身体論の解体と再構築 9

グレリンというホルモンは胃壁で分泌されると

胃の周囲に張り巡らされた神経網を介して

高速メール送信で「胃にモノがなくなった」という

メッセージを脳へと送る。

それと同時に胃体部の血管へとグレリンは

エンドクリン(内分泌)されると、

血管を通じて全身のミトコンドリアへと

「これから食事が始まるぞ」という

伝言が高速メールではなくアナログじきじき伝言で

言い渡される。

脳へと胃から神経を介して高速メール通信されたグレリン

のメッセージは脳に伝達されると脳内で

「あ〜、腹が減った」という意識となる。

と同時に、胃が蠕動運動を起こして「グー」と鳴る。

またアナログじきじき伝言で全身のミトコンドリアへと

伝達されたグレリンの食事が始まる合図の銅鑼(どら)は、

全身のミトコンドリアを活性化することで、

栄養素が取りこまれた時に即座にATPホルモンに

変換するウォーミングアップ体制を整える。

こうして胃から分泌されたグレリンは神経を介した

高速メール通信と、血流を介したアナログじきじき伝言の

2つのルートを使って、胃にモノがなくなった危機的状況を

脳と全身のミトコンドリアへと伝達することで、

食欲を引き起こし、食事を摂る気にさせて、

命をつなごうとするのだ。

もしもグレリンというホルモンがなくなれば、

わたしたちは胃に食べ物がなくなったことに気がつかずに、

血糖値が下がったことにも気がつかずに、

知らぬ間に血糖値が低下してフラフラになり

意識を失う危険性がある。

食欲はグレリンだけで誘導されるわけではないが、

胃に食べ物がなくなったことを知らせるサイレンのグレリンは

人体に欠くべからざる重要なホルモンなのだ。

グレリンは胃だけで分泌されるわけではなく

脳でも分泌される。グレリンは脳と腸で分泌されるまさに

ブレイン・ガット・ホルモン(脳腸ホルモン)の

典型的なホルモンだ。

このブレイン・ガット・ホルモンは実は皮膚でも

産生されている。

そういう意味では正確に言えばブレイン・ガット・ホルモンは

わたしの解釈では

「ブレイン・ガット・スキン・ホルモン(脳腸皮膚ホルモン)」と

言えるのだ。

だから、もしかしたらグレリンは胃と脳で分泌されているだけでなく、

皮膚でも合成分泌されているかもしれない。

これは私独自の予想だが、鍼灸指圧の臨床では、

体壁筋肉系への刺激が胃腸の蠕動運動を惹起する実例は

ごくごく当たり前の極めて日常茶飯の出来事なのだ。

だからグレリンが皮膚や血管壁や筋肉で合成されていて、

この体壁筋肉系で合成分泌されたグレリンが

胃腸の蠕動運動を惹起し脳へと空腹感を想起させる機序として

機能している、という予測を常々わたしは抱いている。

コレはほんとココだけのはなしだが(笑)

さてこのグレリンの効能は食欲を引き起こすにとどまらず、

以下のようにまことにめざましい効能がある。

①筋肉のミトコンドリアが弱り持久力がなくなった年老いたマウスに

グレリンを投与すると、筋肉内のミトコンドリアが増えて持久力が

回復した。

②腎臓が弱ったマウスにグレリンを投与すると

腎機能が回復して蛋白尿が減った。

③ガンで痩せてしまったヒトや、

心不全、呼吸不全、糖尿病性神経障害のヒトに

グレリンを投与するとすべてが回復傾向を示した。

つまりグレリンは全身のミトコンドリアを元気にすることで、

各種疾患の回復を促進すると結論できるのだ。

このグレリンと同じような効果が血管ホルモンの一酸化窒素と

心臓ホルモンのナトリウム利尿ペプチドにもある。

一酸化窒素やナトリウム利尿ペプチドの働きを強化した

Xメン的な一酸化窒素&ナトリウム利尿ペプチド・メガ盛り強化マウスを

作成すると、このマウスのミトコンドリアの数が増して、

筋肉が強くなり持久力が高まって、腎臓が弱っていくことを

防ぐことができるエビデンスが獲得された。

グレリン、一酸化窒素、ナトリウム利尿ペプチドは

ミトコンドリアを増強する三種の神器ならぬ

三種のホルモンなのだ。

そして、さらにここに私の独断で

乳酸というホルモンに似た作用をする分子を

ミトコンドリアを増強するヒーロー分子に加えたい。

乳酸はこれまで生理学の分野では100年間も、

細胞活動の老廃物と誤解されて、筋肉痛や凝りの原因分子と

誤認されてきた。

しかし、近年の乳酸研究でこれらの汚名がすべて濡れ衣の

大間違いの嘘っぱちであることが判明した。

乳酸は常に細胞内で糖の分解過程で発生し、

一定量が各臓器に常にあるものだ。

そしてとくに糖をよく使う脳内には、

いつも乳酸の量が多い。

それで少しキツメのハードな筋トレなどをすると、

筋肉のなかの速筋と呼ばれる部分にいつもよりも

多く乳酸が発生する。この筋肉中に発生する乳酸は

筋肉中に蓄えられていた糖のグリコーゲンを使い切った

証拠であり、だからアスリートなどはこの運動後の

乳酸濃度を計ることで、力が出し切れたパフォーマンスの

指標とするのだ。全力を出し切って筋肉中のグリコーゲンを

使い切った結果、乳酸濃度が高い数値をはじき出せば、

アスリートはパフォーマンスを最大限に出せた、と

大喜びするのだ。

この速筋のなかでいつもよりも多く産生された乳酸は

その後、30分間から1時間以内に乳酸トランスポーターという

細胞膜の装置で搬出と搬入がおこなわれて心筋と遅筋の

ミトコンドリアへと血行性に運び込まれる。

こうして速筋から心筋と遅筋のミトコンドリアへと運ばれた乳酸は

心筋と遅筋のミトコンドリアのATP産生に利用されるのだ。

つまり乳酸はミトコンドリアにおけるATP産生の素材なのだ!

ヒトの筋肉は糖をグリコーゲンにして備蓄できるが、

大量には備蓄できない。だからその筋肉中の備蓄分の

グリコーゲンを使い切ってしまうと、そこでスタミナが切れてしまう。

これが運動時におこる疲れの現象だ。

この時に筋肉中のグリコーゲンは枯渇するが乳酸が増える。

だからこの乳酸を疲労分子と見誤ったのだ!

この運動後の疲労時に増えている乳酸は実はグリコーゲンを

使い切ってスタミナが切れた時のための予備のエネルギー源という

大事な役目があったのだ。

この筋グリコーゲンを使い切ったあとに発生した乳酸を使って、

心筋と遅筋が火事場のバカ力を発揮することが出来るのだ!

これがいわゆるラストスパートの真相だ!

ヒトの身体はこのようにあらゆる分子を非常に巧みに利用する

ことでエネルギーを得ているのだ。

この乳酸をスタミナ源に活用するように進化しているのが、

競走馬のサラブレッドだ。サラブレッドはヒトよりも多い乳酸を

発生することで、あの華麗な疾走を生みだしている。

ヒトもだからある意味、サラブレッドだ。

速筋で産生された乳酸が心筋と遅筋のミトコンドリアに

運ばれて利用される仕組みを、まるで乳酸がホルモンのように

機能している、とわたしは見立てた。

乳酸研究のアカデミズムの最前線では、乳酸はミトコンドリアを

増強するシグナル分子と予測して、エビデンスを収集している

最中だ。乳酸はミトコンドリアを増強するホルモン、と

いう新たな知見がいまに確立される可能性も高い。

ということで、乳酸をミトコンドリアを増強するホルモン様分子と

独断で断定する。これで、

グレリンと一酸化窒素とナトリウム利尿ペプチドと乳酸

という4つのミトコンドリアを増強する分子がそろった。

三種の神器ならぬミトコンドリア増強の

四天王ヒーロー分子の見参だ!

鍼灸指圧はこのミトコンドリアパワーを引き出す

四天王ヒーロー分子を操ることができたから、

ここ2000年の風雪に耐えたとわたしはみている。

鍼灸指圧こそがミトコンドリアパワーと、

四天王ヒーロー分子の働きを引き出す最強医療だ。

ミトコンドリアパワーを引き出す四天王ヒーロー分子は、

運動やエクササイズやストレッチの励行でも十分に

分泌できる。

各自、自分に合ったエクササイズを励行し、

四天王ヒーロー分子と仲良くなり、

ミトコンドリアパワーを引き出してもらえれば

幸いだ。


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2017.02.18 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 養生クリエイター

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