オレの居場所

患者の体壁筋肉系と私の指先が同化する。

気ナビゲーションのゲートが開く。

指先が極小の素粒子から極大の宇宙の泡モデルと

結びつく。患者の凝りがゆらぎ始める。

指先と凝りが触れあう境界から

命のうねりが放たれる。

気龍が凝りの淵から姿を現した!

解き放たれた気龍はぬるぬるとゆっくりと

患者の体壁筋肉系をはい回ると、

やがて思う存分に駆け巡り、

手足の先の井穴から体外へと飛翔する。

気龍が動く時間はそれほど長くない。

いかにして気龍を引き出すか。

わたしの治療の成否はそこにかかっているのだが、

気龍は気まぐれゆえに、

こちらの思い通りにはいかない。

いつも、ただ待つのだ。

気龍の動くさまは、

まさに命の不思議としかいいようがない。

生理学の教科書には、気龍については

ひとことも触れられていない。

そもそも西洋を源とする現代科学は

気など眼中にないからだ。

我が国の中世の幻の鍼術指南書とされる

「入江中務御相伝針之書」

のなかに、鍼の「手の内」を

記した箇所がある。

この鍼の「手の内」とは、

鍼の操作法という大意だが、

鍼先の気をどのように動かすか、

鍼の入れ方、ひねり方、抜き方、

また術者の気の送り方、患者の気とのやりとり、

気をどのようにイマジネーションするか、

なども含めた総合的な「手の内」とされる。

その入江流の鍼の「手の内」は

15のイマジネーションで表現される。

魚勢、柳勢、人勢、風勢、舟勢、

火勢、龍勢、海頭勢、鐵勢、意勢、

馬勢、風馬勢、犬勢、鳥勢、虫勢。

ここで明らかなように、

日本中世において、日本の鍼術一派が

すでに気の動きを龍に例えていたのだ!

科学などない時代に様々なモチーフで

気の動きを捉えた我が国の鍼医の先輩達。

必死に科学用語で鍼の世界を伝えようとしていた

わたしをどんな思いで草場の蔭から見ていただろうか。

遠回りをしたようだが、

ようやく本来の土俵に返り咲いた。

オレの居場所はここだ。

この気龍と対決する指先の世界。

そこがオレの居場所なのだ!

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2017.04.15 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

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