ツールがルーツ 4

鍼灸指圧はATP医療。

皮膚は押されると表層からATPを分泌する。

この皮膚表層で分泌されたATPはその後、

皮膚深層へと到達してメッセンジャーとなり、

皮膚が押された信号を伝達する。

つまり皮膚表層で押されることで分泌されたATPは

皮膚内で情報伝達分子として機能しているのだ。

これまで生理学の通説では、長らくのあいだ

ATPは細胞活動のエネルギー通貨というのが常識だったが、

この皮膚内で情報伝達分子として機能するATPの役割が

解明されるにつれ、ここ20年ほどで

ATPのホルモンとしての機能がクローズアップされるに至った。

例えばオキシトシンというホルモンがあるが、

これもホルモンであると同時に神経伝達物質だ。

またセロトニンなども同類だ。

胃壁から分泌される空腹ホルモンのグレリンも、

脳へと高速で伝達する神経ルートと、

血液を介して血流に乗せて全細胞へと伝達する血流ルートの

神経伝達物質とホルモンのダブルスタンダードな側面を有する。

アセチルコリンやアドレナリンも同じ作用を持つ。

だから、これまでは神経伝達物質とホルモンをわけて考えていたが、

いまではそのような分け方自体が意味を成さないことがわかり、

神経伝達物質とホルモンとサイトカインを一括してホルモンと

呼ぶ傾向が生理学のなかで出て来た。

糖質制限などと称し今では忌み嫌われている糖質のブドウ糖なども、

実はホルモンのように振る舞うことがわかっている。

糖質を摂取しブドウ糖が血液中に回り出すこと、

それ自体がひとつの信号となり、身体中が活性化するのだ。

食べ物に含まれるタウリンやグリシン、グルタミン酸や

アスパラギン酸などもブドウ糖と同じくホルモンのように

作用する分子だ。

ある意味、体内に存在する分子はもしかしたら

すべてホルモンと言い換えることが可能かもしれない。

さて、そのホルモンのなかでもなんといっても

もっとも基本的で大事なホルモンがATPだ。

ATPはADPに変換される際にエネルギーを放つ。

このエネルギーこそが命の躍動の源泉なのだ。

ATPは体重の約1.4倍量が日々、産生されている。

その内訳は95%をミトコンドリアに依存する。

そういったわけでミトコンドリアを元気にすれば、

このATP産生が高まり、体力が増して元気になる、

いやもっと言えば病気にならない身体ができる、

などというミトコンドリア丸投げ論が

昨今、幅を利かせて流行り始めているわけなのだ。

だがしかし、事はそれほど単純ではない。

ミトコンドリアは12億年前に原始真核生物と共生する際に

ミトコンドリアDNAのほとんどの遺伝子を

細胞核のなかへと疎開避難させてしまったのだ。

ミトコンドリアが酸素を使ってATPを生み出す際に

酸素の酸化毒で自身のミトコンドリア遺伝子が傷つく事を避けるための

賢明な国策ならぬ「細胞策」な処置が施されたのだ。

311後にそれをしなかったどこかの国とは対照的な

素晴らしい処置だ。

生命のやる事は本当に驚くほどに賢い。

ところがそのミトコンドリア遺伝子の細胞核への

疎開避難のせいで、だからミトコンドリアは今では

自力で単独では、ミトコンドリア内の酵素活動を

おこなえなくなってしまっているのだ。

ミトコンドリアは細胞核DNAのなかに

疎開避難させたミトコンドリア遺伝子をもとに、

細胞小器官の小胞体やゴルジ体を経由してセントラルドグマで

生み出される酵素タンパク質をヒートショックプロテイン60の

シャペロン能力を頼りに、ミトコンドリア内にまで

ロジスティック(移送運搬)してもらうことで

ようやくミトコンドリアが正常に機能する段取りになっている。

つまり、いくらミトコンドリアさえ活性化すれば、

と大声で念仏を唱えても、それはそう簡単にはいかない事が

これでおわかり頂けるだろう。

あくまでミトコンドリアは細胞と協調して二人三脚で

いつもラブラブカップルでなければならないのだ。

だから細胞核遺伝子が何らかの環境ストレスで傷つけば、

ミトコンドリアも共倒れの憂き目に遭ってしまうのだ。

このへんの領域のはなしは、かなりめんどくさくて、

興味のない方々にとってはどうでもいい問題なのだが、

私のような者にとっては、看過できない領域となる。

だから、敢えて細かくしつこくもう一度、言ってみた。

そういうわけなのだが、私なりの調査分析では

ミトコンドリアを活性化する方法はそれなりに

あるのだ。

ミトコンドリアを活性化するには、

①一酸化窒素と②ナトリウム利尿ペプチドと

③グレリンと④乳酸の

この4つの分子が有効だ。

これら4分子のミトコンドリア活性化には

動物実験やヒトにおける臨床実験の科学的お墨付きという

れっきとした実証エビデンスが獲得済みだ。

さらにここに⑤ATPそれ自体を加えたい。

生命には正のフィードバックとも呼べる機能がある。

ある分子が分泌されると、それ自体が信号となって、

さらにその分子の分泌が高まるという仕組みだ。

オキシトシンというホルモンなどもそうした機序で

分泌が高まる。

やればやるほどやる気が出てくる。

そんなメカニズムがATPにも備わっているはずだ。

この①から⑤までのミトコンドリアを活性化する分子は

すべて鍼灸指圧により産生量が高まる分子だ。

なぜなら皮膚は押されることでATPが出ると

いう厳然たる事実ひとつだけでも

簡単にこれは立証できるのだ。

皮膚は押されるとATPを出すが、

筋肉をほぐす一酸化窒素も分泌する。

また体壁筋肉系を押すことは

血管を押すことに等しいが、

血管も押されることで一酸化窒素を分泌する。

血管は血管拡張ホルモンの一酸化窒素だけでなく

血管収縮ホルモンのエンドセリンを分泌するし、

ナトリウム利尿ペプチドCも分泌するし、

オキシトシンも分泌する。

血管は4種類ものホルモンを合成できるのだ。

また乳酸は常に皮膚や筋肉内や脳や内蔵で合成されているが、

乳酸は速筋で生み出されたものを心筋や遅筋の

ミトコンドリアで使い回しするように

各細胞膜に乳酸トランスポーターという装置が装備されて、

血流を介して乳酸はやりとりされている。

血流を促進する一酸化窒素やナトリウム利尿ペプチドが

乳酸活用に有効であろうことは論を待たない。

グレリンに関しては臨床において、

患者の胃腸の蠕動運動が高まり、

胃や腸が動くグーグー音をよく聞くことで

いまのところはエビデンスと言えるだろう。

実際にはハリを胃のツボである足の三里のツボに打ち、

CTスキャンなどで胃を見ていると、

驚くほどによく胃が動く映像が確認されている。

鍼灸指圧は体壁筋肉系をアクセスポイントとすることで、

皮膚や血管壁からATPや一酸化窒素やナトリウム利尿ペプチドを

産生し、血流を促進することで乳酸をよく使い回し、

胃からのグレリン分泌を高めることで、

全身のミトコンドリアを活性化し、

95%のATP産生を後押しすると言えよう。

鍼灸指圧こそがミトコンドリアを活性化する医療なのだ。

ミトコンドリアが活性化すれば、

ATPが潤沢に産生されて、

ヒトはエネルギッシュになる。

鍼灸指圧はエネルギッシュなATPメガ盛り人間を増やす

ATP医療の真打ちだ。

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2017.03.12 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

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