愛の按摩術

1988年11月18日の夕方、当時15歳だったA君は下校時の自動車事故で重傷を負い、右頭蓋骨が陥没し、右大脳半球の広範囲(前部、側頭部、頭頂部)に損傷を受けて意識不明となった。病院で右脳の広範囲に減圧を目的にした手術が成されたが、執刀医は植物人間になる可能性が非常に高いと予後を宣告した。しかしA君のご家族はその後、ベットサイドで毎日の大半をともに過ごし、A君を励ます言葉をかけながら左半身の愛撫を続けた。左半身をマッサージしたのはたとえ意識が戻っても右脳の損傷により左半身に麻痺が出る可能性を医師から指摘されたからである。A君は1カ月半後に意識を回復する。左半身の麻痺も見られずにその後も順調に回復し、大学に進学し普通の社会生活を送るに至る。

この奇跡的な回復の鍵を握るのも皮膚という情報デバイスの潜在的な治癒力である。昨今は「脳科学一大キャンペーン」のかいあって「脳死=人の死」という概念が人々の意識にすり込まれてしまっているが、これも私に言わせれば笑止千万なトレンドである。A君の回復過程を見ればわかるとおり、皮膚という情報デバイスが機能している限りは、脳を回復させることは可能なのだ。脳の起源とは皮膚なのである。ヒドラの口と肛門部であるラッパ管の上部開口部にはアミノ酸を感知する細胞がある。これが脳の原器である。ヒトの受精卵も皮膚である外胚葉が内部へと陥入していき、その内部へと陥入した皮膚がやがて脳に発達するのである。「脳は皮膚の端末」なのである。

だから皮膚=脳なのである。「皮膚は0番の脳」と皮膚科学者である傳田光洋博士が仰る通りである。

「情報デバイスとしての機能を失った皮膚=人の死」が真実である。もしも現代医学が皮膚のもつ潜在的な治癒機能や情報デバイスとしての働きに着目したならばとてもじゃあないが脳死移植、臓器移植などできはなしないのだ。東洋医学を無視し続けるのには理由があるのだろうし、皮膚科学にまったく注目しないのにもそれなりの理由があるのだろう。利潤の追求により医学の、生命の真実が歪曲され続けている。

私の実母が交通事故にあった時に私は救急車で搬送されてまだ頭から血が流れ出ている最中に「気付けの鍼」を施した。これは意識を回復し正常化するためのツボ治療である。古来よりヒトは不測の事態に遭遇し気絶することはままあったのだから、そこを脱して身体を正常化する方策は常に探られて実践されてきたのである。「気付けの鍼」など知らずとも、A君のご家族はその愛の按摩術によってA君の気(意識)を回復し正常化したのである。

ツボ合谷にも勿論、意識覚醒の働きがある。脳へと還流する電磁気のルートにあるツボはどれも脳を養うのである。脳死状態を脱する術など鍼灸医学では常識である。古典医書には随所にこのような緊急時に対応する術が明記されている。東洋医学が胡散臭いだって?脳死を人の死と決めつけてガンガン臓器移植を推進する現代医学のほうがよほど胡散臭いってぇの。

ヒトの外殻は脳である。ヒトの外膜は心である。ヒトの皮膚は情報デバイスである。ヒトの皮膚経絡は治癒ルートである。人の皮膚には愛がこもっている。人の皮膚には先人が遺した暗号が刻まれている。暗号解読の天才を希求した故・間中博士の弟子たらんとするのなら、いざ解読に勤しまん!

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2012.11.18 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

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