ブルースモッグ

今から3500年前の古代中国大陸は鬱蒼とした大森林に覆われていた。黄色い大地が丸裸になった今の姿からは想像もできないが国土の8割が森だったのだ。象やトラが跋扈するその森は炭酸同化作用の副産物である芳醇な酸素を放出し酸素呼吸を行う動物たちの肺胞とミトコンドリアを養ってくれた。外呼吸である肺呼吸と内呼吸である細胞内ミトコンドリアの酸素呼吸。このマクロとミクロのダブルサイクルがスムースかつ良好に行われていたのだ。どれほど清澄な気分だったろうか。精神性も高かっただろう。その森と共生した時代に生薬のデータは積み重なったいったのだろう。大森林は豊富な生薬を提供した。サルノコシカケなどのキノコ類はふんだんに手に入ったことだろうし、木の皮、木の実、草木のパーツのすべてがあり余るほど簡単に入手できた。森と共生する恩恵は計り知れなかったはずだ。そこへ製鉄技術をもつ一群がやってくる。これが災いの発端であった。その便利な製鉄技術は木を切り倒す斧をノコギリを生み出した。土を掘削するスコップも作った。人や動物を殺す道具である矢尻や刀剣も生み出した。こうして大森林は瞬く間にカイハツされていく。ハッテンの名のもとに。モラルなき科学技術の原罪。すでに紀元前にその原罪はスタートしているのだ。人間の業の深さを思うとなんともいえない。古代中国哲学は天人合一を至上の目標とした。神である自然と一体になって生きることが最上の生き方なのだ。なのに欲が先行して森を破壊した。象もトラももうそこにはいない。今のアフリカはどうだろう。カバも激減して絶滅が危惧されている。ゴリラもタンパク源として狩られてしまう。象たちはもはや見る影もない。パンドラの悲劇は今も続いているのだ。「のろまな希望」は果たしてまだ箱の底に待っているのだろうか。日本も戦後になりケイザイのハッテンと称し大々的にカイハツが進行する。こんな小さな島に道路がいっぱい造られてシンカンセンが走り飛行場があちこちに建設された。それでケイザイ大国だって自己満足に浸ってた。無論ゲンパツもたくさんおっ建てた。発生した熱量の三分の二は海へと温排水として捨てる非効率極まりない発電施設であるゲンパツ。その高温の汚水は周辺の海域の生態系を決定的に痛めつけてきた。魚の卵は海水温の温度変化に弱いのだ。卵の段階で殺す。ここでも一番弱い命が危機に直面していたのだ。人間は3000年も同じことを繰り返しまだ懲りないのだ。ケイザイとかハッテンとかカイハツとかってのが何をもたらすのか?もうわかるじゃん。単に自然を破壊するだけなんだって。地球を汚染するだけなんだって。地球に優しく?エコロジー?そんな浅薄なファッションじゃなくて根源的な問題なのさ。人がどうやってこの地球と共生するのか。そのモラルを構築しなければいけないのだ。それが何よりも先行するトップ・プライオリティじゃんかよー!それ以外の学科はさ、そんなにたいした問題じゃないはずだ。科学も技術も「地球生理学」「地球共生学」の傘下に属する部門なのだ。地球に生きるうえでのモラルがない技術など決して認めてはいけないのだ。すべてに先行する学問とは「地球との共生を学ぶこと」であってほしい。鉄器によって切り開かれた森は泣いていただろう。森こそが人間の安らぎの場であり癒しの場だったのだ。植物は傷が付くと自分を守るためにその木肌に抗生物質を分泌する。葉が虫に噛まれると虫除けの匂い物質を放出する。この香り物質はフィト(植物)とツィッド(殺す)を合わせてフィトンチッドと呼ばれる。レモンなどの柑橘類やネギや生姜、コショウ、山椒、ハーブ類など野菜や果物の香りはすべてフィトンチッドであり細菌やウイルスに抗する力を秘めている。そして森全体がこのフィトンチッドを放出しているのだ。ブルースモッグ。森を覆うフィトンチッドの青いカスミは森にとってのバリアであり繭なのだ。この繭が地球をも守っていたのだろう。地球に棲息する生命体はブルースモッグのお陰で生きてこれたのだ。その繭がどんどんと減っている。病原菌が活発に動き始めてしまった。地球全体の抗生物質の役割を果たしていた森を人間がカイハツしたからだ。愚かにも感染症におびえる人類たち。パイプモンスターである原発が吐き出す放射性物質がさらに輪を掛けて人間の免疫力を低下させる。医療だって本来は地球生理学の一部門なのだ。地球環境と私の生理はつながっているのだ。すべてが連環しリンクしているのだ。肩こりや腰痛の真因は2800年前の斧の一振りにあるのかもしれません。

鉄元素は人体内にあっては約65%がヘモグロビンとして赤血球に存在する。他には数%がミオグロビンとして筋肉中にある。残りの大部分は貯蔵鉄として骨髄、肝臓、膵臓中にある。

ウラン、プルトニウムなどは鉄元素と置換されて取りこまれる。つまりは上記の部位が侵襲されるということである。血液が侵され、筋肉が被曝し、骨髄と肝臓、膵臓がダメージを受けるということである。恐ろしく広範囲かつ深刻な健康被害が発現しかねないのがウラン、プルトニウムによる内部被曝であろう。

予防は毎度お馴染みのキクラゲのスープ。蜆やアサリの汁もいい。ノリもせっせと頂いてレーズンやプルーン、アーモンドに舌鼓を打って最後に深蒸しの緑茶でしめる。中国の薬物書のバイブル「神農本草経」のタイトルのはじめにある神農という文字。これは人の名前なんだけどこの神農さんが百草を嘗めて毒味して、「この草は使える、これはダメ、これはイイ」って自分で人体実験を繰り返して365種だか選定した生薬が記載されているってのがこの本。この神農さんが毒にあたっても死ななかったのは実はお茶の葉を噛んで毒消しをしたからだ、なんて逸話だか作り話がある。まあ白髪三千丈のお国柄、この神農さんって人も実在の人物かは定かではない。私流に解釈すればこの神農さん、ようは生薬と人間の関わりの歴史を集約した人物ということだろうね。それはさておき、神農さんを描いた絵ではいつも口に葉っぱをくわえているのは確か。この葉っぱが「お茶っぱ」だって言うんだからまんざらでもない。ここ牧之原市は有数のお茶処。深蒸しという技術で作ったお茶は独特の深い緑色になる。まるでクロロフィル溶液。香りもいいし味もいい。本当に旨いお茶なの。アミノ酸のグルタミン酸がその旨味らしい。緑茶カテキンの抗酸化作用、抗ウイルス作用などもチラホラ話題にのぼります。茶葉の香りとはフィトンチッドそのものです。生薬の歴史とは人間のデトックスの歴史だったのかもしれません。つまりは神農さんはデトックス神ってこと?

古代中国の大森林に思いを馳せ、生薬の歴史を想起して食後の一杯のお茶を今日も深く味わうことといたしましょう。

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2012.07.06 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 命曼荼羅

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