第二十五章 フィッシュ

ヒゲを生やしたとぼけた顔に長いボディのちょいと憎めないアイツ。そうみんなのアイドルどじょっ子の驚異の三段式呼吸術に今わたしはゾッコンです(笑)いやあ、自然界には実に優れた呼吸法をマスターしている生き物がいるんですね。というか魚類の呼吸法が決してエラ呼吸だけに限られるのではなく、エラの表層部の薄い膜を利用したキッシンググラミーやジャイアントグラミー、キノボリウオや雷魚(台湾泥鰌、カムルチー)のエラ水中方式&エラ空気呼吸式、名古屋港水族館の暗い水槽の片隅でじっとたたずみ4億年の風格を漂わせていたオーストラリア肺魚のネオセラトダスやアフリカのコンゴ川に棲むプロトプテルスや南米のレピドシレンはエラ&肺呼吸の二段式、北米のアミアは浮き袋を使って空気呼吸も営むデュアル系、そして我らがドジョウはエラと腸と皮膚の3つの部位でちゃんと酸素を水中もしくは大気中から取りこみ、赤血球へと酸素を乗せて全身のミトコンドリアへと送りミトコンドリア内の電子伝達系を回してATPを発生させているフレキシブル三段式呼吸法またの名をトリプルロングブレス(笑)

今から3億6000年前頃に水中で棲息していた魚たちがいよいよ何らかの機転で陸上へと進出したのであるが、その前段階としてエラ呼吸から肺呼吸、正確には空気呼吸または大気呼吸もしくは地上呼吸にならなければ例え上陸できてもそこで生活する事はかなわなかった。だから広大な干潟の汽水域に取り残されたデボン紀の魚類たちには1億〜2億年の造山・造陸運動の猶予期間中にどうしても地上適応タイプの呼吸法を身につける必然性が生じていた。どうしたら地上に適応できるのか?その試行錯誤の逡巡はデボン紀の魚たちにとっては大いなるストレッサーだったのだろうか。一見すると現生のトボケタ老人顔のドジョウにはそんなストレスは微塵も感じられません。なるほど、あれぞホンモノの証でしょうね。だいたいどんな職種でもそのジャンルで秀でたホンモノは飄々としているものです。何か妙に威圧感ある野郎は大概がインチキな小物と相場が決まっています。よっしゃあ、やっぱこれからはアッシもドジョウ流でいきまっせ(笑)ってもともと全然お前は圧力なんかないからええねんよ(笑)とはいえドジョウの三段式呼吸はいかにせん出来かねます。でも、二段ならイケルでしょうね。腸に空気を入れるような呼吸法、ドジョウ式腸呼吸なら真似くらいできそうです。南洋のパプア族の皆さんの腸内細菌には空中窒素固定型の好気性バクテリアが棲みついており、食事の際に飲み込まれた空気の中の窒素を利用してエンテロバクターやクレブシュラなる細菌がタンパク質を合成しているそうですよ。私も水面に口を出して空気をパックンするドジョウを新たな師匠としてこの度は迎えたのですから、やっぱり口を大きく開けてというかキスするみたいに口を尖らせてスーッと胃内へと空気を今送りこんでみました。う〜ん、何かお腹が少し満たされた気分だね(笑)やっぱキッシンググラミーって酸素を送り合っているんじゃないかなぁ。

さて呼吸法も多用なら移動というか身体の使い方もまたサカナたちはバラエティに富んでいます。ムツゴロウは干潟の泥の上を普通に歩きますし、同じくハゼ科のトビハゼも胸ビレと尾ビレを使って地上で跳ねる事ができます。そもそもハゼの仲間は腹ビレが吸盤になっており、こと吸い付く事に関しては秀でていると言えますね。これもまた地上適応へと移行し得る機能の進化であったと見なせます。くさやの干物なら一級品のトビウオは胸ビレと腹ビレ特に胸ビレが大きく翼のように進化し、大型の捕食魚に追われると海面まで上昇し、最初は胸びれを畳んで尾びれを振ってスピードを上げていき、水面に身体が出ると同時にむなびれを拡げて、空中に浮くとヒレを一気に拡げてグライダーのように飛翔します。私は幸運にも中学3年の際に地元の水産高校の練習船に乗り伊豆大島まで一泊旅行の船旅に参加する機会を得ました。その航路の船上からよくトビウオが飛行する様を見ました。ぴゅ〜んってね。実際に実物見ると、オオーッって、けっこう感動しますよ。あと伊勢湾フェリーで伊勢神宮まで行く際にもうまくするとトビウオ飛行が目撃できます。地上適応ならぬ飛翔適応。鳥ではないが一時でも飛べる魚トビウオ。これもカッコイイじゃあないですかね。そりゃあそうとトビウオのむなびれについてはダーウィンもラマルクも言及してないのかしら?これは自然淘汰や突然変異では説明できそうもないですね。恐らくは捕食者から逃げて生き延びるために飛び続け、その飛ぶ際にむなびれを開き続けたその継続した器官使用により形態が変化したケース、つまりは獲得形質の遺伝の証左となるのではないでしょうか?まだ憶測ですがトビウオ進化論なんて一ジャンルができそうです。いやいやドジョウ進化論の方が熱がこもりそうです(笑)呼吸器どうように運動器も地上適応にならねばならなかった。その芽はすでに肉鰭類のヒレに見いだせます。しかし、いくらヒレに手足のような支えがついてもそれだけではすぐには地上で動けません。すべての体制がそっくりと地上スタイルになるのには、やはり2億年ほどの月日がかかったのです。

デボン紀の広大な干潟に足を取られてしまいました。実に気持ちいい考察の連続でした。清澄な空気、どこまでも澄んだ青い海。干潟の湖水はエメラルドグリーンに輝いていました。ようやくにして上陸する生き物が姿を現すのか?さて次回の展開やいかに!

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2013.05.24 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸創世46億年記

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