凝り問答

仕事柄、一番付き合いの長い症状が「凝り」

さてこの凝りとは一体なんなのか?は長年の疑問だった。一般的には筋肉における嫌気的解糖系によって生成された乳酸なる物質とタンパク質が結合した乳酸タンパク質なるものが凝りの正体であると言われる。そしてこの乳酸なるものは肝臓へと送られるともういちどグルコースへと変換されて、また血行性に筋肉へと戻り再利用される。この乳酸→グルコース→乳酸→グルコース→の筋肉肝臓循環がうまくいっていれば、凝りの蓄積は起こらないということになる。

とすると、対策としては、

血流が良いこと、肝機能が正常なこと、の二点は重要となる。

しかし、自分が手の内で捉えてきた感触から言えばそれほど単純ではない。そんなに簡単に凝りなるものは取れない場合がある。

ここからはあくまで我流の試論です。

解糖系とは細胞質内でおこなわれるエネルギー産生機構。ここでは無酸素かつ低温でエネルギーを作り出すことが可能。そしてここで作られたピルビン酸なる物質がミトコンドリアに入っていくとクエン酸回路がまわりだす。ここからは有酸素で適温でエネルギーを生成する。実際は非常に複雑な経路をとるが今は省きます。

この解糖系の産物である乳酸が細胞質内に漂うタンパク質と結合したものが凝りではないかと自分は推測します。

つまり凝りとは細胞質に漂うゴミのような物体。細胞質とはドロドロの粘液に満たされた世界。さてこの凝りと同定されるゴミを含めて細胞質の浄化はどうして行われるかはご存知でしょうか?

この細胞質の浄化機能が今ホットに注目されています。

細胞は外部からアミノ酸などが供給されない飢餓状態になるとオートファジーという機能を活性化します。忽然とサッカーボールを折り畳んだような二重膜が細胞質内に出現します。そしてこの風呂敷のような二重膜はミトコンドリアや細胞質を包み込んで、ボール型へと変化します。そしてさらにリソソームという70種類の分解酵素を含む膜で包まれた構造体と融合します。するとリソソームの中の分解酵素はまずボールの二重膜の間に流れ込み内膜を溶かすことで内部へと流れ込みます。外膜は溶けません。分解酵素がおいそれと流出しては困るからです。もっともこのリソソームの内部はpH4〜5の酸性なので中性の細胞質内では活性を失います。さてボールの中に流れ込んだ分解酵素はミトコンドリアや細胞質内を漂っていたタンパク質を分解しアミノ酸へと変換し、そのアミノ酸はまた細胞質内へと放出されます。そしてそのアミノ酸はリサイクルされてまた細胞質内でタンパク質へと合成されます。このような細胞質内の品質管理機構をオートファジーと呼びます。

ここでの物質の流れはタンパク質→アミノ酸→タンパク質→アミノ酸→となります。

実際に食事から摂取する量の3倍のタンパク質を自家製造していることになります。自腹を切るというか、自己分解自己再生というか、無限循環のような機構でしょうか。

外部から栄養が供給されないと自己を食べることから、自己(オート)、食べる(ファジー)というギリシャ語をくっつけた造語がオートファジーです。

神経性疾患、免疫、癌などの疾患とも密接な関係があり、今後の研究の発展がおおいに期待される分野です。

凝りの話しに戻ります。

凝りとは細胞質内に漂う乳酸タンパク質のことであり、それがオートファジーによってもう一度アミノ酸に変換される。そしてこのオートファジー機能に不具合が発生すると乳酸タンパク質が一掃されず蓄積する。これが簡単には取れない凝りの正体だとしたらと試しに考えてみますと、筋肉肝臓循環に対する対策とは違う別の方策が見えてきます。

端的に言うと、オートファジーの活性化です。

わたしがオートファジーの活性化案として予想しているのは、保温、鍼灸指圧、深い呼吸、睡眠、入浴、少食、副交感神経優位状態への移行、快感ホルモンなどを分泌させる、です。

オートファジーを抑制するのはインシュリンの分泌です。つまり満腹時にはオートファジーは抑制されます。

さて試論の問答ですので、以後も気が向けば取り上げます。

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2012.02.22 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

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