第十章 開花(新たな地平)

ヒトの体内には1京8000兆個もの膨大なミトコンドリアが棲息しており、ATPという身心の活動にとって必須のエネルギーを生みだしてくれている。それだけでなく体温もミトコンドリアで産生されるし、生物電気と呼べる電気もミトコンドリアが生み出す。またビタミンの合成やミネラルの保管、解毒酵素チトクロムP450を使ったデトックス機能まで人体にとって、細胞にとってなくてはならない共生体がミトコンドリアである。いわば私たちはミトコンドリアなしでは生きられない存在なのだ。例えば人間の眼や歯髄はミトコンドリアが多数棲息する領域であるが、眼の疲れや歯の痛みが全身の疲労感や、肩こりや背中のこりと連動する事はよく体感する。凝り、つまり筋肉内に乳酸タンパク質が溜まり、それが血の巡りを妨げればミトコンドリアへと送る酸素や栄養素が不足してくる。首や肩の凝りは顔面頭部への血流を妨げるから、結果として眼がぼやけ、歯がうずいてくる。肩や首や肩甲間部、ならびに手足や全身を鍼灸指圧すると、眼もハッキリし歯の痛みも治まる。つまり鍼灸指圧とはミトコンドリア賦活療法なのである。ミトコンドリアを賦活する医療こそが真の医療なのであり、未病治の医療の真価とは、いかにミトコンドリアを元気に出来るか?という一点に絞られる。

今から5億4000万年前に始まった生物界の一大イベント「カンブリア爆発」、それまではたった3門であった動物はここで一気に38門まで拡がる。つまりすべての動物門の型が一斉に開花するのである。なぜこの時期に急にこのような事態が起こったのか?研究者は様々な憶測をし、解読に挑んでいる。ある説によれば海水中のリン酸濃度が急上昇した事に起因するという。なるほどこれは一理ありそうである。外部環境の変化によりDNAトリガーは引かれ、生物はその環境変化に適応し生き延びようとして体制を変えていく。これが生物界の法則である。生命進化とは常に適応命理のルールで進行する。生き残るために合目的的にメタモルフォーゼし続けたのが生命史40億年の歴史である。今までは軟体動物でユルユルしていたのに、いきなり甲殻ボディをまとったのにも理由があるのだろうか?それまでよりも太陽光線や宇宙線または放射線が強さを増したのかもしれない。いわゆる太陽系の航路がプラズマ帯に侵入した時期だったのかもしれない。何か理由があるはずだ。ボディを守るために甲殻ボディを獲得したと私は見ている。

カンブリアのスターはアノマロカリス。イカとエビをくっつけたようなボディにエイのヒレを両脇にドッキングした奇妙な生き物であるが、全長はなんと2メートルにまで達したというから、近場で見ればかなりの迫力であったろう。もしも現存していれば水族館の人気者になった事は間違いない。個人的には初期の三葉虫が面白い。この時代の生物はいきなり精巧で高度な機能を有する動物の複眼を獲得するのであるが、三葉虫の中にはこの眼が頭部側面まで伸びて車のテールランプのように弧を描いて後ろまでいっているものがある。ほぼ360度の視界を確保していたとされる。オパビニアなどは5つの飛び出した眼をもち、長い口吻を伸ばした分類不能の生物だし、たった1個の複眼をもつ節足動物カンブロパキコーペなどは顔だけ見ればまるでフェンシング選手である。饅頭に刀剣を突き立てたようなアヴァンギャルドなデザインのウィワクシアなどは構造色という体色をもち、CDの裏面のように七色にきらめいたのだ。誰がこんな前衛的な生物をこしらえたのだろうか?ゴルチエもカワクボもタカハシジュンも顔負けのイケイケデザインである。三葉虫はカンブリア後2億5000年万年ほどして謎の絶滅をするが、三葉虫を含む足に節をもつ節足動物たちは現在も大繁栄し、地球上の他の生物種をあわせた数よりも多い300万種を誇る。昆虫たちの祖先はカンブリアに起源を持つ。

軟体動物のみのゆるやかな楽園エディアカラの園は終わりを告げ、弱肉強食の新時代エッジの効いたデザイン全開のカンブリア時代が幕を開いたのである。ゆらゆらと波の動きに合わせて動いていたような生き物たちが、能動的に動き出し活発に生存競争を始めた。その体中の筋肉組織は飛躍的にATP産生能を高めていったと思われる。筋肉を動かすにはATPがなければならない。それなくば動けないのである。昨今は内部被曝による「ぶらぶら病」が恐れられる時代であるが、これもミトコンドリアが被曝する事でATP産生能が低下する事に起因する疾患である。ATPなくば生きられないのが生物である。つまり生物はATPのために生き、食べ、動き、息しているのである。カンブリア爆発の水面下ではミトコンドリアが劇的に生息数を増やしていたと私は想像する。なぜこの時代にミトコンドリアが活性化したのか?酸素濃度が増大したこともあるだろうし、太陽光線がミトコンドリアにとってよい波長に変わったのかもしれないし、磁気や電気が関与しているかもしれないし、カルシウムやリン酸など海水中のミネラルが潤沢に増加したのかもしれない。多くのミトコンドリア賦活要因が重なり、生物は動きの自由を手にしたのである。

形態の変化のみならず、ミトコンドリアもまた進化したのがカンブリア爆発であった。

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2013.05.05 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸創世46億年記

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