言わんの馬鹿

何度か触れているんだけど、昭和初期に活躍した鍼灸師に沢田健という者がおります。太極療法を創始したとして有名なのですが、この太極療法とはいかなるものか?と言いますと、非常に簡単に言ってしまえば、ようは身体全体を良くすれば部分に発症したものはすべて消え去る、という思想なのです。とかく私たちは部分に発生した不快な症状にばかり目が行くのですが、その部分の根っこがどこにあるのか?を沢田健は見抜いていたのです。

東洋医学においてはよく邪気という言葉が頻出しますが、これは邪正闘争の思想に根ざす中国医学には宿命的な言葉であります。一般的には邪気とは季節にそぐわない雨、風、熱さ、寒さ、湿気などの外部の気候的な物理エネルギーのことを指しますが、病体内にあってはいわゆる病気の根っこ、症状のおおもとの発症源を指して邪気とか邪骨などと表します。邪気という言葉が一般化した現代においては人から受けるイヤな雰囲気という意味で使われてしまうのはしょうがありませんが、本来は東洋医学の用語であり正気に対する邪気という意味が正しい用法です。

では正気とは何なのか?人体とは60兆個の細胞と1京8000兆個のミトコンドリアと101兆個の常在菌が織りなす小天地たるミクロコスモスな世界であり、この無尽蔵な共生体同士のネットワークがうまく円滑に回転することが健康とされるのですから、このホメオダイナミクスな動的恒常性を動かす原動力、すなわちミトコンドリアが生み出すアデノシン三リン酸、ATPこそが正気であろうというのは私の個人的な見解に過ぎません。ATPがあればこそ筋肉を動かすことが可能となり、意識活動を行い高度な知的作業ができるのであり、肝臓で解毒処理が行われ、腎臓で水分が濾過され、腸管蠕動運動が起こり便が運ばれ直腸や肛門にいたりイキンデうんこを排泄できるのもATPのもたらすエネルギーのお陰なのだから、これを正気と呼ばすして何を呼ぶのだろう?と独断と偏見の主は深く思うのです。

ではATPに対する阻害要因、障害因子が邪気であろう、という仮説も成り立ちます。例えば活性酸素などはその筆頭たるに十分な要素満載です。あるいは脳神経細胞内に蓄積するアミロイドβタンパク質や筋肉細胞内に溜まる乳酸タンパク質など。これらはすべて細胞活動の阻害要因です。その他には滞留している便であるとか、おしっこになって出きらないような老廃物、炎症の後にアポトーシスされない細胞、毛細血管の先っぽでじっとして動かない古くなった赤血球、解毒酵素チトクロムP450の機能低下、廃絶したもしくは変性したミトコンドリア、脂肪がたまった細胞、などなどもまた邪気に分類されると予想されます。

そして心のわだかまり、はもっとも気の流れに悪影響を与える邪気と言えます。この肉体は精神の受発信装置です。この肉体という触れて見える物理的な身体があってはじめて精神波を受信し、発信できるのです。クリーブ・バクスター氏によれば人はみすからの白血球とも交信できるのですから、体内の共生体とも体外の生命体ともこの身体あったればこそ交信交流が可能なのです。この意識、気、心ほどまたあらゆる意味で影響を与えるエネルギーはありません。意識がなくなれば生きていないのと等しいのですから、まず人間とは心的生命体であることを自覚しなければなりません。人間もまた細胞膜と同じく心身裏打ち二段重ね、バイレイアー構造なのです。身体とは心体でもあるのです。身心一如。そうなのです。私たちは心と身体が一致した存在なのです。

太極療法とは、しかし、心にはあまり頓着しないようでした。身体を治すことで心も治っていく。これもまた二重構造ゆえに可能なのです。昨今はウツが大流行です。しかしその治療プロセスにおいて脳ではなく身体全体へと目を向けている者がどれだけいるでしょうか?心の変調とは身体の変調なのです。それゆえに身体へのアプローチにより心の状態も好転できるのです。ある鍼医はウツで来院した患者はひとり残らず治し得たと豪語しております。そのような事もまたあるのでしょう。心は身体から離れてどこかに存在するのではありませんし、まして脳内だけに心があるのでもありません。指先にも、肝臓にも、髪の毛にも、鼻くそにも心はあるのです。NK細胞は人の気分と連動します。白血球とは意識そのものかもしれません。

太極、無極とは一なる混沌の世界を言います。私たちは身心一如、邪正一如、宇宙という無極と一体の存在です。浅はかな人智を捨てて無極に身をゆだねた時には身心も邪正も融合したカオスたるパラダイスが現出するかもしれません。まあようは考えすぎは身体に毒だわね。馬鹿な方が健康ってことかもね(笑)馬鹿は風邪引かない。オアトはよろスィー?

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2013.03.31 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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