押せば・・・

数年前から美容鍼(びようしん)なるムーブメントが業界に起こっています。

もとはハリウッドのセレブなぞという方々がその美容鍼治療を受けたのがきっかけとも聞いております。

顔面部に鍼を刺すことに抵抗を感じなかったのはすでにボトックスという注射針によるシワ取り治療が一般化していたからだそうです。

発祥がアメリカと言いきれるのか定かではありませんが日本の女優さんが美容鍼で小顔になったなどという記事も目にしました。

さて私が美容なるものに興味を抱いたのは今から20年余も前の鍼灸学校の学生の時です。

東洋医学の本場、中国から特一級美容技師の僕義長(プー・イー・チャン)氏が来日し、美容按摩のセミナーが開催されました。

その講義に出席したのが自分の鍼灸指圧による美容法の開発の原点です。

さて、今思えば僕先生の術は洗練されておりました。腕全体がムチのように、いや、身体全体が同時連動するゴムのような動きで指先へと「意念」を収斂させた術でした。

あえて言えばイチロー選手のようなパフォーマンスでした。

中国は気功や太極拳の本場です。僕先生の動きの中にそのような悠久の体術の記憶を感じとることができました。

私は独自の指圧による美容法が得意です。動きは少ないですが術後の血行の良さは格別です。

圧ストレスとも呼べる指圧法はストレス対応で分泌されるヒートショックプロテインの分泌を促進します。ヒートショックプロテインはタンパク質の修復や分解、合成の介添え役です。硬化の進んだコラーゲン繊維もヒートショックプロテインによって軟化し再生される期待があります。

皮膚と血管壁からは圧力によってNO(一酸化窒素)が合成されます。このNOによって血管やリンパ管は拡張され皮膚や表情筋の細胞へと酸素や栄養が供給されます。酸素や栄養が十分に細胞へと到達すれば、細胞内小器官のミトコンドリアが活性化し盛んに細胞呼吸を始めます。これにより命の動力源であるATPが合成されます。ATPは皮膚のイオン勾配のエネルギーです。弾性を保った若々しい皮膚はカルシウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオンが皮膚層においてそれぞれ別々の深さに片寄って分布しています。これが皮膚のイオン勾配です。ところが老化して硬化、乾燥した皮膚では皮膚のイオン勾配は消失し、均等にイオンがばらけてしまっています。これは皮膚のイオン勾配のエネルギーであるATPの供給量の減少と関係がありそうです。したがってミトコンドリアを活性化する指圧法が結果として皮膚のイオン勾配を修復し、皮膚のハリやツヤを取り戻してくれる可能性があるのです。

また指圧による適度な皮脂と汗の分泌は顔面部に棲まう皮膚常在菌80万個の栄養源です。これらの常在菌は皮脂と汗を分解し天然の酸性クリームに変えて皮膚を保護してくれています。

美容指圧後のしっとり感は皮膚常在菌が喜んで皮脂や汗を分解した結果でもあるのです。

「指圧の心 母心 押せば命の泉湧く」、という秀逸なコピーで一世を風靡したのは指圧師の浪越徳治郎氏です。

いや実に素晴らしいコピーではないでしょうか。

【 押せば「ATP、HSP、NO、イオン勾配、皮脂、汗、皮膚常在菌、ハリ、ツヤ」の泉湧く 】、なんですから。

顔も、もっと押さなきゃもったいない。タダで美が手に入るんだから。

押せば丸美(まるび)の泉湧く。

おそまつ。

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2012.03.25 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

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