わかりやすい東洋医学

気や経絡なる用語を金科玉条の如くに崇拝する東洋医学にケチをつけると、この業界の大御所たちはたぶん血圧上げて怒る。ましてこの業界に属する鍼灸師がそんな事言ったら火あぶりに遭う。それをわたしはあえてやろうとしている、いや、すでにやっているのだから大馬鹿者とそしられてもカエルの面にションベンである。さて、大いにケチをつけようじゃないか!

東洋医学には独特なフレーズというか用語が満載である。現代の医学ではないし、ましてもとはお隣の中国の言葉で構成された医学論であるから、今の人間がそのまま理解できないのは当たり前なのだが、そういう現代の事情にまったく頓着しないで、平然とこれらの用語を使用して自分達の医療を人様に納得させようとする鍼灸師なる者を私は軽蔑こそしないが、とても尊敬はできない。

気血水。これはそのまま読めばキ・ケツ・スイであるが、人体を動かすものとして東洋医学がお題目を掲げる言葉こそ気血水である。さて、この三文字のうち血と水はなんとなくわかる。例え2000年以上前の古代中国人が捉えた血と水と現代人が考える血と水が少しは違っていてもそれほどの違いはないだろう。血は血液、水は水分。このような概念で一致しているはずだ。

問題は気である。き、キ、気。この気なる用語ほど混乱を招く用語もないもんである。あるのかないのかわけがわからない概念。あると仮定すると今度はそれじゃあいったい気の実相とは何か?の探索が始まり延々とああでもない、こうでもない、という研究が行われる。すでに私なりの気がらみの不思議体験も論じているが、だからといってあれが気であると私は言っているのではない。

気という仮想エネルギーを想定すると、そこには電気や光や音波や磁気や赤外線や何らかのリズムやらが当てはまるのではないかという試論は展開できるし、気というモノはそのような様々なエネルギーの総体であると捉えてもいいのかもしれない。しかし、そもそも気という用語を設定しているから、それではこれは何なのか?という命題が浮上してしまうのだ。

熱核融合という分野があり、この技術が次世代の原子炉に転向できるとされ、毎年5000億円もの膨大な予算がつぎ込まれてきたのは知る人ぞ知る事実であるが、これも実現不可能であるが、実現できるかもしれないという期待を持たせることで成り立つ既得利権であり、この期待を持たせて一向に実現しないという利権ほど美味しい利権はないとも言える。

何だか分からないがいつかは分かる。そのために真摯な研究に打ち込む研究者はなんと偉いのか!という期待先行で実現不能な分野ってほんと飯ウマ利権だよね。

だからさ、気も一緒なの。気は何だか分からないけど、修行を積んだ鍼医にはわかるらしい。へぇ〜、それスゴイじゃん。俺そういうヒトに治療してもらいたい。

それでそういう看板しょってる治療院さんの大御所にはわんさかと患者さんが来院する。もう最初っから勝負ついてない?だってさ、プラシーボ全開じゃん!期待感をもって治療院に行く。憧れの先生に触ってもらう。脈を取られ舌を診てもらい全身を触診して頂く。もうエクスタシーじゃん。天にも昇る気分だぜ。そうこの時点でほとんど治療は成立してるの。診察中にすでに患者さんの身体中に治癒物質がわんさか分泌されてる。ねっ、だから後釜の治療院なんてさ、分が悪いのよ。無名ならなおさら。

だけど俺はわざわざ名を売って姑息な手段を使う予定はない(笑)来てくれた患者さんの信頼だけでやっていく。プラシーボは0だけどね(笑)

人間の皮膚にはランゲルハンス細胞という外敵が侵入した場合にそれをつかまえて飲み込んで消化してその消化産物の一部を抗原として提示し、適応免疫で活躍するT細胞に「変なのが侵入したよ!」と知らせる免疫細胞がある。このランゲルハンス細胞は病原菌や病原ウイルスや紫外線や放射線や温熱や冷気や圧力に対応したレセプター(受容体)を持ち、皮膚という外界との境界において最前線で免疫を司っている。

このランゲルハンス細胞の仲間には樹状細胞グループがあり、呼吸によって外気と触れあう肺胞に棲まう肺胞マクロファージ、腸内にあって食餌由来の病原菌と最初に闘う場所に棲む小腸パイエル板M細胞、腸壁から送られてくる新生血液に含まれる病原菌を捕食する肝臓のクッパー細胞、脳神経細胞をパトロールし変性タンパク質を掃除するミクログリア、脾臓やリンパ節や全身のリンパ管や血管で外敵やガン細胞やアポトーシスされた古い細胞や老化した赤血球などを捕食するマクロファージなどがこの樹状細胞グループの一員である。

皮膚のランゲルハンス細胞が外部からのシグナル(信号)をその細胞膜のタンパク質で出来たレセプターで受け取ると、ランゲルハンス細胞は細胞膜の糖鎖で抗原提示を行うか、あるいはサイトカインというリガンド(信号分子)を血液中に放ち、全身に外部からの刺激受容を伝達する。

つまり、鍼灸指圧による刺激、熱、圧力もまたランゲルハンス細胞が最初に受容しその情報は全身へと波及するのである。ランゲルハンス細胞は上記の樹状細胞グループとネットワークを形成しているから、ランゲルハンス細胞が受け取った刺激は即座に全身の樹状細胞グループへと伝えられ、ビリヤードの玉がつかれると一斉に玉が散り散りに分散されていくように、リガンドが次々と樹状細胞群から分泌され体内の免疫が活性化する。

東洋医学が言うところのツボとはランゲルハンス細胞の事ではないのか?東洋医学が言うところの経絡とはランゲルハンス細胞から始まる樹状細胞ネットワークの事ではないのか?

では気とは?気とは鍼灸指圧そのものではなかろうか?いや外部からの刺激が気なのか?

現代の用語を使って、もしも、すんなりと理解できるのなら、私はそこにこそ真理があると思うのだ。

「真理とは仮説である。その仮説によって現に知られているすべての現象を説明できれば、その仮説が真理である」

この実践科学者ポアンカレの言葉を気問答で迷走する東洋医学界に捧げたい。

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2013.09.12 | | コメント(4) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

コメント

樹状細胞は制御性T細胞の恒常性をコントロールすることで多発性硬化症を寛解させる
http://www.med.keio.ac.jp/gcoe-stemcell/treatise/2012/20130213_04.html

なにやら難しそうなことが書かれていましたが、この記事に関係がありそうなのでコピペしておきます。

2013/09/12 (木) 10:42:36 | URL | さすらいの旅人 #UJ6LMiGc [ 編集 ]

ちっとムツカシイのぉ(笑)

研究論文みたいなのは何やら妙に複雑に感じますね。

私が参考にしているのは実際に樹状細胞を臨床に応用して絶大な成果を上げているという臨床医の本です。

なるほどという理に適ったガン治療でして、これなら西洋医学のガン治療として伸びていけば患者さんたちには救いとなると思っております。

ようは患者さんの樹状細胞を取りだして、2週間ほどかけて抗原提示能力を強化したタイプに培養し直して、もう一度、その強化型の樹状細胞を患者さんの身体へ戻すというやり方ですが、それ以外にも様々な援護策で対処していきます。

そのひとつがヒートショックプロテインを使う方法であるし、抗酸化物質であるビタミンCの大量投与で酸化体質を改善したりします。

実は樹状細胞は酸化型と還元型とも呼ばれる2タイプにわける事も可能で、ようは酸化型は体内がスポーツや内部被曝による毒性酸素によって酸化していると樹状細胞まで酸化されて、本来はみずからの手足である枝葉を茂らせた姿なのに、まるで枝葉を失った丸坊主の丸っこい手足のないみすぼらしい貧相なナリの細胞へと変貌してしまいます。これが酸化型の樹状細胞でこれでは抗原提示も異物の捕捉もうまくいきません。

これに対して還元型の元気な樹状細胞は十分に手足が伸びた★マークというか、アメーバに手足を付加した姿というか、千手観音の化身というか、とにかく異物の捕捉はその長い手足で完璧にこなし、消化すると抗原提示を速やかにT細胞へと伝達します。

この還元型の元気な樹状細胞が皮下において、腸粘膜において、肺胞において、肝臓において、脾臓やリンパ管やリンパ節や全身の血管内において、脳内において、つまり全身で活発に活躍していれば免疫力が高いということになります。

還元型のスーパー樹状細胞を手に入れる養生法こそが鍼灸指圧であり、食養生であり、HSPライフであるといえます。

2013/09/13 (金) 05:21:24 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

先生、こんにちは。数年前、たまたま内視鏡の仕事で2年間ご一緒した先生が、免疫細胞療法・温熱療法・自然療法・心理療法を組み合わせて治療されている方で、その時、その治療について少し教わりました。とても素晴らしい治療法だと思ったのですが、なにせその治療費が高額で「所詮、庶民には受けられない治療だ」とガッカリしたことを覚えています。
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その先生のクリニック、ますます大きくなっていってるみたいだから流行ってるんだろうな~

2013/09/13 (金) 10:32:03 | URL | かおちゃん #tJwXaRLI [ 編集 ]

鍼灸指圧こそが庶民の免疫細胞療法

かおちゃん、高額だと万人は恩恵にこうむれないね。

まあ鍼灸指圧という伝家の宝刀、日本が世界に誇る免疫賦活医療があるんだけど、メディアの周到なマインドコントロールでみんな目くらましにあって、本当に大切なものが何なのか判断力を喪失させられてるからね。

この洗脳を解く作業がとてつもなく大変。でも誰かやらないとどうしようもない。これから免疫不全でぶらぶら病に罹る者が大量に発生してしまう。

その前に対策を提言し実践してもらうのが上医たる者の使命。

そういう認識で行動してる医療者がほとんどいないのがさみしい限り。

俺は相変わらずに、ひとりアンチヌーク鍼灸師でいきまっせ!

ちょいとスポーツを叩くのが気に入ったので、続けてみます。

非国民の面目躍如(笑)

2013/09/13 (金) 20:52:56 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

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