第二十章 黎明(水中から陸上へ)

今から3億5900万年前デボン紀末、地球はいまだ汚染など皆無。澄み切った大気はどこまでも清らかであり、海水はまるでクリスタルが溶けたかと思われる程の純度を誇る透明度だ。水平線はどこまでも平和。いま彼方から太陽が昇る。ご来光である。もしもこのまま3億年余、この綺麗な地球環境が維持できていれば今の人類はもっと感性が豊かで他のすべての生きとし生ける者と協調し共生し、宇宙文明に恥ずかしくない真に豊かな文明を築いていたことだろう。西欧文明という悪しき文明に陵辱された地球は今や瀕死の状態である。このまま現代文明を持続型の循環文明に転換できなくば人類は自然環境の破壊とともに滅ぶのだ。それも自業自得であろうが、他の生命体にとってはあまりにも理不尽な仕打ちである。幾ばくか他の種族だけでも助けたまわん事を宇宙倫理にこいねがう。さて、デボン紀の朝焼けは美しく、キラキラと大陸を、大地を、海を朱く染め上げた。海辺の波打ち際、激しい造山造陸運動が海底をむきだしにし、荒々しい岩場がそこかしこに林立する。その岩で形成された広大な干潟にはもとは大量の海水がプールされていたが、今はだいぶ干上がりあと少しで完全に底が顔を出す。残り少ない水分を惜しむように21世紀にはもう見られない節足動物がうごめいている。三葉虫の一種だろうか。アッ!一瞬にして目の前を黒い物体が横切りその三葉虫が消え去った。いったい何が起こったのかスグには理解できなかったが、よく凝視するとそこにはオオサンショウウオのようなシルエットが浮かび上がった。後にイクチオステガと呼ばれる両生類の祖先である。そうなのだ。この全長1メートルの勇壮な原始ドラゴンが今まさに悠々と三葉虫を食しているのである。さながらブレイクファースト、朝食である。

イクチオステガこそが地上に最初に足を付けた生き物とされる。アメリカにはこの記念すべきファーストステップが刻印された化石が発見されているという。同時多発的に地球全土で上陸は開始されたのだろうか。号令は果たして地磁気の変動か、太陽黒点の活発化か、あるいは太陽系の航路上の電気的環境の変化か、何が号令を発したのかは未知の世界であるが、ある日、この地球上で脊椎動物の第2革命「上陸劇」はスタートする。

魚が両生類になるにはヒレが足に変化しなければならない。ヒレのままではとてもではないが全体重を支えることはできないだろう。地上の6分の1しか重力がかからずに浮力のある水中での推進力としては実に有能であったヒレも地上では何の役にも立たない。地上は1Gの世界である。自重を支えるだけでも一苦労である。だから硬骨魚類の中に肉鰭類(にくきるい)という足のもとになるヒレをもつ魚類がその前段階としてすでに誕生していたのだ。海中で足の準備は整っていた。全長1.2メートルのユーステノプテロンの肉鰭の中にはすでに大腿骨、脛骨、腓骨という足を構成する骨が出来ていたのだ。なぜ前もってこれらの骨が形成されたのか?実に不思議である。

形態変化のトリガーは通常は環境によって引かれる。外部と内部の環境変化に応じて細胞核DNAの潜在アクセサリーの一部のトリガーが引かれ、しかるべき遺伝子機序にのっとり形態が変化する。それだけでなく環境に適応するために身体を同じように使い続けるとその身体の使い方というソフトが種族全体にインストールされて何万年も同じ様式で身体を使うと形態が変化して、やがて分子機構にまで変化をもたらし、生殖細胞にまでそのソフトがインストールされて遺伝するのである。ルーやウォルフの法則などが良い例である。ラマルキズムを再検証し再興しなければならない。獲得形質はどう考えても遺伝するのである。アザラシは奇形という突然変異によって生まれたのでは断じてない。長い間、浅瀬でたわむれた四足動物が徐々に足の機能を変化させヒレのように使った事から最後には足が完全にヒレと化し地上適応の哺乳類が水中適応の哺乳類へと変化したのである。突然変異種のヒレをもった生き物が突然に一斉に奇形として大量に生まれていきなりその赤ん坊を親がビックリもせずに、まともに平然と育てあげて、大きくなるとやがてズリズリと腹ばい歩きをして海辺に行っていきなり泳ぐなんて珍事が進化史におこりようがないのである。通常は自然界では奇形が生まれると親が育てあげることを拒否し死滅する。ダーウィニズムは大いなる錯誤の産物である。進化は突然変異という奇形種の誕生で進行しないし、適者生存などという適当な言葉でも説明できるものではない。適者が生存する?当たり前だろう。それは法則でも何でもない。ただ現象をなぞるだけの表現である。胃潰瘍は胃に潰瘍ができている、と同じトートロジー、同意反復の愚である。

進化は適応命理で進行するのである。おいおい(笑)もっと今風に若者言葉?で分かりやすく言えば、「ミトマックス適応」で進化は起こる。つまりミトコンドリアがその機能、働きを最大限にマックスで発揮できる方向で生物は形態を変化させ、DNAの機能もそれに合わせて変えていくのである。ミトコンドリアが増殖したから脊椎周辺の筋肉が発達した。これが脊椎動物の基本である。進化の原動力、牽引役はミトコンドリアなのである。生命史はすべてミトコンドリアいけいけ路線で進行したに決まっているのである。もう頭ごなしの決めつけである(笑)

少々、先走りしてしまいましたが、ユーステノプテロンの肉鰭に足の長管骨がすでに形成されていた謎は私なりに解読しておかねばなりません。海中の海藻の繁茂する中を住み家としたのがこれらシーラカンスの仲間であったのではと仮説を提示します。たぶん外れでしょう(笑)しかしミトマックス適応から行けば海藻の中を歩いていたと仮定すればあながちおかしくもありません。ヒレに肉、つまり足のようなものができたヒレは、足をヒレにつける合目的的な理由がなければ出来ませんし、ミトコンドリアはその適応目的に合わせてヒレの足肉という部位に特異的に分裂増殖しATPを供給したのです。ヒレに筋肉と骨によって出来た軸、支柱が形成された。であるのならすでにヒレにはいくばくかの重力負荷があったと見るべきなのです。もしや海底の岩肌をはいずり回って三葉虫を補食したのだろうか?そうかもしれない!それならばミトマックス適応のトリガーが引かれる可能性は充分にあります。

ついに、カンブリア爆発に次ぐ生命史における第2のビッグバン「上陸劇」の世界へご入場です。

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2013.05.15 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 鍼灸創世46億年記

コメント

戦況不利(笑)

先生、こんにちは。ラマルキズムは現在旗色悪いですね。自分は生物素人なので、表層的な情報しか処理できないですが、進化論の総合説なんかが真面とは思えないです。偶然を根拠にして、理論展開してるように見えてしまうのですが?(笑)「ミトマックス適応」これなら子どもでも、なんとなく憶えてしまいそうです(笑)(意味わからなくても、語感が良さそうなので。流石ですね先生)使わせてもらいます。ではでは。

2013/05/15 (水) 13:05:02 | URL | 邪ブラック #2JEUmp5Q [ 編集 ]

だんぜん負け組フェチ(笑)

主流派でないお蔵入りの学説とか、村八分になった学者とか、そういうのこそホンモノってのがここ30年の養生法の探求で発見した真理。だから絶対にラマルクの学説は正しい部分があるし、ダーウィンってのは解剖がイヤで医学から横道逸れて神学者になったという御仁だし、まあいっぱい言いたいことがあるけど、おいおい記事の中で触れるかも。邪ブラックさんの宿題の出し方が良かったから、ついミトマックス適応なんてホームラン級のコピーが生まれました。まことにありがとう!ミトコンドリア原理主義を英語にして略すとミトマキシズム?(笑)進化論も第三部もミトマックス全開で行きます。

2013/05/15 (水) 19:53:05 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

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