身を守るポイント

哺乳類の別名を「海を孕(はら)む族(やから)」と呼ぶ。卵を産む卵生ではなく母体内の羊水中で成体のミニチュアに仕立ててから生む胎生で、かつ母親の母乳で赤ん坊を育てるのが哺乳類である人間であり、原始哺乳類では袋状のポケット内に子供を産みそこで母乳を与えて袋内で大きくするのが古生代、中生代のパンゲア大陸の南半分ゴンドワナ大陸の記憶を色濃く残すオーストラリア大地に棲まうコアラやカンガルーなどの有袋類である。魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類。われわれは清く正しい生命進化の頂点に位置しているはずだ。なのに、なぜこれほど愚かなのだろうか?

さて、巷間言われるように羊水や血液のミネラル組成がほとんど海水と同じだという定説は果たして真実だろうか?海水と血清の成分を比較した表をしげしげと眺め私はふと疑念にかられた。あれっ?随分と差がある成分がある!ナトリウムとカリウムは血清の方が多く、マグネシウムと塩素は海水の方が多く、カルシウムのみほとんど同率なのである。血清のカリウム比は海水の3倍近いし、マグネシウムにいたっては海水濃度は血清の10倍にも及ぶ。

実は原始魚類の板皮類の一部は陸水系の淡水の地層からしか化石として発見されないものがある。つまり甲冑魚などの古生代の海域で繁栄した原始魚類はこの3億6000万年前デボン紀にはすでに汽水域を昇り川を遡上し淡水湖にまで生息域を拡大していた。海水から汽水域さらに淡水へと歩ならぬエラを進める過程においては浸透圧を巧みにコントロールし、塩分やミネラルの組成が変化する外部環境と折り合いをつけたはずだ。そして陸上へと進出した。海を孕み上陸したのではなく、湖を孕み上陸したのが真実なのかもしれない。

陸にあがると酸素濃度が60倍になり、重力負荷が6倍に及び、強烈な太陽光線に曝され極度の乾燥と温度変化という環境の激変に見舞われる。水中の方がよほど安心して暮らせたはずなのに地上へと進出せざるを得なかったのっぴきならない事情があったのだろうか。恐らくは湖が干上がったか、食料が尽きたか、生きるか死ぬかの選択に迫られての事であり、DNAはその環境の変化を柔軟に受け止めて新たな器官や機能をエピジェネティックに付加してくれた。副甲状腺という内分泌器官が陸棲化により獲得される。体内のカルシウム濃度を一定に保つホルモンを分泌する機能が陸上へと進出する際に身につく。

水中にはカルシウムイオンが多く存在するのでカルシウム不足になることはないが、大気中にはカルシウムイオンは漂ってはいない。しかるに陸上ではカルシウム不足に陥ってしまう。そこで体内からカルシウムが流出しないようにカルシウム濃度を保つ役目のホルモンが作成され分泌されることになったのだ。カルシウムの主な役割は骨格形成、神経伝達、筋収縮、血液凝固と恒常性を維持する上では不可欠な作用ばかりである。いや、この機能なくしては生命を維持できないと言っても良い程に重要な役目を担っているのがカルシウムという元素である。

ヒトは海を孕んだのではなく、カルシウムを孕んで汽水から川、湖、そして陸上へと進出したと言えようか。この適応進化して奇跡的に勝ち取られたカルシウム調節器官である副甲状腺はヒトにあっては甲状腺内に存在している。原発事故によって膨大なヨウ素131が放出され甲状腺機能が破壊される過程で副甲状腺もまた被曝し損壊してしまった。原始両生類のイクチオステガに芽生えた臓器は今や瀕死の状態である。セシウム137の膨大な拡散はストロンチウム90の量と比例する。ストロンチウム90はヒト体内においてはカルシウムと置換してまぎれ込む。

骨格形成が傷害され、神経伝達がうまくいかず、筋肉運動ができなくなり、血が止まらなくなる事態が起こる危険性が高まっている。つまりホメオダイナミクスの危機なのだ。カルシウムを孕む由緒ある生命史38億年の末裔は絶滅の様相を呈しつつある。胡麻は食品中で最もカルシウムを多く含む。明日の朝はゴマ塩を造ろうかと思う。

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2013.10.22 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 内部被曝

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