を変性させないスーパータンパク質が登場します。

そう我らがヒートショックプロテイン!

ヒートショックプロテインさえあれば、いくら高温でタンパク分子が熱変性しようとも、即座に修復機序が発動してタンパク分子は元通りに正常な代謝を取り戻します。

恐らくは最初の最初、原初の疑似生命物質として誕生したのがヒートショックプロテインであったと、私は仮説を立てています。

さて、ヒトは60兆個の細胞が高次構造を維持しています。

その60兆個の細胞の中には常時80億個のタンパク分子がひしめきあっており、数十秒で数万個のタンパク分子がそこで新たに生まれ、また同じ数のタンパク分子が生を終えてアミノ酸に分解されるという、まことに豊穣なるタンパク分子の激動のさまが細胞内では瞬間瞬間に展開しているのです。

このタンパク分子によって営まれるヒト生命体の生理にとって、脅威となるものは、タンパク分子を変性させるストレッサーです。

その代表が熱ストレスであり、それ以外では紫外線、放射線、寒冷刺激、活性酸素、重金属、化学物質、ウイルス、病原菌、などであり、これら化学的、物理的なストレッサーだけでなく、精神的なストレス要因もタンパク分子を変性させるストレッサーになると言います。

これらすべてのストレッサーによって、例え細胞内タンパク分子が傷ついても、ヒートショックプロテインが分泌されることで、タンパク分子が修復されることは、既によくご理解頂けています。

つまり「体温が上昇する」という機序は、タンパク分子にとっては第一のストレス要因なのであり、それに応じてヒートショックプロテイン分泌が促進されるのは、生命史38億年の条件反射みたいなものであるということなのです。

そして、ヒートショックプロテインが分泌されたということは、身体がストレッサーに曝されているという信号であり、ストレッサーの中には当然のこと、外来性の異物の侵入なども織り込み済みなことであり、もしもウイルスや病原菌であった場合に備えて、これまた自動的に条件反射のように免疫細胞が活性化するのです。

体温上昇というスイッチは、タンパク分子を修復するスイッチを押して、免疫細胞を活性化するスイッチも押す。

ヒト体内には、「ヒートショックプロテイン分泌→免疫細胞の活性化」という回路がすでに強い絆で形成されているというわけです。

ということで、「ヒートショックプロテインを自由に操れば、NK細胞を活性化し、癌を制する」は至極あたりまえな現象と得心いたしました。

というわけで、繰り返しになりますが、

「ヒートショックプロテインが分泌されると、免疫細胞はウイルスや病原菌が侵入したと思い活性化する」

これが、本記事の要点でした。

生命は、免疫は、ヒートショックプロテインを中心に回っている。

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2014.03.02 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

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