ポパイの秘密

植物には抗酸化物質が豊富に含まれています。

人間はその抗酸化物質を含む野菜や果物を食べることで生体内に発生した過剰な活性酸素・フリーラジカルを消去することができます。

ではなぜ野菜や果物はその体内に抗酸化物質を合成するのか?

植物は地球の生物進化史の中では大先輩。

過酷な自然界の侵害刺激(放射線、紫外線、電気、圧力、熱、超音波、超低周波)などにさらされる事で植物の体内には活性酸素・フリーラジカルが大量に発生してしまう。だからその発生した活性酸素・フリーラジカルを消去する抗酸化物質であるビタミンやフィトケミカル、ポリフェノールを自前で体内に合成することで進化し生き延びてきた、と漠然と予測していました。

この予測は半丸でした。

植物が光合成を行う葉緑体には抗酸化物質であるビタミンCが大量に存在します。その存在理由を解くことから植物がビタミンを合成する理由がわかりました。

植物が葉緑体において光合成を行う過程で大量の活性酸素である過酸化水素が発生する。これを無害な水に変える抗酸化酵素がアスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)です。このアスコルビン酸ペルオキシダーゼという酵素はビタミンCがないと酵素反応ができません。非常に酸化されやすい不安定な酵素でビタミンCが共存しないとすぐに活性がなくなってしまいます。

アスコルビン酸ペルオキシダーゼは葉緑体のみならず、細胞質、ミトコンドリア、ペルオキシソームにも存在し、細胞内の活性酸素レベルを制御しています。

つまり「活性酸素を無毒化するための酵素反応を手助けするために無くてはならない物質が抗酸化物質であるビタミンC」、となります。

活性酸素を直で無毒化するのがビタミンCではなくて、その活性酸素を無毒化する酵素を安定させるのがビタミンCということになります。

少し話しが込み入ってますね。

まあ、そんなに詳しくなくても養生法に役立てば良い、という観点で話しをすすめましょう。

人間は自分で体内にビタミンCを合成できませんので、この必須であるビタミンCを食品などを通じて摂取しなければなりません。

さてこの摂取されたビタミンCは人体内のどの部位に最も多く存在するでしょうか?

実は腎臓の上にある副腎という臓器中にもっとも多く存在します。

この副腎という臓器は内分泌器官でホルモン合成を行っています。

その中でもストレス応答ホルモンと呼べる副腎髄質ホルモンであるアドレナリンの合成過程になくてはならないのがビタミンCなのです。

アドレナリンは外敵などに遭遇した危機的状況において瞬時に分泌され、心拍数や血圧を上げ、瞳孔を開き、ブドウ糖の血中濃度(血糖値)を上げます。

たとえばブルートにオリーブがさらわれそうになった時にはポパイの副腎髄質でアドレナリンが瞬時に合成されなくてはなりません。

そこでポパイはホウレン草を食べるというトンデモナイ掟破りの戦術をとったのです。

そうホウレン草は葉緑体のかたまりですからビタミンCもつまっています。

ホウレン草の缶詰をブチュと空高く押し出して口中に飲み込むとホウレン草中のビタミンCがポパイの腸管上皮から吸収されポパイの副腎に到達します。

その結果、副腎ではアミノ酸のチロシンからドーパを経て、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンへと生合成が行われます。

そのアドレナリン合成を行う酵素がドーパミンβヒドロキシラーゼでありこの酵素の活性化にビタミンCが必要なのです。

もっともビタミンCは海苔にも多く含まれています。

日本版ポパイは海苔をはハムハム食べる、なんてのはどうでしょうか。なんだか危機的状況においてはむせてしまいそうです。

でも海苔にはアミノ酸もつまっています。

明治期に入り人力車夫のスタミナに驚嘆し着目し研究した医学者にベルツ博士、クレブス博士の両名が挙がります。

そのたぐいまれなる人力車夫のスタミナの秘訣は、日の丸弁当にあったとされます。

クレブス博士による梅干し中のクエン酸の発見が後のノーベル賞へとつながります。

海苔弁当の中に梅干し1個、梅干しの入ったおむすび。

400年前に書かれた「日本西教史」においては、当時の日本人をポパイのように称賛しております。

それもそのはず、いいもの(ビタミン&アミノ酸&クエン酸)食べてたんですから、日本人は。

いやはや随分と長編になってしまいました。

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2012.04.07 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 細胞宇宙

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