ポールシフト

宇宙ステーションのラボにおける実験でわかったことのひとつは無重力空間では受精卵の発生分化が進行しないということ。つまり重力という情報は生命発生に不可欠な要素なのだ。重力は生き物に負荷を与える。そのストレッサーとなった重力負荷に対して「何くそっ」という克己心が芽生える。その芽生えこそが軸やコアなのだろうか。骨の生長には重力負荷が必要なのだ。重力入力は電気に変換されて骨の生長を促すという。重力の影響をあまり受けない地球上に棲息するプランクトン(浮游生物)の形状をつぶさに見てもやはり軸や中心となる部分が存在するのは不思議だ。水中という重力負荷の極めて軽減した世界においてもなんらかのコアが存在しなければ生命は維持できないのだろうか。いやむしろそういう不安定な水中でこそ中心線が必要なのかもしれない。クラゲの幼生の姿などまるで宇宙船かと見まがう美しい構造体だ。成長したクラゲもなにか人工飛行物体っぽい。植物性プランクトンのケイソウなどは葉巻型UFOに酷似している。生命体が人工の構造物と似てくるのもそれほど不思議でなない。おそらくそのような美しい形がプラズマで満たされた宇宙空間に存在するに適しているのだろう。巻き貝などはもう芸術的に美しい。よくもこれほど洗練された渦巻きスタイルが出来たと驚嘆する。重力という垂直のラインに地球や太陽系や銀河系の回転が加わるとスパイラルという渦巻きパターンが現出するのだろうか。この渦巻き模様はこの地球上の鋳型として多くの生命体や物に見られるパターンである。人の指紋もこの渦巻きだ。指紋はひとつとて同じものは存在しない。この世界は共通のマトリクスを使いながらまったく独自の多様性をもつに至っている。自立と共生。独立と調和。独立の許されない国にあっても個の内面は侵されてはいけません。個の内面は個の力で探求しなければいけません。

閑話休題。

さてこの一定の軸を持つのは無論、人間とて一緒です。この地球というGフィールドに適応して進化してきたのが人間です。Gとはグラヴィティー、つまり重力です。汽水域に取り残された原始のサメが重力に抗して血圧が上がり心肺機能が向上しやがてエラが切れた部分が関節となり足や手になり脊椎は四つ足から二足歩行に適合すべくS字状に彎曲し頭の重さをそのS字のクッションでいなし、足関節をアーチ状に造り替え全体重を支えるだけの構造にし、股関節を内転させることで歩行をスムースにし人類は今まで歩み続けてきました。四つ足から二足歩行への適応はまさにフルモデルチェンジと言っていいほどの体制変化をもたらしました。その中で注目すべきはやはり体軸である脊椎です。四つ足時代には均等に脊椎にぶら下がっていた五臓六腑は二足歩行になるとそのすべてが重力によってだらりと下方へと向かいます。それを支えるのが骨盤というお盆のような「受け」であります。つまり四足の時には均等に負荷がかかり安定していた江戸時代の魚売りの「棒手ふり」よろしく地面に平行して横置きだった天秤棒・脊椎が二足歩行になると地面に垂直になって縦置きに変わるのです。これほど激しい変化はありません。もう「棒手ふり」はできません。どっちかっていうと「出初め式」。いや竹馬です。しかも一本の。これはけっこう難易度の高い技です。脊椎とは軸でありながら内臓がくっつき筋肉がくっつき全身を支える大黒柱です。非情な荷重に不平を言わず機能してくれている最重要な部位です。中国医学ではこの脊椎上の気の流れを「督脈・トクミャク」と称します。すべてを監督する立場にあるのが脊椎だという意味に解釈してもいいかもしれません。この脊椎という1本の柱に頭と手がくっつく所が第一の関所です。そして足がくっつく所が第二の関所です。この上と下の二大ポイント。「こことここ」は極めて重要なネックです。ダヴィンチの男女の重なる手足を広げた絵を見ると何気にこの二大ポイントに目が行きます。この手と頭がくっつく首と足がくっつく腰の「首腰ほぐし」は交感神経を賦活して身心に活を入れる方法だろういうのは私の推測です。Gフィールドの世界で生きる以上は必然的にこの二大ポイントに様々な入力が生じます。立ち仕事では足関節、膝関節、股関節にもろにGがかかります。そして腰で上体65%を受け支えるのですから腰にも強烈なGが加わります。座業であれば無論この腰に上屋の65%がドッカリと入力されます。座業においては仙骨や大腿骨の付け根付近に荷重が加わり続けます。そこの細胞内のミトコンドリアがつぶされてミトコンドリアが異形化すると活性酸素を発生せしめそれが痛みとなって本体へとインフォメーションされます。これが短時間で発現するのが堅いパイプ椅子に座ったあとにくる「イテテテテ」のケツの痛みです。これは短時間で起こった症状ですのですぐに解消されますが長時間におけるミトコンドリアの変形はやがては慢性的な腰痛や股関節痛の原因になったりします。この「虚血再還流障害」はけっこう怖い症状なのです。一時的に血がいかなくなった部位に一気にもう一度血が流れると酸素不足になっていた細胞内のミトコンドリアに大量の酸素が一度に供給されてしまいます。過剰な酸素呼吸によって一気に活性酸素が発生します。この一気に発生した活性酸素を消去するだけのカタラーゼやSODなどの酵素の合成が追いつきません。すると発生した活性酸素は細胞膜を破ったり細胞小器官を破壊したりしてしまいます。このような恐ろしいミクロの細胞内の攪乱が引き金になり大出血などが引き起こされます。これが手術などによって一時的に虚血状態になった部位に発生する「虚血再還流障害」です。これを防ぐためにあらかじめ活性酸素を中和する成分を注入するそうです。

さてさてなんだか長くなりそうなのでこのへんで引き取ってと。
軸である脊椎には交感神経、副交感神経の神経節が存在します。つまり脊椎とは人間活動のオンオフを司るインフォメーションポールなのです。体壁筋肉系と腸管内臓系の二者を操るバトンが脊椎なのです。だからたとえば脊椎を温灸で温めてやるとスコブル体調に良い変化が生まれます。腰椎を温めてあげると腰だけでなく股関節から脚のすべてが温まり機能アップします。下半身が軽くなります。首の付近を温めると手が楽になり視界がハッキリします。頭が明晰になりアイデアが浮かびます。胸椎を温めると胃腸機能が向上し蠕動運動が促進し食通りが良くなり便通がととのいます。畢竟、脊椎の調整とは全身の調整なのです。かの「ゆのくまきゅうあん先生」こと後藤艮山先生の弟子のひとりで名を上げた香川修庵はこの脊椎をはじめ背部を良く診察する方法を彼なりの表現で「視背」と称しました。「眼光紙背に徹する」ならぬ「眼光視背に徹する」漢方医であった修庵せんせい。いや目の付け所がお見事でした。

ということでGフィールドの多大なる影響をこうむる日々を過ごす人類にとって脊椎の調整は欠くべからざる養生法と言えそうです。ストレッチを使い脊椎を柔軟にしておくのは良い自己調整法でしょう。鍼灸指圧は脊椎調整にはたいへん向いた療法です。灸治療の継続が姿勢の矯正をしたという治験例は多数存在します。姿勢を正して緊張をほどく。これは宇宙と一体になる秘訣でもありましょう。

Gと共生して健やかに過ごしましょう。

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2012.06.29 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 鍼灸指圧

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