常識を疑え




「モースは北海道の小樽で、

おそるべき体力を持った老婆に出合った。

彼女は天秤棒をかついで帆立貝を

行商しているのだったが、その荷はモースと

彼の日本人の連れが持ち上げようとしても

どうしても上らぬほど重かった。

彼らが断念すると老婆は静かに

天秤棒をかつぎあげ、

丁寧にサヨナラをいうとともに、

「絶対的な速度」で往来を立ち去って行ったのである。

「この小さなしなびた婆さんは、すでにこの荷物を

一マイルかあるいはそれ以上運搬したにもかかわらず、

続けさまに商品の名を呼ぶ程、息がつづくのであった」。

むろんこの老婆は当時の小樽の「魚売り女」の中で、

特別の力持ちだったわけではなかろう」

渡辺京二「逝きし世の面影」葦書房






労働が体を壊す場合もあるが、

労働が体を作る場合もある。

ここに記述された

しなびた老婆が天秤棒を

かつぐそのスタミナは、

筋トレでもストレッチでもない

まぎれもない行商という労働が

生み出した賜物だ。

スポーツを礼賛し筋肉を付けることを良しとする常識。

果たしてその常識は正しいのか?

常識を疑うことも時に必要だろう。






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2018.01.18 | | コメント(2) | トラックバック(0) | NOISE&VOICE

コメント

常に

必要です。(笑)

2018/01/19 (金) 18:58:06 | URL | 桑畑五十郎 #- [ 編集 ]

あっ、桑さん、まさに、そうですね。

常に疑え!

フォースと共に、に匹敵する名言じゃん(笑)

この、帆立の行商、ぼてふり、の、しなびた婆さん、

俺にとってのマスターですわい。

しなびた爺になって、俺もいつか、みんなをビックリさせる。

この記述、実は、いつか、貼ってみたかったの。

念願叶って、リアクションのコメももらえて、アタシ、とっても嬉しいっす(笑)

2018/01/19 (金) 19:03:43 | URL | 今村光臣 #- [ 編集 ]

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