対話

「異常のある内臓の情報は、いつも定まった脊髄の後根に送り込まれるので、その後根神経節細胞はノイローゼ気味になる。そこで同じ後根に相当する皮膚は痛みを過敏に感じるようになる。また脊髄の中で後根から前根へスイッチの切替があって、遠心路を通って体壁の記録装置に達する。これがコリや発汗、冷えの反射としてあらわれる」
石川大刀雄博士

これは昭和初期に京都大学生理学教室においてガマやウサギを使った長年の実験によって内臓と体壁体表がインタラクティブに連動することを立証した石川博士の弁であるが、見事に現代生理学的にツボというものを浮かび上がらせている。つまり内臓の病変は神経路を通じて体表へと伝播するということであり、反対に体表を刺激することで内臓の病変に働きかけ内臓の状態を好転させる事が可能であると言っているのである。

内臓体壁反射、体表内臓反射。この発見こそがツボの実在を立証した革命的な知見であると認識しているが、まったく、この言葉も一般化していない。まことにこの国の民は知らされるべき事を知らされていません。なぜこれほど単純にして素晴らしい理論が一般化しないのか。陰謀論なる幼稚な理論を持ち出すまでもないが、ようは東洋医学の優秀なコンテンツはいまだに鍼灸コミュニティー、鍼灸ムラだけで通用する情報群なのであり、一般人にはおよそ敷居が高いのか、あるいは、とっつきにくいのか、よくわからないが、とにかく鍼灸指圧のもつコンテンツはまったく公開拡散されていないことだけは確かである。

啓蒙不足。これが致命的に我が業界を覆い尽くしているのだが、気付く者などおらんのだ。まあ言ってはなんだが鍼灸ムラのムラビトもまた馬鹿ばっかである。客観的に俯瞰して自分たちがどういう風に世間で認知されているのかの自覚が皆無なのだ。屁とも思われていないよ。世間様には。胡散臭いわけのわからない医療としか思われていないよ。インチキリラク産業の一形態としか思われていないよ。怒るない!本当にそうなんだから。だからこそ我々は啓蒙に励まねばならんのだよ。ところが業界にいるとさ、そんな気持ちが逆に萎えちまうのさ。何だかわからんがね。で、私はひとりでやってこうと思い、こうして思いの丈をぶちまけておるのです。

ツボなんかありゃあしません。あるのは、ほれ、見ての通り、石川博士の言の通り、身体からのメッセージなのさ。内臓は脊髄神経を介して皮膚へと手紙を送っている。その手紙を読めるのは鍼灸師の指先の感覚なのだ。指頭感覚。これこそが身体情報を読み取る診断機器であり治療機器なのだ。これほど優れた治療器具はない。診断即治療。診断がすなわち治療となるのだ。「指圧の心 母心 押せば命の泉湧く」命との対話こそが治療である。

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2013.04.24 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

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