細胞の真ん中で愛を叫ぶ

311という惨事が勃発しなければここまでガンの真相を追及することもなかっただろうし、こんなブログを立ち上げもしなかっただろうから何がキッカケで命の理に開眼するかはわからない。生命史40億年をたどり細胞生理の真相を探る旅は終わりがないのであるがここにきてひとつの大きな気づきがもたらされてきた。少し語ってみたい。

何度も繰り返しになるが細胞には嫌気性バクテリアの機能を色濃く残すブドウ糖を分解して2分子のATPを生み出す嫌気的解糖系というシステムと好気性バクテリアが祖先であるミトコンドリアにおけるクレブス回路(クエン酸回路、TCA回路)と電子伝達系によって36分子のATPを生み出す酸素呼吸系というシステムの2つのエネルギー産生システムが存在する。通常は解糖系が種火の役目というかインジェクション(点火装置)になってピルビン酸を供給してアセチルコーエーに変換されてクエン酸回路が回転し出すと順次このサイクルが進展してクエン酸回路で2分子のATPができて、さらに電子伝達系において水素イオンがミトコンドリアの内膜をブラウン運動によって通過する際にATP合成酵素というキノコ型の水車を回すと34分子のATPが生み出されるので合計でミトコンドリアだけでは36分子のATPが産生されるのである。つまり酸素濃度のあがった現在の地球環境の中ではミトコンドリアが圧倒的に効率よくATPを生み出しているのである。

インジェクションの解糖系、メインエンジンのミトコンドリアの関係が通常のうまくいっている状態なのである。解糖系は髪結いの亭主みたいなもんでカミさんであるミトコンドリアにいつもおんぶにだっこで働いてもらっている情けない旦那って感じかしら。それでも解糖系の旦那には生命史の初期の20億年の疲れがあるしね、これでいいのである(笑)ATPエネルギー産生の分担シェアの黄金律は「5%の解糖系、95%のミトコンドリア」が正しいのである。

しかし細胞が低温と無酸素にさらされるとこの黄金律は大きく崩れることになる。ミトコンドリアは酸素と温度に依存してその働きを維持している。もしもその環境が悪化すると機能を停止してしまうのである。細胞内へと放射性元素などが入りこみ放射線を直近から放射すればたちどころにミトコンドリアはつぶれてしまう。シアンや砒素などの毒物や排気ガスや工場排煙をはじめとする化学物質もミトコンドリアが嫌う物質でありこれもミトコンドリアを機能停止させる因子である。低温、無酸素、放射能などが合わさると細胞内に棲まう幾百幾千と活動するミトコンドリアが次々に死滅していく。残ったミトコンドリアはそれでも必死に命の糧であるATPを産生するだろうが、とても細胞が生きていくだけのATPをまかなうことはもう無理である。必死に働いてきたおカミさんはもはや瀕死の状態なのだ。やおらここで髪結いの亭主が立ち上がるのである(笑)

荒ぶる原始地球で産声をあげて20億年もの長きに渡り放射線が猛烈に飛び交うすさまじい世界で生き延びてきた地球の最初の生命体であった嫌気性バクテリアの記憶が今よみがえったのだ。細胞本体である髪結いの旦那はデビルマンの如くに猛烈なパワーを示して解糖系を駆動し始める。12億年前に自分にとっては猛毒である酸素を吸って自分のかわりにATPをたくさん作る仕事を請け負ってくれた命の恩人でもある優しいミトコンドリア妻、細胞内に同居して同棲してずっと働いてきてくれたミトコンドリアという連れ合いに恩返しができる瞬間がようやく到来したのだ。こうしてボンヤリした細胞は荒ぶるパワーを手に入れたのである。そして自分の分身を増やしてまでもエネルギーATPを供給しようとし始める。これが分裂増殖である。通常は細胞は分裂などしないのである。する必要がないのである。細胞が危機に陥った場合に限り細胞は増殖分裂するのである。

このような一連のプロセスによってATP産生の破られた黄金律は均衡を保とうとする。その「揺らぎ」を一般的にはガンと呼んで忌み嫌っているのである。ガンをテロリストの如く嫌う思想とは実に馬鹿げた妄想なのだ。ガンとは細胞がたどる命をつむぐ軌跡である。細胞本体が長年に渡り共生して働いてくれたミトコンドリアへと恩返しをしている姿なのである。点火装置として長年役立ってきた解糖系が今度はメインエンジンとして働き出しているのである。

ガン戦争?抗ガン剤?病と闘う?

何を言っているのだろうか?

自己と闘争して何になるのだろう?そのガンと呼んでいる細胞は自分自身なのだし、今まさに自分を生き延びさせようと健気にも活動を開始してくれた生命史40億年の先輩なのだ。ガンというエネルギー産生機構によって私たちは生かされてきたのだ。

5%の解糖系という5%のガン化によってミトコンドリアへと物質が移送されて大量のATPが生み出されて私たちは生きているのである。わたしたちはガンによって生かされてきたのだ。

深くガンに頭を垂れないかぎり私たちは医療の次なるステージへと到達できないのである。悟りの医療とはガンの真相を知ることからスタートする。そう我々はずっと40億年もの長い間ガンによって生かされてきたのだ。解糖系を亢進しながら生き延びてきたのだ。ガンは命の恩人である。ガンこそ命である。ガンこそ私である。

「病は命、命は病となり」と高らかに叫んだ「邪正一如」の鍼術の一派、多賀法印流の如く私もシャウトしようじゃないか。

「解糖系は我が命、命はエネルギー産生の二重らせんにあり」

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2012.10.07 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 細胞宇宙

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