気マトリックス
〈 まずは、噺のマクラに、こんなところから。
(引用開始)『盲人が色を識別する』
ソ連では昔から、目をつぶっても色がわかるか、裏返しても何が書かれているかわかるかなどといった実験がさかんに行われていた。そのような文献がソ連にはたくさんある。鍼灸の研究をはじめ、四次元の世界の研究やオカルト的な実験が、なぜかソ連ではさかんである。単細胞生物にも外界からの情報を信号として捕捉する能力はある。しかし特殊な、少なくとも形態学的に特定できるような受容器は発見できない。また高等動物にあるような神経系も存在しない。するとその細胞膜に、多様な「感覚受容器」があるのではないか。高等動物では、感覚の受容器はかなり細分化し、光は眼で、音は耳で、皮膚にはそれぞれ触覚、温覚等、舌では味覚、鼻では嗅覚等、特異の受容器ができて、相互に互換性はまったくないとされている。しかし実際、敏感な盲人があたかも色を弁別できるがのごとく花の色を当てたり、少し離れた人の身振りを正確に判別したりするという報告がある。盲人で琴の名手として有名だった故・宮城道雄氏は、訪問先で床の間の盆栽をほめて、「いい紅梅ですね」などと言った。どうして色が判るのかわからないが、ちゃんと弁別した。また夜空を見上げて「いい月夜ですね」と言ったりしたという。またある種の超能力者は、指頭で色を弁別したり、壁越しにその背後を「見たり」できるという。知り合いの医者でも、新聞を裏側から読めるという人がいる。いわゆる透視術であるが、恥ずかしいからとふだんは隠していた。そのメカニズムは不明であるが、あるいは単細胞生物の細胞膜にあたる皮膚にそういう特殊な感覚が受容されているのではあるまいか。(引用終了)間中善雄・板谷和子「体の中の原始信号」地湧社
故・間中善雄先生の略歴は、1911年生まれ。1935年、京都帝国大学医学部卒業後、1936年、東京帝大附属和泉橋慈善病院にて外科学を学ぶ。1937年、小田原市にて開業。1957年、京都大学医学部より医学博士の学位。1940年代から漢方と鍼灸の研究を志し、東洋医学の普及、発展に貢献した。1989年死去。でして、板谷和子氏は20年来の共同研究者であり鍼灸師です。
1990年に既に、皮膚の持つ多様な感覚の可能性に言及している貴重な記述、だと思います。で、実際に近年の皮膚研究により、様々な事が解明されてきています。では、また、次回に。〉
この 〈 〉 内の書き込みは、某掲示板に私が2010年3月2日に書き込んだものだ。
当時、この掲示板で私は、ある内科医とコメントで親しく交流をしていた。
私が様々な文献からピックアップした引用文を、
内科医の彼は貴重だと絶賛してくれた。
この上記コメントへの応答でも、
どこからこんな文献を見つけてくるのか、と驚嘆していた。
すべて独力で探し出し、脳内Xファイルに保管した
私の宝物殿データだ。
ネットには私が求めるXファイルは無い。
そもそもネットでこうした情報を検索する事が
私にはないからだ。
ピンとくる者には垂涎の情報を今回は大放出している。
結果、自分にとって裨益する所が大だ。
気マトリックスによるナビゲーション。
こんな言葉も今回の企画から湧いてきた言葉だ。
脳内Xファイル祭りは、まったくもって
楽しい祭りだ!
2017.04.09 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 養生クリエイター
