おはし

医学界はIPS細胞祭りだろうけどこっちはそれどこじゃあない。そんな普通に簡単に使えない医療じゃどうしようもないわけで普段使いの安易に扱える安全で最良の医療を庶民は欲しているのである。たとえば指圧。これなんて二本の腕があり二つの手があれば誰にでも出来る。自分自身を自己按摩することも出来るし、人を癒すこともできる。

「少彦名の二が手にて撫でれば落ちる毒の虫押せば無くなる病の血潮降りよ下がれよ出で早く」の日本の古歌の通り、「二が手」さえあれば症状を取り除き快癒させることが可能な医療。だからってわけではないが今の世には類似業者が百花繚乱の様相を呈している。都内ではすでに60分3000円をきった激安のマッサージチェーンが流行りだしているようだ。こういう連中が指圧の国家資格を持つ有資格者を雇っているとも思えないのだが足裏をはじめエステ、タイ式、気功まがい、あらゆる指圧エセ産業が我が業界を侵蝕し始めている。

この流れは加速中であるが一向に政治的な、行政的な、司法的な措置は講じられていない。ウチの業界が躍起になって数年前に政治家に働きかけたが結局は国会において審議された後に破棄された。維新当時となんにも変わっちゃあいないよ。ようは徹底的に東洋医学はイジメに遭っているのだ。いじめられた末に鍼灸師たちは牙が抜けて闘う気力すら失ってしまったのだろうか?

どうも私にはあらたな闘志が湧いてきたようだ。なんだか最近は熱いぜ(笑)そりゃあともかくもリラクゼーション産業が幅をきかすのも煎じ詰めれば気持ちいい医療を庶民が欲しているアカシだろう。無資格者対策は今後も講じられないだろうし新手の「リラクお気楽業者」はこれからも手を変え品を変えて出現するだろう。しかしその中にはホンモノはほとんどいないと名言しておく。たかが指圧、されど指圧。

中国から伝わった按摩術の中から拇指圧迫法(ぼしあっぱくほう)という手技を抽出して指圧・シアツという分野を独立させたのはこの日本だけである。日本人の感性が指圧法を発展させたのだ。「二が手」から「二が親指」へと洗練したのである。按摩術はともすると曲手(きょくで)と称して手と腕をアクロバティックに操るマジシャン的な術に傾倒してしまう。床屋や美容院でたまにこの曲手が披露されたりするね(笑)あの手を合わせて袋のようにしてパンパンと叩く技法は袋打法(ふくろだほう)という曲手のひとつ。こんなとこにもちゃんと日本按摩の術のなごりがあるのだ。

それでこの曲手は確かに客観的にというか観客からは見た目にもなんか按摩やってるって感じがして面白いのであるが日本人の感性はこれを良しとしなかったのだろう。じっくりとゆっくりとじんわりと圧(あつ)を二本の親指で伝えるうちに何か得体の知れない生命力の賦活をその二本の親指の先から感じ取ったのだ。これがジャパニーズシアツの誕生だ。

幼き頃より二本のお箸(はし)を巧みに操ってご飯を頂くその錬磨こそがこうした日本独自の繊細な洗練を生み出してきたと私は推測している。そう指圧とはお箸の国が生み出した文化なのだ。肉をフォークでブッ刺す西洋人とはちょいとそのへんが異なるのだよ。お箸もほとんどは木製だろう。木のあたりはまろやかである。金属がカチンと歯にあたる感触なんて最悪じゃないかい?歯ってのは感覚器官だからね。ものすごい敏感な器官だそうだ。

歯が感覚器なら指先は同等かそれ以上だろう。この指先の感覚を研ぎ澄ませた医療こそが日本指圧、日本鍼灸である。どうしても利き手の指のほうが最初はうまく扱えるんだけどそのうちにもう片方の指も感覚が増してくる。そうして両刀使いに変貌するのだ。武蔵だね。宮本武蔵の二刀流もお箸の文化が生み出したのかもしれない。

さて二本の指先から私はこの20年間の間、じっくりとゆっくりとじんわりと人体の命のささやきを聞き取ってきた。それはそれは至福の瞬間を生きてきたのである。その中から見えてきた生命観を披露しているのです。「すべての生命現象とは内外環境に適応している姿である。そのプロセスを止めることなくすすめよ」とは命からの伝言なのだ。別に私のオリジナルってわけではない。「適応命理」な世界からのメッセージを伝えているに過ぎない。

そういう意味では私は生命界からの媒介者(メディア)である。実はみんなメディアなんだけどね。誰もが聞こうと思えば命の声を聞くことは可能です。親しい人に触れてみて下さい。愛妻の肩を押してみて下さい、愛する旦那の腰をもんであげて下さい、尊母、慈父の身体を慰撫してみて下さい、子供の背中をわきをこそぐって下さい。その中に命からの伝言がきっとあります。命との交流こそが医療なのです。細胞を切り売りすることでは決してありません。

医療の原点である「手当て」。この地点から離れないのが東洋医学です。

日本指圧、日本按摩、日本鍼灸よ、永遠なれ!

スポンサーサイト

2012.11.04 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

kouhakudou

Author:kouhakudou
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR