極私的風邪予防法

ここのところ急に冷え込んでまいりましたので風邪などひかれてませんか?私は今年は3月頃と先日11月中旬以降と2回も風邪を召しました。召したい訳ではないのですが不養生のなせるワザでしょうか。まったく面目ありません。養生法の探求と言いながらブザマやのう(笑)ということでそのへんを少し探ってみようかと思います。

風邪ってものがウイルスや細菌だけでもたらされているという説は私はとっても怪しいと踏んでいます。ようは常在菌や常在ウイルスは常に鼻腔や口腔から体内へと通過しているのだし、それでいて普段は何も風邪症状は起きません。なぜ通常は風邪をひかないかというと、よく出来た免疫システムが作動していますから鼻腔から侵入しようとする細菌やウイルスは鼻粘膜で捕捉されてしまいますし、口腔鼻腔まわりのすべての免疫の関所をまとめてワルダイエル咽頭輪と申しますが、その咽頭輪に待ちかまえている白血球が直ちに異物である細菌やウイルスを捕食してしまいます。この捕食された残滓が鼻汁になり、反射機転が働けばクシャミになり、口腔においてはセキとなり、とにかくこの口腔鼻腔という上部開口部においては外来性の害のある異物は排除してしまう仕組みができあがっているのです。だからこそスーッとひと息に肺いっぱいに吸い込んだ空気の中には細菌やウイルスやチリやホコリがうじゃうじゃと20万個〜200万個もあるのに平気の平左で生きていられるのです。

とすると風邪とは免疫機構の破綻が原因と見なせます。いわゆる口の奥の扁桃腺は口腔から侵入する細菌やウイルスである食事の食物の中に含まれる雑菌を処理しますが、空気にのって入ってくる雑菌は処理できません。だから口呼吸ばかりしていると雑菌はとめどもなく口腔を介して腸管内へと侵入します。口を閉じておく。これだけでグーンと風邪症状を呈する頻度が下がります。さらにもしも腸管内へと侵入してもまずは入り口の口腔内の粘液である唾液がまず最初のパンチをして、胃にいくと胃液がボディーブローを浴びせます。胃液は金属をも溶かす強酸性でありタンパク質分解酵素ペプシンを含みますから、タンパク質でできたウイルスの外殻も、タンパク質でできた細菌の細胞壁も、異種タンパク質であるアレルゲンとなる動物性たんぱく質も、そのほとんどは胃液が処理し分解してしまいます。だいたいここですべての細菌やウイルスは死滅するでしょうが、もしも胃という難関を突破すると小腸へと進出することになります。

腸管の内壁は微絨毛がビッシリと敷き詰められたフカフカのカーペットなのですがその表面にはいくつか扁平で絨毛がない部分が存在します。これが腸扁桃パイエル板と呼ばれる免疫機構なのです。ここでは腸管内に侵入した細菌やウイルスを待ちかまえて免疫細胞であるマクロファージなどの白血球が待機しています。もしも腸管内に胃という難関を突破して侵入した細菌やウイルスが来ると、そら来たことか、と勇んで飛び出して細菌をとっつかまえて飲み込みます。トドメのカウンターパンチです(笑)細菌はマクロファージの細胞膜に取りこまれ、マクロファージ内部へと飲み込まれ、消化酵素を含む細胞内小器官であるリソソームによって消化分解されてしまいます。これが免疫細胞が行うファゴサイトーシスです。ファゴサイトーシスとはこのような外来性の異物などを細胞がその細胞膜でつかみ飲みこむシステムをいいます。物体ではなく液体だけを飲み込む場合はピノサイトーシスと言います。このように細胞が細胞膜で細胞外のモノを処理するシステムは総じてエンドサイトーシスと表現します。細胞は細胞膜でモノを食べたり飲んだりしているのです。

このような機序で体内に侵入した細菌やウイルスはことごとく処理されてノックダウンとあいなります。これが生命が誕生して以来40億年間をかけて築き上げた免疫というシステムなのです。「疫病を免(まぬか)れる」システムがあったればこそ人類はこの細菌の天国である地球世界で生き抜いていられたのです。有り難きかな、免疫システム。神に感謝する前にテメエの免疫系に手を合わせなよ(笑)ということで風邪予防のキモが見えてきましたか?

そうです。免疫系の維持、保守、管理、強化こそが風邪を予防し、ひいては病気を未然に防ぐことになるのです。要諦は至極シンプルです。白血球もその活動は白血球内に棲まうミトコンドリアに依存しています。①体温を下げないこと。これは体内温度37度以上で活性化するミトコンドリアにとっては絶対条件です。まずはこの①は守りましょう。首と呼ばれる部分がまさにネックです。手首、足首、首の前後、このへんの風がスースーすると冷えが入りこみやすい部位は冷やさないようにする。これだけでだいぶ違ってきます。風邪と書いて東洋医学では「ふうじゃ」と呼びます。最初に「ふうじゃ」が入りこむツボが「風門・ふうもん」です。風邪の初期に背中のゾクゾクする部位がそのツボに相当します。古来から人は風を見つめ風と対話していたのです。

そんで、口呼吸しないで②鼻呼吸をするってのは当然の予防法ですから是非ポカーンと口なんか開けてないで必ず口は閉じているほうがいいでしょう。雑菌が止めどなく口から入り込むし、今や放射能まで入る時代です。口は閉じているに限ります。さらに冬なんだから冷たいジュースやアイスやかき氷なんて食べちゃあダメよ(いきなり口調がなれなれしいの 笑)冷たいもので腸管内を冷やすと腸扁桃パイエル板の免疫バックアップ機構の働きがグッと落ちるのさ。そうするとパイエル板のマクロファージは細菌を飲み込んだはいいが、細胞内部で消化できずにその細胞内で細菌が繁殖してしまったりする事態が起こりかねないのだ。それが白血球の細菌未消化による全身への細菌播種(はんしゅ)というとんでもないアクシデントになってしまう。細菌を捕食するはずの免疫細胞が細菌を培養しばらまく役目を果たしてしまうのだ。感染性のあるタンパク質というプロテインとインフルエンスを略したあのプリオンという最強最悪の異物こそがこのパイエル板から体内へと侵入するのだから、いかにパイエル板の活性を保つことが重要かわかろうというものである。

③腸を冷やさない。これもまた免疫という神様を怒らせない絶対条件である。①体温をさげない、②鼻呼吸にする、③腸を冷やさない、この三点を守るだけでまずは風邪はひきません。あとは強力な殺菌力、抗ウイルス性を有するフィトン・チッドが豊富なスパイス、薬味、ハーブ、柑橘系の果物、など香りや匂いの濃厚な野菜や果物を良く頂くと必ず霊験あらたかですのでそれらを摂取しましょう。それからオートファジーという仕組みが細胞にあることは以前に記事にしましたが、このオートファジーの機能には細胞内に侵入したウイルスや細菌を処理する能力があります。マクロファージが飲み込んだ細菌も最後には細胞内小器官であるリソソームが処理分解すると書きましたが、通常もどのような細胞にウイルスや細菌が侵入してもリソソームが機能してうまく処理できる仕組みなのです。もちろん細菌やウイルスもバカではありませんから防御するマユのようなものを作ったり、リソソームに対抗する液を放出して身を守り細胞に寄生しようとします。それでもそこまで至らない前におおかたはジャブ、フック、ボディーブロー、カウンターパンチでノックアウトされてしまいますから大丈夫ですが、もしも細胞内へと侵入するとたいへんにやっかいな事態となります。ここでオートファジーの活性化がクローズアップされてくるのです。

オートファジーという細胞内リサイクルシステムには大きく分けて3タイプほどが存在します。まずは細胞膜が内部へと陥入して少し細胞質の液体部分を飲み込みその液胞の風船ががリソソームという風船と融合して液胞内の物質を分解消化するちょこっと細胞質リサイクルシステムである①ミクロオートファジー。次ぎに細胞内に突然に二重膜の風呂敷が出現し見境なく細胞内小器官やサイトゾル(細胞質)を飲み込んで処理する何でも丸のみバカ喰いタイプの②マクロオートファジー。そして分子シャペロンであるHSPなどを介して選択的にあるタンパク質のみをリサイクルする③シャペロン依存型オートファジー。だいたいこの3タイプがオートファジーの種類である。この他にはユビキチン・プロテアソーム系という認証識別型の分解システムもあります。

で、このオートファジー活性のキモが空腹少食と温熱なのです。②マクロオートファジーは飢餓応答型であり空腹時に活性化します。つまり上部開口部である口腔から栄養物が入ってこないと自分の細胞内に溜まった余分な栄養素やできそこないのタンパク質を盛んに分解して細胞の栄養源へと変換するのです。喰わないと自分を喰うのです。そして細胞は自分を喰うついでに細胞内に侵入したウイルスや細菌まで喰っちまって栄養源にしてしまう、というのは私の独断が少し入った仮説です。犬や猫は変なもの喰って調子を崩すとモノを食べなくなりじっとします。これって実はマクロオートファジーを活性化しているんじゃないかな、というのが私の推論です。細胞内まで侵入したウイルスをも消化分解するためにあえて食べないという戦法で病気を未然に防いでいるのが犬猫の空腹作戦なのではないかと推定しています。

おなじみHSPは熱ショック蛋白質のことであり、主に温熱刺激によって発現するシャペロンタンパクであり、タンパク質の合成、運搬、分解、再生をいってに引き受けるタンパクプロセスを介添えするタンパク質です。シャペロン依存型のオートファジーにおいても本領を発揮することは言うまでもありません。細胞質内には不用となったタンパク質やできそこないのタンパク質や活性酸素を放出する不良品のミトコンドリアなど数多くの変性タンパク質が存在します。これらを認証し識別しHSPの力とATPを利用して分解消化再生するのがシャペロン依存型オートファジーなのです。ミトコンドリア活性化によるATPの供給増加、HSP分泌による細胞内浄化の促進、この二足のわらじを同時に履いてしまう凄テク(笑)こそが温熱療法なのです。灸治療によるアンチエイジング効果を立証した108歳の長命を達成した故・原志免太郎博士の体内、細胞内は常にオートファジー全開、ミトコンドリアハッスル状態であったと推測できます。

さてさて、人間も風邪などひくとメシがまずくなり食通りが悪くなるのですが、これは自浄作用である細胞内マクロオートファジーが活性化しているアカシなのかもしれないのです。恐らくはビンゴです。普段から少食を心がけるのもまた風邪をひかないコツかもしれません。江戸期の不世出の観相家、かの有名な水野南北は死相が出ていた自身の相を「一食を天地に帰す目的で一日二食とし、白米飯をやめて麦と大豆を食する生活」に切り替えることで予告されていた命運を転換し観相家として一家を興し大成したのです。二食の励行が南北の細胞内マクロオートファジーを活性化したことは想像に難くないでしょう。食べ過ぎは風邪のもと。汝の少食に幸いあれ。で風邪予防の最終兵器は④少食です。

以上をまとめると風邪を予防するキモは①体温をさげない、②鼻呼吸にする、③腸を冷やさない、④少食となります。

いやはや軽く考えて始めた風邪予防の講義がけっこう長編になってしまいました。

こんだけわかってんのに風邪ひくんだから家人にバカにされるわけだわ(笑)

スポンサーサイト

2012.12.10 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 免疫強化

コメント

こんばんは、夜分遅くお邪魔しています。

>犬や猫は変なもの喰って調子を崩すとモノを
>食べなくなりじっとします。これって実はマ
>クロオートファジーを活性化しているんじゃないかな

犬、ネコ、怪我、体の調子が悪いときなど
なにも食べずにしています。
食べない間に、体の悪いところを直すのでしょうね。
人も具合が悪いときなど食欲が出ませんね
これって体のシグナルなのでしょうか?
食べないでいることが体に良いんでしょうね。
直るに従って食欲が出来ますものね。

この頃グレープおばさん食欲旺盛になってきているので、腹八分状態に切り替えたいと思います・・・・

2014/05/27 (火) 23:55:17 | URL | グレープおばさん #- [ 編集 ]

がっつり系の記事

グレープおばさん、毎度です。

この過去記事はかなり気合い入って書いとりますなぁ。

書いた自分が言うのも何だけど、読むのがイヤになるほど長い(笑)

まあ記事内容から、この頃に脳内に浮游し発酵拡大現象をしていたネタ細菌が何なのか?

が、一発でわかりまんがな(笑)

自分も何食べても美味しく感じる時は一番幸せなんだけど、何かイヤな事があってムシャクシャした後にバカ喰いすると、ヤバイですな。

あと、もったいない精神で子供の残りを食べたり(笑)

でも、その時々の身体の声で食べる量は必然的に決まってくる気もします。

だから、少食にせなアカン、とかいう論法もどうかとも思ったり。

ほら糖質制限なんてやった日には、解糖系が動かないからATP供給に支障が出て、チカラが入らないなんて事態を招いてしまって、身体が逆に不調になったりするしね。

アタシはきほん糖質無制限というか、糖質過剰気味。

東洋医学の食養では五穀というのは最も基本の食材であり、食物の気を「水穀の気(すいこくのき)」と呼びます。

そのくらい穀類、豆類を尊重しているのが東洋の食餌法。

なんで糖質制限せなアカンのや?

まあ、あれも流行りすたりのある一過性の紅茶キノコ健康法のたぐいと同等かもしれんね。

この記事のキモは水野南北が登場している事だけど、そういえば南北先生は少食派か(笑)

2014/05/28 (水) 05:17:45 | URL | 養生法の探求 #- [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

kouhakudou

Author:kouhakudou
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR