ネバネバギブアップ
ガン細胞は慢性炎症を引き起こすサイトカインやリガンドを分泌しながら増殖するが、ガン細胞の増殖や転移を促す炎症転写因子タンパク質のNF‐kBの働きをヒートショックプロテインは抑制する。
この事からヒートショックプロテイン、とくにHSP70に炎症を治療防止する効果があると見込まれている。
ガン細胞は自分の目印である抗原を細胞内部に提示しているので、通常は免疫細胞のT細胞がガン細胞を認識する事はむずかしい。
しかし、ヒートショックプロテインのHSP70やHSP90は、ガン抗原となる目印である小さなアミノ酸がつながったラベルであるペプチドが、MHC(主要組織適合性遺伝子複合体)という細胞膜表面へと立てる看板のような目印タンパク質と結合して、細胞表面へ「お〜い、免疫細胞の旦那方、これ見てみ、おいらが、ガン細胞だぜい!」と書いた札を提示するのを助ける。
この「アタシ、ガン細胞やってます」と書かれた札を立てる率は、ヒートショックプロテインによって10倍にも上昇する。
またアポトーシス(プログラム細胞死)したガン細胞を樹状細胞が食べて、「ガン細胞をやってた細胞をオイラが食べたんだわさ」と抗原提示するケースもある。
この樹状細胞がガン細胞を食べる時に、一緒にヒートショックプロテインも食べると、ガン抗原提示の効率が飛躍的にアップする。
ガン細胞は「敵ではなく味方であり仲間」なのでHSP90に守られてもいるが、このようなメカニズムでヒートショックプロテインはガン細胞を抑制し、免疫細胞であるT細胞やNK細胞やNKT細胞やマクロファージや樹状細胞らによって貪食されて、ガンの自然消滅が日常的に起こっていると予想できる。
余命半年の末期の癌と宣告されて、やけになり、残り半年間のあいだノンビリと温泉に毎日浸かって過ごしたら、半年経ってすべてのガンが消えてしまったという事実。
このガンの自然治癒の過程で起こった体内の変化とは、体温を数度上げる温泉に浸かるという熱ストレスに対応するストレス反応により、「DNA→RNA→ヒートショックプロテイン」が発動し、体内のヒートショックプロテイン濃度が増した事で、ガン細胞の抗原提示能力がアップし、盛んにT細胞に認識されてマクロファージらにガン細胞が貪食された結果、すべてのガン細胞が消えてしまったとなる。
内部被曝をはじめ、様々なストレス要因が充満する現代生活において、いかにガンを未然に防ぐかという命題は万人に課せられた切実な課題である。
だけどさ、ヒートショックプロテインのこんな素晴らしい効能を知れば勇気が湧くじゃん、違う?
元気が出てきた?
オッケー、それでイイんだよ。
私たちの60兆個の細胞には、過酷な地球環境から受けた長きストレスとの闘いの記憶がそのDNAに刻まれ、時に応じヒートショックプロテインを分泌する事で、みずからのタンパク質構造を保護するテクノロジーがすでに装備されている。
原始地球で産声をあげた地球最初の生命体である原始バクテリアとその末裔がたどった単細胞時代30億年の記憶すら、われわれのDNAの遺伝子にインプットされている。
どんな環境になろうとも強く生き抜くだけの下積み時代は十分にあるんだぜ。
そんなに弱かぁない。いや俺らの身心はほんとはモノスゴク強いんだよ。
猛毒である抗ガン剤にだって打ち勝って生き延びるヒトはけっこういるんだからさ。
あきらめないでさ、なんとか健康でいようよ。
そのための情報提供に今年も「ハリィ〜今村」は徹するからさ。
本年もどうぞよろしく!
2014.01.01 | | コメント(30) | トラックバック(0) | 命曼荼羅