続けてナンボ

「針灸治療に長い経験を持つ術者は、しばしば長期の治療によって、当初意図しなかったような全身状態の改善、一見非可逆的に見える老化現象等の『若返り』の起こることを体験する。ただしこれらの効果は、いつ、どの程度に、どういう風に起こるかは一定しない。灸家として令名のあった深谷伊三郎氏の経験によると、一年以上の灸治で白内障の患者が新聞が読めるほど治った例があるという。あるものはもっと短期間に治り、あるものは不治であるだろう。しかし日本の各地で針灸の伝統の残っている地方では、医者が無視したり否定的であるにも関わらず、そのような治効例が民衆の間で知られ、かなりの長期の治療を要する疾病にもこれを試みた。代田文誌氏の灸治の治験例にも述べられているように、慢性病では最初の数ヶ月ほとんど効果があがらないのに、一定期間の灸治をしんぼうしていると突然効果が現われ、あとは非常に順調な経過で治癒にむかう例がある。伝統の無い国では、恐らく患者がそれまで待てずにあきらめ治療を中止してしまうだろう。・・転調効果による全身機能の改善、たとえば食欲増進、気分の爽快化、不眠の改善、体重の増加または減少(平均化)、内分泌機能の正常化による性機能の改善等は、それだけでも慢性病の患者の自信を増し、疾病の治癒に大いに役立つ」間中善雄「肩こりと腰痛」創元医学新書



つい先日に11年来の頭痛に悩む患者を初診した。

11年前に頭が痛くなり、それいらいほぼ毎日の

頭痛に悩まされているという。

その頭痛のキッカケは13年前の交通事故とのことだ。

さて、それで初診時に、いつものように

全身指圧を試み、身体各所の凝りを探った。

たしかに凝りはそこかしこに見られたが、

恐らくは10回を経ずして、寛解するだろう

と私なりの予後が予測できた。

この患者はすでに近郊のあらゆる治療院や医院を受診し、

すべてに失望し、万策尽きて、わたしのもとを

訪れた次第だ。

初診時の治療中に「肩が軽くなって、身体中がホカホカしてきた!」

「今まで受けた治療で、ここが一番効きそう!」

との率直な意見をベッド上で述べていた。それから

「どのくらい通ったらいいですか?」

という定型の質問が出た。

私はこれまでの実例を挙げながら、

それほど回数を重ねなくとも、恐らくは早い時期に

寛解に向かう旨を伝えた。

そして次回の予約をして、笑顔でこの患者は初診を終えて帰宅した。

1回で治るケースもあれば、数回から十数回で治るケースもある。

あるいは何ヶ月もかけて長期で治るケースもある。

10回で治るケースなのに、数回で治らないからとそこで治療を

やめてしまうのは、とてももったいない。

数ヶ月かけて治療すれば全身が若返るほどの転調効果が期待できるのに、

初発症状が改善したら、治療をやめてしまうのは、

宝を見つけてそれを取らずに立ち去るようなものだ。

鍼灸指圧は続けて治療するから転調効果が現れるのだ。

鍼灸指圧は続けてナンボ。

スポンサーサイト

2017.05.26 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

kouhakudou

Author:kouhakudou
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR